定期預金と税金

定期預金のメリット・デメリットと税金を解説!

定期預金は、市場金利を基準にして金利が決められ、預け入れることで金利分の利子が受け取れる預金だ。一般的に預け入れ期間が長いほどに金利は高くなるが、○○周年キャンペーンや地元のプロ野球・Jリーグチームが優勝すれば金利がアップするものもある。それでは定期預金のメリット・デメリットは何だろうか? そして課される税金は何か?

まずメリットだが、当然といえば当然だが預けた金銭が元本割れしない点にある。仮に銀行が債務超過・破綻しても政府の預金保険機構を通じて、1人1口座につき1000万円までは元本が保証されている。ただし、これは普通預金と合算して1000万円で、普通預金と定期預金で1000万円を超えた部分は保護されないため注意したい。

第二のメリットは、普通預金(総合口座)よりも金利が高い点といえよう。普通預金の金利は年率0.01~0.02%だが、定期預金なら0.05~0.24%まで金利が上昇する。100万円を1年間預けた場合、普通預金なら利子は100円だが、定期預金なら500円となる。預け入れ期間を10年にするなら2400円になり、少しは意味のある額になってくる。

ただし、この金利は自由な出金を犠牲にしている金利で、この点はデメリットになろう。定期預金を満期前に引き出そうとすると解約(または一部解約)となり、以降の金利収入は受け取れなくなる。どうしても手元に現金が必要なら、自動融資(定期預金を担保にお金を借りる)を利用した方がいい。金利はフリーローンよりも遙かに低く、定期預金の金利にプラス0.5%された融資利率にしている銀行が多い。ただ、早々に戻せないようなら借り入れている間の利息が無駄なため、思い切って解約した方がいい。

定期預金のメリット・デメリット一覧

また、デメリットとしては市場の金利が上昇局面では、定期預金の金利は相対的に得ではない点にある。具体的には、今の金利が0.05%だとしても将来の金利が0.10%になっている場合、今なら0.10%の金利が受け取れるはずが、過去に組んだ定期預金の金利である0.05%を受け取り続けることになる。みすみす0.05%分の金利収入を逃しているというわけだ。金利が将来的に上昇すると思うなら、変動金利型の定期預金を組む必要がある。

とはいえ、将来の金利が高いか低いかなどは予想・予測はできても、誰にも言い当てることはできない。もちろん、高い・低い・横ばいで3分の1の確率で、予想は当たるといえば当たるのだが。。。それでは、どうしたらいいのか?

1つの考え方として、自分の資産・負債を鑑みて選択するという手がある。例えば、資産に金利下落でメリットがある不動産投信(Jリートなど)があるなら、金利上昇に備えて変動金利型の定期預金にするとリスクヘッジになる。

逆の負債の例としては、例えば住宅ローンを組んでいて、ローン金利が固定されている(フラット35など)なら金利上昇には備えられていることになる。他方で金利下落の局面では不利になる(昔より今ローンを組んだ方が得)ため、固定金利の定期預金を選べばリスクヘッジになる。逆にローン金利が変動型なら、定期預金は変動型にすることになる。

最後に税金に関してだが、利子に対して約20.315%(国税+地方税)が課税される。この税金は源泉分離課税のため、利子を受け取る前に銀行によって20%が差し引かれて口座に入る。確定申告も不要で手間はかからないが、株式・債券などの他の金融商品と同じ税率のため有利でも不利でもない。

以上がメリット・デメリット及び税金についてだが、特に金利動向に対する考え方やバランスの取り方で定期預金の選択が異なるため注意が必要だ。税金は源泉分離課税のため、定期預金だけで混乱することはないが、他の金融商品や所得で利益・損失があって確定申告が必要で計算が不安、ないしは税金の還付があるかもしれないが分からないなら、税理士の無料セミナーや自治体主催の無料の税金相談会に行くのも手だ。