変動金利定期預金と税金
変動金利定期預金のリスクとメリットと税金を解説!
変動金利定期預金は、市場金利を基準にして金利が6ヶ月ごとに見直され、預け入れると金利分の利子が受け取れる預金だ。銀行ごとにプレミアム利率(スプレッド金利)を上乗せしている。それでは変動金利定期預金のメリット・リスクは何だろうか? 固定金利と変動金利のどちらにするか? そして課される税金は何か?
まずメリットだが、基本的な中身は定期預金と同じため、定期預金のメリット・デメリットを参照してほしい。変動金利定期預金の最大の特徴は、預金に適用される金利が変動することにある。これがメリットでもあり最大のリスクでもある。
一般的な変動金利定期預金の解説として、金利上昇局面では受け取る利子が増えて、固定金利の定期預金よりも有利となる。金利下落局面では変動金利だと受け取る利子が減り、かつての高金利が享受できる固定金利の定期預金の方が有利とされる。すなわち金利上昇局面がメリットであり、金利下落局面がリスクということになる。
ただし、この一般的な説明は的を得ているようで的を得ていない。なぜなら、金利上昇局面であるか金利下落局面であるかが分からないからだ。とりあえず、下記の日本の長期金利のチャートをを見て欲しい。
日本の長期金利は1990年の8.7%から見ると、現在まで概ね下落している。10年前から見ても金利は下落しているといえよう。しかし、1998年後半から10年後の2008年を考えれば金利は上昇しており、10年スパンで考えれば上昇局面とも下落局面もあったといえる。
ただ、現在の完全にゼロ手前の金利を考えると、これからも金利が下落していく可能性よりは横ばいか、上昇に転じる将来を考える必要があるように見える。その意味では変動金利の定期預金の方が有利かもしれない。。。
とはいえ、金利が高くなるか低くなるかは予想はできても、言い当てることは困難だ。予想としては高い・低い・横ばいで3分の1の確率で当たるため、競馬よりも当たる確率は高い。しかし、1990年の段階で15年後に金利が0.5%になると誰も予想できなかったように、金利の水準となると神の領域となる。それでは変動金利と固定金利の定期預金をどう選択したらいいのか?
定期預金でも記述したように、1つの考え方として、自分の資産・負債を鑑みて定期預金を変動金利にするか固定金利にするか?を選択する手がある。例えば、資産に外貨預金があった場合は、金利上昇で円高に進んで損失が出る可能性がある。それなら金利上昇に備えて変動金利型の定期預金にすると、少なからずリスクヘッジになる。
逆の負債の例としては、例えば住宅ローンを組んでいて、ローン金利が固定されている(フラット35など)なら金利上昇には備えられている。他方で金利下落の局面では不利になる(ローンを昔より今組んだ方が得)ため、固定金利の定期預金を選べばリスクヘッジになる。逆にローン金利が変動型なら、定期預金は変動型にすることになる。
最後に税金に関してだが、利子に対して約20.315%(国税+地方税)が課税される。この税金は源泉分離課税のため、利子を受け取る前に銀行によって20%が差し引かれて口座に入る。確定申告も不要で手間はかからないが、株式・債券などの他の金融商品と同じ税率のため有利でも不利でもない。定期預金だけで税金で混乱しないだろうが、他の金融商品の利益・損失と絡んで不安なら、税理士の無料相談や自治体主催の無料の税金相談会に行くのも手だ。