住友生命 ふるはーとSアドバンス/ 予定利率変動型終身保険の返戻率・予定利率・保険金・保障を評価 レビュー
- オススメ度:
- 保険会社:
- 住友生命
- 名称:
- ふるはーとSアドバンス
- 契約年齢:
- 15~85歳
- 返戻率:
- 113.1%
- 予定利率:
- 0.7~1.0%
- 特徴:
- ご契約当初から一時払保険料を上回る死亡保障を一生涯にわたって確保
住友生命 ふるはーとSアドバンスは70代前半なら検討の余地アリ!?
ふるはーとSアドバンスは住友生命の予定利率変動型の終身保険で、全国の地銀・信用金庫・証券会社などの金融窓口限定のみで契約できる。同社には同じ利率変動型で告知項目が少ない「Wステップ」も存在する。以下、ふるはーとSアドバンスの概要を記載し他社と比較する。
この保険は一時払い(一括払い)で保険料を支払い、契約時に定めた死亡保険金を死亡時に受け取れる。同社のWステップと異なり死亡保険金は一定だが、契約後3年内に自殺した場合などは死亡保険金は一時払い保険料相当額になるなどのイレギュラーも存在するため注意したい。また、死亡保険金は契約から20年経過すると金利情勢に応じて増加していくが、予定利率(75歳以下なら1.0%・75歳以上なら0.7%)を超えた場合に限られる。ちなみに金利は日本国債15年ものの数字が指標として用いられ、2014年現在の利回りは0.85%となっている。あと少しの感もあるが、日々の変動幅は0.001%のため1.0%でも近くて遠い水準にあるといえる。
また、解約すると得られる解約返戻金は死亡保険金と異なり経過年数に応じて増加していく。10年後には解約返戻率は100%に到達するが、一般的な一時払い終身保険は5~7年で到達するため早いとはいえない。
次に下図では、各社の予定利率変動型の終身保険を契約できる年齢・支払い方法方法・死亡保険金の増減・第1~3保険期間における死亡保険金の返戻率・解約返戻金が支払った保険料を上回る(解約返戻率が100%を上回る)タイミング等で比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し顧客満足度面も考慮した。さらに予定利率と最低保証の予定利率を比較し、他の金融商品である定期預金・国債・社債等より得かを確認した。
名称 | 住友生命 W |
住友生命 S |
明治安田 かんたん |
T&D 生涯 |
第一F プレミア |
JA 一時払終身 |
ソニー 積立変動 |
三井住友 あいおい |
日本生命 夢のかたち |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
契約年齢 | 15~75歳 76~85歳 |
15~75歳 76~85歳 |
20~59歳 60~75歳 76~85歳 |
50~85歳 | 0~75歳 76~87歳 |
15~75歳 | 0~85歳 | 6~70歳 | 50~90歳 |
支払方法 | 一時払 | 一時払 | 一時払 | 一時払 | 一時払 | 一時払 | 月払い | 月払い | 一時払 |
保険金 増減 |
漸増 | 一定 | 漸増 | 漸増 | 一定→漸増 | 漸増→一定 | 利率次第 | 利率次第 | 漸増→利率 |
死亡返戻率 第1期間 |
~100% 5年 |
113.1% | ~106% 5年 |
95~103% 5年? |
100% | ~102.5% 5年 |
130% | 115%~ | 3年で 100%超 |
死亡返戻率 第2期間 |
107.9% 5年 |
113.1% | 107.5% ~113.5% |
106% 10年目 |
100% | ~107.0% 5年 |
130% | 115%~ | - |
死亡返戻率 第3期間 |
115.9% 10年以降 |
113.1% | 116.7% 10年以降 |
112% 20年目 |
100% | 127.7% ~133.3% |
130% | 115%~ | - |
苦情率 | 0.84% | 0.84% | 0.46% | 0.45% | 0.07% | - | 0.57% | 0.25% | 0.56% |
解約返戻率 100%超 |
9年後 | 10年後 | 7年後? | 変動 | 変動 | ? | 30年 | 35年 | 10年? |
予定利率 | 0.7% ~1.0% |
0.7% ~1.0% |
1.0% | 0.24% ~0.26% |
0.5% ~0.8% |
1.0% | 1.6% | 1.25% | 1.0% |
最低保証 | - | - | 1.0% | - | 0.1% | 1.0% | 1.6% | 1.25% | 1.0% |
上図で左から2番目の住友生命 ふるはーとSアドバンスだが、契約できる年齢幅は15~85歳で他社と比較して上限が若干緩く、75歳を境に予定利率が異なるため2段階に分けてある。死亡保険金は前述したように契約時から一定となっている。他社と比較すると漸増型(引受基準緩和)の保険よりも5年・10年目には有利で、月払いのソニー・三井住友を除いた一時払いの中で比較しても優秀といえる。ただし、JA共済が15年目から大きく死亡返戻率が高くなり逆転されてしまう。
その他の項目を見ると、解約返戻率が10年後には100%を超えてくるが、これは同じ住友生命の同型の保険よりも遅い。さらに利率変動ではない一般的な一時払い終身保険なら5~7年で解約返戻率が100%を超えてくるため特に有利な条件ではない。予定利率は75歳までは1.0%で、ソニー生命・三井住友あいおいには及ばないが、一時払いの保険の中で比較すると第一フロンティアを除けば平均レベルともいえる。
結論としては、70代前半で一時払いを希望するなら検討の余地がありそうだ。平均寿命の85歳を軸に考えて、10年以内に死亡した場合の死亡保険金が高く予定利率も想定的には悪くないためだ。他方で60代となるとJA共済が予定利率は同等だが死亡返戻率が高くなるため、解約による貯蓄性ではなく死亡に備えるならJA共済も有力な候補になる。