コープの団体こどもの保険 元気組を比較・評価

コープの団体こどもの保険 元気組
オススメ度:
3
保険会社:
コープ(三井住友海上)
名称:
元気組(団体総合生活補償保険)
申込:
店頭・代理店
補償内容:
病気・ケガ・死亡・賠償
追加補償:
葬祭費用・進学費用等
特徴:
子どもの元気と明るい未来を応援する保険

元気組はコープ(生協)に加入している組合員向けの団体こども保険です。保険を引き受けるのは三井住友海上で、コープが団体保険契約者となります。組合員が団体となって加入するため、保険料が通常より47%割引になるのが最大の特徴です。

また、現在は三井住友海上が自社で学生・こども総合保険を募集していないため、同社の学生・こども総合保険に加入するには元気組に加入するしかありません。それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の学生・こども総合保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険は子供の健康告知をするか否かで補償内容が異なります。健康告知をしない場合、病気による入院・通院・手術が補償されないA1・A2セットになります。さらに子供が死亡時の葬祭費用の補償もありませんが、その代わりに特定の感染症で死亡した場合の葬祭が補償される特定感染症葬祭費用の補償があります。

元気組の保険金種類・補償内容(出典:コープデリ保険センター公式HP「コープの団体こどもの保険「元気組」」)

健康告知をするとD・Eセットになります。D・Eセットは病気が補償の対象となり、死亡葬祭費用の補償もあります。さらに入院時一時金・長期入院・特定損傷の補償が付いてきます。入院時一時金は入院が5日以上になると3万円が受け取れる補償です。さらに入院が長期間になると30万円の長期入院保険金が受け取れます。入院期間に関係なく、骨折・脱臼・腱の断裂といった特定のケガだと3万円の特定損傷保険金が受け取れます。

A・D・Eセットには1と2の区分けがありますが、この区分けは日常生活賠償保険金の有無による違いがあります。日常生活賠償保険金は、子供が他人に損害を与えた場合に受け取れます。具体的には子供が友達をケガさせた場合の治療費や、子供がホテルの備品を壊して弁償する費用などが該当します。

また、全プラン共通で両親が事故等のケガで死亡した場合の補償が付いています。死亡時に一括で受け取れる育英費用に加えて、死亡後の5年間に毎年100万円が受け取れる学資費用、進学時に受け取れる進学費用の補償があります。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は選択するコースによって決まります。1番安いのは病気の補償・日常生活賠償保険金が無いA2セットで、保険料は月額1300円になります。その逆に最も高いのは育英費用2000万円・死亡補償も150万円と補償が手厚いE1セットで、保険料は月額2550円になります。

元気組の保険料一覧(出典:コープデリ保険センター公式HP「コープの団体こどもの保険「元気組」」)

次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。保険料は子供が0~4歳と仮定して、各保険・共済で全ての補償が付いているコース・タイプとし、その中で保険金額が小さく最も安いコースで比較しました。

学生・こども総合保険の保険料の比較一覧表(共栄火災・損保ジャパン・Chubb損保・朝日生命・明治安田生命・コープ団体保険・コープ共済・都道府県民共済)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

元気組のD1セットを他社と比較すると、平均額の2170円に近い金額になっています。ただ、他社の保険は入院日額が5000円で育英費用も1000万円(学資費用・進学費用はなし)の保険が多く、この保険よりも補償は薄い感があります。それで平均に違い金額なら、この保険は補償内容のわりに保険料は安いともいえます。

以上を踏まえると、コープの元気組の保険料は一見すると普通だが実は安いです。とはいえ補償内容はさておき保険料の絶対額が安い保険が良いという人もいるはずです。それでも加入すべき保険なのか、続いてメリットについて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずはケガだけ補償するプランがある点が挙げられます。病気よりはケガが心配な人は保険料を抑えてケガに備えられます。他社の保険は強制的に病気の補償が付いている分だけ保険料が高いことがあります。妊娠中なら子供の性格は分かりませんが、2~3歳になり子供が活発ならケガだけのプランでも良いでしょう。

