au損保 Bycle S(バイクル エス)/ 自転車保険の保険料・補償内容・サービスを評価 レビュー
- オススメ度:
- 保険会社:
- au損害保険
- 名称:
- Bycle S(バイクルエス)
- 補償範囲:
- 交通事故
- 賠償責任:
- 2億円
- 示談交渉:
- アリ
- 特徴:
- 元気なシニアの自転車ライフを応援
au損保 バイクルエスは高齢者なら一応は検討してもいいが!?
au損保「Bycle S(バイクル・エス)」は、2016年10月に従来のバイクルから契約年齢を引き上げた自転車保険として販売が開始された。従来のバイクルは74歳までしか契約できないが、このバイクルSなら70~89歳まで契約ができる。以下、バイクルSの概要を記載し他社の自転車保険と比較する。
まず補償範囲だが、自転車事故や交通事故だけでなく日常生活で負ったケガ全般が補償の対象となる。そのためスポーツ中は元より散歩中や自宅の階段で転んだ場合も補償される。一方で、日常生活で何かしらの加害者となった場合には、個人賠償責任で2億円を上限に保険金が被害者に支払われる。この仕組み自体は他社にもあり、バイクルSだけというわけではない。
自転車保険としては個人賠償責任があるため、最低限の役割は果たすが、問題は怪我で受け取れる保険金だ。死亡保険金200万円で入院一時金2万円と少額なのは仕方がない。それよりもバイクルにはある入院・通院日数に応じて支払われる入院保険金と通院保険金が無いのが頂けない。これでは入院日数・通院日数が長くなりがちな高齢者をカバーできているとは言い難い。
やはり怪我に要する費用を本格的にカバーしたいと思うなら医療保険が妥当だろう。今では入院保険金や通院保険金が無い医療保険の方が珍しいぐらいだ。ただ、終身医療保険は80歳までのことが多い点に留意が必要だ。さらに怪我によって要介護になるのを危惧するなら介護保険が妥当だろう。
ちなみにバイクルと同様に自転車事故で保険金が2倍になる点や自転車ロードサービスが付帯する。それに加えてバイクルSは、法律相談費用と弁護士費用の補償が自動付帯となる。事故で示談がまとまらなくても、気軽に法律相談や弁護士に依頼できるのは大きい。
次に、下図で各社の自転車保険を、補償範囲・補償対象・個人賠償責任・死亡保険金・手術保険金・入院日額・通院日額で比較した。さらに事故時の話し合いを考慮して、示談代行サービス・弁護士費用の有無も比較した。保険料面では、各社が設けるプランの中で最もスタンダードなものを採用し、家族型ではなく一般的に保険料が安価な個人型の金額を、月払い・年払いの金額で比較した。
名称 | au バイクル |
au バイクルS |
セブン 自転車 |
三井住友 サイクル |
DeNA 自転車 |
イオン 自転車 |
ジャパン 少額短期 ちゃりぽ |
朝日火災 サイクル |
楽天 超かんたん |
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補償範囲 | 交通事故 | 日常生活 | 交通事故 | 交通事故 | 交通事故 | 交通事故 | 交通事故 | 交通事故 | 交通事故 |
補償対象 | 本人/家族 /親族 |
本人 | 本人/夫婦 / 家族 |
本人/夫婦 /家族 |
本人 一部家族 |
本人 一部家族 |
本人/家族 | 本人/家族 | 本人/夫婦 /家族 |
個人賠償 | 2億~ | 2億~ | 3億 | 3億 | 1億~ | 1,000万 | 1,000万~ | 1億 | 1億 |
死亡 保険金 |
250万~ | 200万~ | 290万 | 290万~ | - | - | 300万~ | 100万~ | 100万 |
入院日額 | 4,000円~ (8,000円~) |
※ | 4,000円 | 4,000円~ | 1,500円~ | 4,000円 | 6,000円 | 1,000円~ | 1,500円 |
通院日額 | 0円~ | - | - | 0円~ | - | - | 0円~ | - | 0円~ |
手術 | 2万~ (4万~) |
- | 2万~ | 2万~ | 7,500円~ | - | 0円~ | - | 7,500円~ |
示談 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | - | △ | ○ | ○ |
弁護士 | ○※ | ○※ | - | - | - | - | - | - | - |
保険料 (月額) |
600円 (360円) |
670円 | 350円 | 602円 (332円) |
300円 | 295円 | 293円 (240円) |
251円 | 170円 |
保険料 (年額) |
6,560円 (3,920円) |
7,250円 | 4,160円 | 7,230円 (3,990円) |
3,600円 | 3,550円 | 3,520円 (2,900円) |
3,020円 | 1,960円 |
上図で左から2番目のバイクルSは個人賠償責任の額は他社と同レベルだが、死亡保険金は低めとなっている。さらに前述したように入院日額の代わりに入院一時金2万円、通院日額は存在せず他社より補償は薄い。一方で弁護士費用補償が自動付帯となっている点は評価できる。
保険料は月額670円(年額7,250円)で、同じauのシルバーコースに近い金額だ。ただ、他社と比べれば保険料は高額な部類に入る。さらにちゃりぽの安心プランは上限年齢が無く、入院保険金として日額6000円が120日まで受け取れる。そのため保険料と補償を考えれば、ちゃりぽには完敗に近い。
結論としては、高齢者で個人賠償責任の補償が欲しいなら一応は検討の余地はある。ただ、個人賠償責任だけなら自動車保険にも付帯できる。免許を返上した人だとしても、家があるなら火災保険に入っているだろうから、火災保険の特約で個人賠償責任を付加すればいい。一方で怪我に備えるなら医療保険・介護保険がある。それらが契約年齢で難しいなら、ちゃりぽ+火災保険の個人賠償責任という手もある。どちらにしてもバイクルSには出番がなく、何とも微妙な保険といえそうだ。