三井生命 わたしの記念日/ 外貨建て終身保険の予定利率・保険金・保障を評価 レビュー

三井生命 わたしの記念日
オススメ度:
3
保険会社:
三井生命
名称:
わたしの記念日
通貨:
米ドル・豪ドル
支払方法:
一時払い
予定利率:
米2.0% 豪1.9%
特徴:
大切な日が記念日になります

三井生命 わたしの記念日は予定利率より新しいサービスが魅力?

わたしの記念日は三井生命の一時払いの外貨建て終身保険で、金融機関窓口でのみ契約できる保険だ。金融機関は三井住友銀行のみで、他の銀行・信用金庫等では取り扱っていないようだ。以下、わたしの記念日の概要を記載し他社の保険と比較する。

まず保険の仕組みだが、一般的な外貨建終身保険と同様に、支払った保険料は外貨(米ドルor豪ドル)で運用され、被保険者が死亡時には死亡保険金、解約時には解約返戻金が外貨で受け取れる。それに加えて自分で設定した日に生存していれば、生存給付金が毎年受け取れる。その設定日が商品名でもある記念日ということになっている。

三井生命 わたしの記念日の仕組み・予定利率・返戻率・解約返戻金(解約払戻金)・死亡保険金など

この生存給付金が受け取れる仕組み自体は珍しいものではなく、日本生命や第一フロンティア生命などでも同じ仕組みの保険は存在する。この保険が特徴的なのは「記念日の設定」と「未来メッセージ」の2点だろう。

一般的に生存給付金は毎月か毎年の指定日(もしくは月初か月末)に振り込まれることが多い。その点、この保険は自分が設定した記念日に生存給付金が受け取れ、複数の記念日を設定することも可能だ。例えば、6月の結婚記念日と12月のクリスマスといった設定もできる。ご丁寧に記念日の1週間前~当日に記念日を祝う手紙が三井生命から送られてくる。ただ、当然ながら金利に基づいた外貨での増加分を受け取るため、記念日の数を増やしてもトータルで受け取る金額は変わらず、為替レートの影響で受け取る金額は増減する。

もう1つの「未来メッセージ」は、被保険者が書いたメッセージが受取人に死亡保険金と共に届けられるサービスだ。メッセージは生存中であれば加筆修正が可能で、遺された人に想いを伝えることができる。今のところ他社には無いサービスで、人によっては魅力的に感じるかもしれない。

次に下図では、各社の外貨建て終身保険(予定利率変動型)を選択できる通貨・契約できる年齢・予定利率の更改時期・支払い方法・死亡保険金の増減・為替手数料・予定利率・最低保証の予定利率等で比較した。いずれも為替レートの変動は度外視して計算している点に注意してほしい。また、参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し顧客満足度面も考慮した。

名称 日本生命
GOLD2
第一F
プレゼント
メットライフ
スマート
メットライフ
Be with
三井住友
しあわせ
三井生命
記念日
三井生命
フラット
明治安田
エブリ
アクサ
アップサイド
契約年齢 15~90歳 40~90歳 6~75歳 0~100歳 0~87歳 50~90歳 0~75歳 20~85歳 0~80歳
通貨 米豪 日米豪 米豪 米豪欧 米豪 米豪 米豪 米豪
為替手数料 50銭 50銭 50銭 50銭 50銭 25銭 25銭 50銭 50銭
支払方法 一時払 一時払 月払 一時払 一時払 一時払 月払 一時払 一時払い
予定利率
更改
10年 10-30年 毎月 毎月 10年 一定 毎月 10年 5-15年
死亡保険金
増減
漸増 2段増 一定 2段増 漸増 一定 2段増 2段増 変動
苦情率 0.04% 0.07% 0.15% 0.15% 0.08% 0.15% 0.15% 0.07% 0.13%
予定利率
米ドル
2.8% 3.0% 3.2% 4.6% 2.8% 2.4% 3.2% 3.8% 2.0%
予定利率
豪ドル
2.3% 1.8% - 3.0% 2.3% 2.0% 3.2% 3.4% 1.9%
最低保証 0.01% 0.50% 3.0% 2.0% 0.01% 2.4% 1.5% 0.5%
外貨建て終身保険の比較表(日本生命エバー・第一フロンティア生命レシーブ・ギフト・メットライフ生命・Be with・三井住友プライマリー・マスミューチュアル生命・三井生命・メットライフ生命

上図で右から4番目の三井生命 わたしの記念日だが、被保険者の契約年齢は50歳~と下限が他社よりも厳しい。この保険の特性とサービスを見るに、明らかに中高年を狙ってのもののため妥当かもしれない。選択できる通貨は米ドル・豪ドルで、保険料の支払いは一時払いのみとなっている。死亡保険金は他社と異なり一定で、積立利率が契約時よりも大きく上昇しても契約時から増えることはない。あくまで為替分で増えるか否かということになる。苦情率は社全体の数値だが他社よりも高めのため、商品説明・顧客対応などで多少の不安感がある。

予定利率は現在は米ドルで2.4%、豪ドルで2.0%と他社と比較しても明らかに低い。ただ、最低保証は契約時の数値から変動しないため他社よりも高めとなっている。他社では1%を切ることも多いことを考えれば、最低保証の高さは評価できる。これから数十年を考えれば金利低下局面が訪れることは確実であろうから、考え方次第では大きなメリットにもなりえる。

結論としては、お得さは無いが他社に無いサービスがあり、さらに堅実なパフォーマンスが一応は期待できるため悪くはない保険といえるだろう。他社より積立利率が低いのがネックだが、それも長期を見据えれば最低保証によって安心感があるのは人によっては換え難いものになる。とはいえ、あくまで外貨で運用されるため、給付金と死亡保険金のトータルを合算しても為替レート次第では損になる可能性もある。この保険を検討する人は、その点を忘れずにおく必要があるだろう。