第一フロンティア生命 プレミアレシーブ(円建)/ 予定利率変動型終身保険の返戻率・予定利率・保険金・保障を評価 レビュー

第一フロンティア生命 プレミアレシーブ(円建)
オススメ度:
1
保険会社:
第一フロンティア生命
名称:
プレミアレシーブ(円建)
契約年齢:
0~75歳
返戻率:
100.0%
予定利率:
0.5~0.8%
特徴:
上手に使い、きちんとのこす。あなたの資産を、より活かすために

第一フロンティア生命 プレミアレシーブは仕組みも微妙でお得感も無い?

プレミアレシーブは別ページにて2021年時点の数字で改めて解説し、他社の保険と比較しています。そちらをご覧下さい。
プレミアレシーブ(円建)は第一フロンティア生命の予定利率変動型の終身保険で、第一生命をはじめ全国の地方銀行などの金融窓口で契約できる。名称は販売各社によって異なり、みずほ銀だと「プレミアレシーブM」となり、りそな銀行だと「安心一生涯」となるが、基本的な中身は同一だ。また、円建てではなく高金利な外貨建てにしているタイプも存在する。以下、プレミアレシーブ(円建)の概要を記載し、他社の保険と比較する。

第一フロンティア生命 プレミアレシーブ(円建)の仕組み・予定利率・返戻率・解約返戻金・死亡保険金など

この保険は一時払い(一括払い)で保険料を支払い、その額が死亡保険金として最低保証される。他方で解約すると受け取れる解約返戻金は、債券市場(一部株式市場)に応じて増加・減少を繰り返していく。市場環境次第では解約返戻金が一時払い保険料を上回るタイミングも出てくるが、その際には一時払い保険料よりも大きい解約返戻金相当額が死亡保険金として受け取れる仕組みになっている。平たくいえば、基本は一時払いで支払った保険料が死亡保険金の額となり、運がよければ、それ以上の額が受け取れると考えればいい。

また、死亡保険金とは別に定期支払金が毎年受け取れるのも特徴の1つだ。これは積立金を保険会社が債券(中心は日本国債)で運用して得た利益を保険契約者に支払うことを意味する。同社のパンフレットなどでは、この定期支払い金を公共料金や公的年金の補完に利用できるとしている。現在の積立利率は0.87%のため単純計算で1000万円契約なら8.7万円を毎年受け取れることになる。お得なように見えるが、他社と比較すると大してお得ではないことが分かる(後述の図を参照)

次に下図では、各社の予定利率変動型の終身保険を契約できる年齢・支払い方法方法・死亡保険金の増減・第1~3保険期間における死亡保険金の返戻率・解約返戻金が支払った保険料を上回る(解約返戻率が100%を上回る)タイミング等で比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し顧客満足度面も考慮した。さらに予定利率と最低保証の予定利率を比較し、他の金融商品である定期預金・国債・社債等より得かを確認した。

名称 住友生命
住友生命
明治安田
かんたん
T&D
生涯
第一F
プレミア
JA
一時払終身
ソニー
積立変動
三井住友
あいおい
日本生命
夢のかたち
契約年齢 15~75歳
76~85歳
15~75歳
76~85歳
20~59歳
60~75歳
76~85歳
50~85歳 0~75歳
76~87歳
15~75歳 0~85歳 6~70歳 50~90歳
支払方法 一時払 一時払 一時払 一時払 一時払 一時払 月払い 月払い 一時払
保険金
増減
漸増 一定 漸増 漸増 一定→漸増 漸増→一定 利率次第 利率次第 漸増→利率
死亡返戻率
第1期間
~100%
5年
113.1% ~106%
5年
95~103%
5年?
100% ~102.5%
5年
130% 115%~ 3年で
100%超
死亡返戻率
第2期間
107.9%
5年
113.1% 107.5%
~113.5%
106%
10年目
100% ~107.0%
5年
130% 115%~ -
死亡返戻率
第3期間
115.9%
10年以降
113.1% 116.7%
10年以降
112%
20年目
100% 127.7%
~133.3%
130% 115%~ -
苦情率 0.84% 0.84% 0.46% 0.45% 0.07% - 0.57% 0.25% 0.56%
解約返戻率
100%超
9年後 10年後 7年後? 変動 変動 30年 35年 10年?
予定利率 0.7%
~1.0%
0.7%
~1.0%
1.0% 0.24%
~0.26%
0.5%
~0.8%
1.0% 1.6% 1.25% 1.0%
最低保証 - - 1.0% - 0.1% 1.0% 1.6% 1.25% 1.0%
予定利率変動型の終身保険の比較表(住友生命・明治安田生命かんたん・T&D生涯・第一フロンティア プレミア・JA共済 一時払い終身・ソニー生命 積立変動・三井住友あいおい生命・日本生命 夢のかたち)

上図で真ん中の第一フロンティア生命 プレミアレシーブだが、契約できる年齢幅は0~75歳と76~87歳の2段階に分かれている。これは積立利率が前者が0.87%なのに対して後者が0.5%というだけでなく、積立利率保証期間が20年と15年で差がある点も見逃せない。死亡返戻率は全期間で100%(一時払い保険料=死亡保険金)としたが、実際は前述したように金利情勢(債券市場次第)によっては死亡保険金が100%を超える可能性がある。しかし、解約返戻金ならまだしも、自分が死亡するタイミングが正確に分かるわけもなく、仮に数年後に死亡すると読めても、その時の経済情勢を読むのは非常に困難だ。そのため基本は100%で運次第で増えるかもぐらいに考えておくのが無難だ。

その他の項目を見ると、苦情率が極めて低い点で保険会社の対応に安心感が出てくるが、そもそも第一フロンティアの契約数が多くない点や、同社のほぼ大半が金融窓口限定(苦情は金融窓口で止まっている可能性)という可能性も勘ぐれるため過信はしない方がいいだろう。解約返戻率は変動し何年後に100%を超えてくるかは時期次第となる。積立利率も0.5~0.87%で月払いのソニー生命は元より、同じ年齢で区切っている住友生命やJA共済にも劣る。救いは同じく定期支払金があるT&Dよりはお得という程度か。

結論としては、基本的な仕組みが分かりにくく(だから金融窓口限定なのだろうが)、利率で見ても特にお得ではないためオススメはしない保険だ。定期的に受け取れる定期支払金に魅力を感じる人もいるだろうが、それなら他の投資信託・社債などの金融商品と終身保険を組み合わせて、死亡に備えながら分配金・利払いを受け取る方がシンプルで分かりやすい。保険にこだわるなら個人年金保険と終身保険の組み合わせでもいいだろう。数十年後に何故契約したか分からなくなるようなリスクは背負わない方が無難だ。