日常生活賠償保険金の補償があるのもメリットです。現在加入中の火災保険・自動車保険に個人賠償責任が付いていれば不要ですが、補償されるのが国内でのトラブルだけに限定されていることがあります。この保険の日常生活賠償保険金は国内だけではなく海外も対象です。海外旅行中にホテルのレセプションにある壷を割った、といったケースでも利用できます。

また、両親が不慮の事故で死亡した場合に受け取れる育英費用保険金は金額が手厚い点でメリットです。他社では死亡時の一時金を受け取って終わりとする保険もある中、この保険は学資費用で5年間は100万円受け取れる補償が全てのプランに付いています。その他に、あまり他社には無い入院時一時金・特定損傷・長期入院の補償がD・Eセットには付いています。

デメリット・注意点

この保険のデメリットには、まずは申込が店頭・書類である点があります。コープに行き書類を記入する手間があり、郵送だと誤字脱字があれば再記入・再送するため手間があります。他社にはインターネットで加入手続きができる保険があります。コープにもネット加入できる保険がありますが、元気組はネット加入はできません。

補償面では通院保険金は入院を伴う通院である点に注意が必要です。入院後の通院ではなく通院だけだと通院保険金は受け取れません。手厚い育英費用にしても、両親が病気で死亡した場合には受け取れません。それなら数百円の保険料で加入できる定期保険に入れば病気も補償されるため良いともいえます。

ちなみに各補償は国内だけでなく海外も対象のため、海外旅行中にトラブルだけではなく病気・ケガをしても補償の対象となります。ただし、海外では治療費が高額となるため数千円の保険金では何の足しにもなりません。海外旅行保険で治療費が数百万円まで補償される保険に加入した方が安心です。

評判・苦情

元気組を募集・販売しているコープデリ保険センターの2022年度(2022年2月~2023年1月)の決算資料によると、売上高は前年度の16.2億円から16.4億円になり微増でした。個別の保険の売上は記載されていませんでしたが、コープの団体保険の加入者は微増ながら増加しているため、契約数・業績からすると評判は悪くありません。

コープデリ保険センターの2022年度の売上(出典:コープデリ生活共同組合連合会「子法人等および関連法人等の決算概況」)

また、この保険の引受保険会社である三井住友海上も正味収入保険料が1.62兆円で前年度比3.2%増でした。こども総合保険を含む傷害保険は1518億円で前年度から2.1%増でした。他社では横ばいのケースがあるため、契約数・業績からすると評判は悪くありません。

その一方で日本損害保険協会の苦情数のデータでは、三井住友海上全体に寄せられた苦情数は約1.7万件(2022年度累計)ありました。東京海上・損保ジャパン・あいおいニッセイより苦情数は少ないものの、苦情があるのは確かです。苦情の中身は「保険金お支払い関係」が52.2%と最多で、保険金に関する手続きの誤り・遅延・支払額への不満が見えます。

三井住友海上の2022年度の苦情の内訳(出典:三井住友海上ディスクロジャー誌「三井住友海上の現状2023」)

その他にオリコンや価格.comのランキング、JDパワー等の満足度調査等を確認したいところですが、学生・こども総合保険は調査の対象外でした。海外旅行保険のオリコンのランキングでは三井住友海上は4位と上位でしたが、こども保険とは別の保険のため参考にはならないでしょう。

以上のデータから考えると、コープ団体保険の評判は少なくとも普通でしょう。ただし、根拠となるのは業績と苦情数だけで少し心もとないです。元気組自体の評判は不透明感もありますが、コープデリ保険センターが扱う保険は数年おきに入れ替わる中で10年以上も募集・販売を続けています。これだけでも加入希望者が一定数いる(多少は人気がある)証拠とも考えられます。

総合評価・おすすめか?

結論としては、コープの団体こども保険「元気組」は悪くはない保険です。保険料が少し高いのがネックですが、その分だけ補償金額が大きめでメリットもあります。保険料が気になる人は病気の補償が無いAセットにするのも手です。

その一方で、最低限の補償で保険料を削減したい人はコープ共済や都道府県民共済を検討すべきでしょう。その逆に、この保険よりも手厚い補償を求めるなら損保ジャパンや明治安田あたりが候補になります。