Chubb損保 こどもプロテクトを比較・評価

Chubb損保 こども総合保険こどもプロテクト
オススメ度:
2
保険会社:
Chubb損保
名称:
こどもプロテクト
申込:
インターネット
補償内容:
病気・ケガ・死亡・賠償
追加補償:
葬祭費用・救援者費用等
特徴:
24時間安心して過ごして頂けるように

こども総合保険「こどもプロテクト」は、Chubb損保が募集・販売している子供向けの傷害保険です。総合保険センターというWebサイトで販売されている保険(園児総合保険・小学生総合保険・中学生総合保険・高校生総合保険等)も、このChubb損保のこども保険をカスタマイズした保険です。

それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の学生・こども総合保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険はA・B・Cの3つのプランに分かれています。どのプランも共通しているのは賠償責任の補償・ケガの補償・葬祭費用の補償・育英費用の補償・救援者費用の補償です。賠償責任の補償は子供が友達をケガさせたり物を壊したりした場合に、その治療費や弁償する費用を保険金として受け取れます。

こども総合保険こどもプロテクトの保険金種類・補償内容(出典:Chubb損保 こどもプロテクト2023年度パンフレット)

ケガの補償は子供がケガをして入院・通院・手術・死亡した場合に保険金が受け取れます。このケガには熱中症や0-157といった食中毒も含まれます。葬祭費用の補償は子供が死亡した場合の葬祭の費用、育英費用は両親が死亡した場合に子供の教育費として保険金が受け取れます。救援者費用の補償は子供が遭難等をして、救助費用が発生する際に保険金として受け取れます。

この共通の補償に加えてAプランのみ病気の補償が付いています。病気で入院すれば入院日数に応じて保険金が受け取れ、手術をすれば手術の程度によって入院保険金の10~40倍の手術保険金が受け取れます。また、他の保険と合算して死亡保険金が1000万円を超える人に向けて死亡・後遺障害追加支払保険金の補償を削ったDプランもあります。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は選択するプランによって決まります。病気までカバーするAプランだと保険料は年間16000円(月額1333円)ですが、補償を削ったCプランだと保険料は年間11000円(月額916円)まで安くできます。さらに3年契約にすれば5000円ほど安くなり、最長の9年型だと2万円近く保険料が安くなります。

こども総合保険こどもプロテクトの保険料一覧(出典:Chubb損保 こどもプロテクト2023年度パンフレット)

次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。保険料は子供が0~4歳と仮定して、各保険・共済で主要な補償が付いているコース・タイプとし、その中で保険金額が小さく最も安いコースで比較しました。

学生・こども総合保険の保険料の比較一覧表(共栄火災・損保ジャパン・Chubb損保・朝日生命・明治安田生命・コープ団体保険・コープ共済・都道府県民共済)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険のAプランの保険料を他社と比較すると、他社よりも安めで平均額の2170円よりも安いです。ただ、他社の保険は入院保険金が日額5000円で育英費用も1000万円の保険が多く、その意味では保険料の安さは物足りません。それらの保険金が低い分だけ葬祭費用・救援者費用・後遺障害追加保険金等があるともいえますが。。。

以上を踏まえると、こどもプロテクトの保険料は見かけは安いものの割高感も割安感もあります。どちらかというと入院日額や育英費用から来る割高感の方が強いでしょうか。保険料面以外にもメリットがあるか、続いてメリットについて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずはインターネットから申し込める点が挙げられます。他社の多くの保険が店頭・書類での契約となりますが、この保険はインターネットから申込み手続きが可能です。そのため妊娠中・産後の子育てで忙しい人・復職したての慌しい人でも隙間の時間を使って申し込みができます。

特約に子供の捜索・救助費用が補償される救援者費用等特約があるのもメリットです。あまり他社には無い特約で、子供が山・川で遭難したり目を離した隙に行方不明となった場合に役に立ちます。警察庁「令和4年における山岳遭難の概況」によると、2022年の遭難者数は3506人で20歳未満は154人でした。警察庁「令和4年における水難の概況」によると、海と川で溺れたり流された人は1604人で未就学児は45人で小学生は101人でした。

2022年の年齢別の山岳遭難者数と水難者(出典:警察庁「令和4年における山岳遭難の概況」及び「令和4年における水難の概況」)

保険料が安いCプランでも救援者費用の補償は付いており、前述したように月額保険料は916円で済みます。3年型なら月額795円、6年型なら月額764円、9年型なら月額749円まで保険料は抑えられます。1年更新で保険料が据え置きではなく、長期契約が可能で保険料を節約できるのもメリットかもしれません。

また、SOSホットラインという付帯サービスもあります。看護士が医療や健康について、無料で24時間365日相談が可能でアドバイスがもらえます。サービス利用は子供だけではなく家族全員が対象のため、自分や両親の健康について質問することもできます。

デメリット・注意点

この保険のデメリットには、まずは病気による通院が補償の対象外という点が挙げられます。他社の学生・こども保険には病気での入院後の通院を補償するタイプがありますが、この保険は病気での通院は入院の有無に関係なく補償されません。

補償面では各保険金の金額が地味に低いのも気がかりです。育英費用がAプランでも143万円と少額で、1年間の生活費にもなりません。入院保険金の日額も3200円で他社の5000円より低く、疾病の入院保険金だと一段と低い2040円になってしまいます。意味がないとはいえませんが、補償としては不足感が否めません。

ちなみに救援者費用の補償は心強い補償ですが、本当に必要なのか考えものです。そもそもアウトドア派でなければ不要な可能性が高く、保険金額も100万円と大きくありません。そう考えると、この補償が保険選びの決め手とはいえないでしょう。

評判・苦情

Chubb損保の2022年度(2022年4月~2023年3月)の決算資料によると、保険会社における収入を示す正味収入保険料は前年度の241億円から261億円になり8%増でした。その中で学生・こども総合保険を含む傷害保険は78億円で前年度から17%増でした。他社でも横ばい・減少しているケースがあるため、契約数・業績からすると評判は悪くありません。

また、Chubb損保全体に寄せられた苦情数は255件(2022年度累計)でした。業績が近い他社よりも苦情数は少ないです。苦情の中身は「保険金お支払い関係」が最多で、担当者からの連絡遅れ・説明不足、保険金の支払い可否について不満が見えます。ただ、数自体が少ないため不安は薄いです。

Chubb損保の2022年度の苦情の内訳(出典:Chubb損保ディスクロージャー誌「Business Report 2023」)

その他にオリコンや価格.comのランキング、JDパワー等の満足度調査等を確認したいところですが、学生・こども総合保険は調査の対象外でした。オリコンの他の保険のランキングでは、Chubb損保は海外旅行保険でランキング外で低評価でしたが、毛色の違う保険のため参考にはならなそうです。

以上のデータから考えると、Chubb損保こどもプロテクトの評判は悪くはなく普通そうです。ただし、根拠となるのは業績と苦情数だけで少し心もとないです。日本で知名度も高くはなく大手の保険会社でもないため、評判については不透明感は拭えません。

総合評価・おすすめか?

結論としては、こどもプロテクトは微妙な保険です。メリットもあり保険料も安いのですが、どうも決定打に欠けます。保険料は最安ではなく救援者費用も他社(損ジャ)にもあり、各保険金の金額が必要額よりも低いのも気がかりだからです。

そのため、この保険を検討している人は他社の保険も検討した方が賢明です。最低限の補償で保険料を削減したい人はコープ共済や都道府県民共済を検討すべきでしょう。その逆に、病気・ケガに手厚い補償を求めるなら損保ジャパン・明治安田あたりが候補になります。