普通預金・総合口座と税金
普通預金(総合口座)のメリット・デメリットと税金を解説!
普通預金(総合口座)は、自由に預け入れ・引出しが可能で決済機能を併せ持つ口座(正確には金融商品)だ。日常的に何気なく使っているものだが、そのメリット・デメリットとは何だろうか? そして如何なる税金が課されているのか?
まず第一に挙げられるメリットは、預けた金銭が元本割れしない点にある。これは他の株や債券だと元本割れリスクがあるが、普通預金には存在しない。当たり前のようだが、実際には銀行に預けた金は銀行が国債を購入や企業への貸付けに回っているため、国債価格や貸し倒れリスクがあり元本保証とはならないはずだ。しかし、それでは銀行に金を安心して預けることはできず、タンス預金が基本となってしまう。これでは経済活動に影響が出るため、政府が預金保険機構を通じて、1人1口座につき1000万円までは元本を保証している。そのため銀行が破綻したり損失が出ていても、普通預金にある金銭は元本保証となっている。
第二のメリットは、受け取り・支払い・貯める・借りるの4つを1つの口座で可能な点にある。具体的には給与・年金・配当などが”受け取れ”、逆にATMで出金でき、公共料金やローン返済が自動引き落としで”支払える”。また、しばらく出金しない金銭は定期預金・積立にまわして”貯める”ことができ、逆に定期預金を担保として”借り入れ”もできる。
逆にデメリットとして第一に挙がるのは金利の低さだ。普通預金なら銀行によって僅かな差はあるが、およそ年率0.01%~0.02%としている銀行が多い。日本だけが・・・と思うかもしれないが、先進国では珍しいことではない。例えばアメリカでも、シティバンクでNY州の普通預金(Savings Accounts)の金利なら年率0.01%となっている。
仮に0.01%で100万円を預けたなら、1年で100円の利子が手に入る。これが1000万円になって1000円、1億円で1万円、やっと10億で10万円になり運用と呼べるレベルの額になってくる。普通の人には程遠いレベルの話しだろう。
ただ、これは出し入れ自由というメリットを保持し続けているから、当然といえば当然でもある。その点、出し入れ自由(≒時間)を犠牲にすることで、金利を上げられるのが定期預金だ。定期預金にすれば銀行にもよるが0.025~0.13%まで上昇する。その上昇幅は犠牲となる時間が長くなるほどに高くなる。およそ10年の預け入れで0.13%程度までは上昇する。
税金に関してだが、利子に対して約20%(所得税+地方税)が課税される。この税金は源泉分離課税のため、利子を受け取る前に銀行によって20%が差し引かれて口座に入る。前述の100万円の預金なら、受け取る利子の100円から約20%を差し引いた約80円が口座に入ってくる。高いようにも見えるが、株式・債券なども多くは同じ20%のため有利とも不利ともいえない。
以上がメリット・デメリット及び税金についてだが、メリットについてはデメリットよりも多い感がある。税金については高く見えるが条件は他の金融商品と差はない。ただ、普通預金の中身を改めて掘り下げていけば、他の金融商品のメリット・デメリットも改めて明らかになり把握できるかもしれない。