THE カラダの保険 こどもプランを比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- 損保ジャパン
- 名称:
- THEカラダの保険
- 申込:
- 店頭・代理店
- 補償内容:
- ケガ・死亡・賠償
- 追加補償:
- 熱中症・食中毒等
- 特徴:
- こどものケガだけなく万が一への備え
THEカラダの保険(こどもプラン)は、損保ジャパンが募集・販売している子供向けの傷害保険です。特約が充実しているのが特徴で、自動セットとなっている「細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約」の他に熱中症特約・弁護士費用特約等もあります。
それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の学生・こども総合保険と比較していきます。
補償内容・特約
この保険は事故等による子供のケガが補償されます。ケガで通院すれば通院1日毎に30日を限度に通院保険金が受け取れます。入院して手術となれば、入院日数に応じて入院保険金と手術給付金が受け取れます。手術給付金は入院せず外来での手術でも受け取れます。さらに死亡・後遺傷害となれば死亡・後遺障害保険金が受け取れます。
さらに細菌性食中毒およびウイルス性食中毒補償特約が自動セットとなっています。この特約により細菌性・ウイルス性の食中毒により通院しても通院保険金が受け取れます。熱中症特約も付ければ、日射・熱射で熱中症になって入院・通院等をすれば保険金が受け取れます。
その他に任意の特約(オプション)として、個人賠償責任特約・救援者費用等特約・弁護士費用特約・育英費用特約等もあります。個人賠償責任特約は子供が友達をケガさせた場合の治療費や、子供がホテルの備品を壊して弁償する費用などが保険金として受け取れます。救援者費用等特約は子供がハイキング中に遭難した場合等に発生した捜索救助費用が保険金として受け取れます。
弁護士費用特約は事件・事故があり弁護士にトラブル解決を依頼する費用が保険金として受け取れます。法律相談で10万円、依頼費用(紛争解決時)で300万円が限度となっています。育英費用特約は両親が事故で死亡した場合に、子供の教育費として500~5000万円が保険金として受け取れます。保険金額を大きくするほど特約分の保険料は上昇します。
保険料を他社と比較
この保険の保険料は各保険金の金額と特約の有無によって決まります。死亡後遺障害500万円・入院保険金1日あたり5000円・通院保険金1日あたり2000円・育英費用1000万円だと、熱中症特約ありで保険料は月額2700円となります。各保険金額を上げたり特約を追加すると2700円以上になります。
次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。保険料は子供が0~4歳と仮定して、各保険・共済で主要な補償が付いているコース・タイプとし、その中で保険金額が小さく最も安いコースで比較しました。
この保険の保険料を他社と比較すると、他社よりも高めで平均額の2170円よりも高いです。他社の保険も入院日額が5000円で育英費用も1000万円の保険が多く、条件面での差は大きくありません。強いて挙げれば熱中症特約があるぐらいで、それが無ければ平均額には近くなるかもしれません。
以上を踏まえると、この保険料は平均か少し高めといえます。保険料面で他社よりも優れていないなら、その他の面でメリットが欲しいところです。続いてメリットについて記述していきます。
メリット
この保険のメリットは、まずは通院保険金が入院を伴わない通院でも受け取れる点が挙げられます。他社の保険は軒並み入院後の通院のみ対象にしていますが、この保険は入院せず通院だけでも保険金が受け取れます。通院治療だけで済む軽度なケガでも補償されるのは大きいでしょう。
特約が豊富なのもメリットです。個人賠償責任特約・育英費用特約は他社にもありますが、救援者費用等特約があるのは数社だけです。子供が山で遭難したり川で溺れたり、小さい子供が少し目を離した隙に行方不明となった等のニュースは毎年のように起きています。捜索・救助は行方不明となってから数日は行われても、日数が経って捜索が打ち切られるケースもあります。そういったケースを想定すると心強い特約です。
さらに弁護士費用特約も他社には無い特約で、いじめを考えると役に立つ特約です。いじめで登校拒否となり精神的苦痛を受けた、SNS上の誹謗中傷で精神的な苦痛を受けた等のケースで弁護士に依頼できます。その他にインターネット上で子供が詐欺に遭った、といったケースでも利用できます。
弁護士に依頼するか迷うケースもあるでしょうが、その場合には弁護士費用特約をセットした人限定の「被害事故・嫌がらせ相談窓口」を利用する手があります。この窓口では警察OB等のトラブル専門家が相談に乗ってくれるため、弁護士に相談する前に対処法を聞けるでしょう。
その反面、医療ミスによる事故、職務上の精神的苦痛、離婚調停、遺産分割協議では弁護士費用特約は利用できません。ただ、職務上の精神的苦痛や離婚などは既に大人になった後の話しのため、特に問題にはならないでしょう。
デメリット・注意点
この保険のデメリットには、まずは病気が補償の対象外という点が挙げられます。この保険以外の学生・こども保険はケガと共に病気での入院・通院を補償しますが、この保険はケガのみ補償となっています。保険料は少し高めと既述しましたが、この点を加味すると保険料は見かけ以上に割高ともいえます。
特約が豊富なのは良いのですが、あれもこれも付けると保険料が一段と高くなるため精査する必要があります。個人賠償責任特約は自動車保険・火災保険と重複していないか、育英費用特約は他の保険(定期保険・終身保険)で代用できないか?といった具合です。
弁護士特約も心強い補償ですが、自動車保険等に弁護士費用特約を付けた場合には重複の可能性があります。弁護士費用特約が自動車事故だけではなく日常生活でも利用できるケースもあるからです。また、弁護士費用が補償されるのは警察や学校の相談窓口に届出等をして客観的に証明できる事案に限られる点に注意が必要です。いじめ・トラブルも最初に弁護士ではなく、当然ながら学校に相談後に納得がいかない場合に出番となります。
評判・苦情
損保ジャパンの2022年度(2022年4月~2023年3月)の決算資料によると、保険会社における収入を示す正味収入保険料は前年度の2.15兆円から2.22兆円になり3.1%増でした。その中で学生・こども総合保険を含む傷害保険は1537億円で前年度から1.4%増でした。他社では減少した例があるため、契約数・業績からすると評判は悪くありません。
また、日本損害保険協会の苦情数のデータでは、損保ジャパン全体に寄せられた苦情数は8294件(2021年度累計)でした。東京海上よりは少ないものの三井住友海上よりは多めです。苦情の中身は保険金支払が半数近くを占め、特に保険金支払いの手続きの誤りや遅延に不満が集中していました。
その他にオリコンや価格.comのランキング、JDパワー等の満足度調査等を確認したいところですが、学生・こども総合保険は調査の対象外でした。オリコンの他の保険のランキングでは、損保ジャパンは海外旅行保険で3位ですが、自動車保険では11位でした。保険により評価が分かれている印象です。
以上のデータから考えると損保ジャパンの評判は普通そうですが、THEカラダの保険(こどもプラン)の評判には不透明感があります。根拠となるのは業績と苦情数だけで少し心もとないのですが、大手の保険会社である点を鑑みれば大きな不安はないでしょう。
総合評価・おすすめか?
結論としては、THEカラダの保険(こどもプラン)は微妙な保険です。メリットもありますが、保険料が高く病気が補償外なのがネックです。加入を検討している人は、各保険金は最小限にして弁護士費用特約・救援者費用特約のために加入するといった形が良さそうです。
それ以外の人は他社の保険も検討した方が賢明です。最低限の補償で保険料を削減したい人はコープ共済や都道府県民共済を検討すべきでしょう。その逆に、病気・ケガに手厚い補償を求めるなら明治安田あたりが候補になります。