AIG富士生命 終身保険/ 終身保険の返戻率・利回り・保険料・保障を評価 レビュー
- オススメ度:
- 保険会社:
- AIG富士生命
- 名称:
- 終身保険
- 契約年齢:
- 6~75歳
- 返戻率:
- 129.8% ※30歳契約
- 利回り:
- 0.61%
- 特徴:
- 安心で充実した未来のために。前向きに生きる方のための保険。
AIG富士生命 終身保険は50歳で月払いで契約したい人には!?
※AIG富士生命はFWD富士生命になり、FWD富士生命 終身保険にリニューアルされました。
AIG富士生命にはノーマルな終身保険の他に、低解約返戻金型の終身保険「E-終身」や引き受け基準緩和型の「告知が少ないE-終身」がある。今回は同社のノーマルな終身保険の概要を記載し、他社の終身保険と比較する。
この保険は他社のスタンダードな終身保険と同じく、契約時から死亡保険金は一定で年数に応じて解約返戻金が増加する。一般的には低解約返戻金型の終身保険でなければ、保険料の払い込み完了から5~7年後に解約返戻金が支払った保険料の合計額を上回る。この保険も御多分に洩れず、35歳契約で60歳に保険料の払い込み完了だと65歳時(30年経過時)に解約返戻金の返戻率はようやく102%に至っている。解約前提なら低解約返戻金型の終身保険にし、やはりノーマルな終身保険では死亡に備えるのが正しい利用法といえよう。
特約では、他社と同じく災害・傷害で死亡した際に保険金が上乗せされる特約があり、三大疾病(ガン・脳卒中・心筋梗塞)になると給付金が受け取れる特約がある。後者は入院が条件のベースにあり通院をカバーしないため、他社同様に必要性は乏しい。それ以外の特約では、保険金を年金払いにする特約や介護に切り替える特約があるが、いずれも返戻率を悪化させるためオススメはしない。
次に下図では各社の終身保険を、加入できる年齢・選択できる保険料の払い込み完了時期で比較し、さらに死亡保険金の増減・5年ごと利差配当の有無・付加できる特約などで比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、自分が苦情を言う可能性があるかも考慮した。
さらに1,000万円(一部は500万円)契約した場合の保険料と、支払った保険料が何%で戻るかを示す「返戻率」を比較した。解約返戻金で利益を出すなら低解約返戻金型が妥当なため、今回は死亡保険金と保険料から返戻率を算出した。契約者は30・40・50歳に分け、保険料の払込完了を60歳とした。また、他の金融商品(定期預金・国債・社債など)より得かを計るため、40歳契約で平均寿命の80歳で死亡保険金を受け取った場合の利回り(保険料を何%で運用したか)でお得さを比較した。
名称 | かんぽ ながいき |
第一生命 悠悠 |
住友生命 終身 |
ソニー 有期払込 |
アフラック 終身 |
ジブラルタ 終身 |
AIG富士 終身 |
オリックス 終身 |
コープ共済 ずっと |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
契約年齢 | 20~65歳 | 3~70歳 | 15~70歳 | 0~85歳 | 3~80歳 | 20~50歳 | 6~75歳 | 0~70歳 | 0~70歳 |
払込年齢 | 60~75歳 | ? | 55~70歳 | 3年~ | 60~70歳 | 5歳刻み | 10年以上 | 5歳刻み | 60~70歳 |
保険金 増減 |
一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 | 一定 |
5年ごと 利差配当 |
○ | ○ | ○ | - | - | - | - | - | - |
特約 | 災害/傷害 疾病 |
沢山 | 沢山 | 沢山 | - | 死亡/介護 年金 |
災害/傷害 三大疾病 |
災害/傷害 リビング |
リビング |
苦情率 | 0.64% | 0.34% | 0.83% | 0.57% | 1.08% | 1.35% | 0.24% | 0.42% | - |
保険料 返戻率 30歳 |
\21,100 131.6% |
- | \23,630 117.5% |
\19,620 141.5% |
\7,810※ 106.7% |
\21,940 126.6% |
\10,695※ 129.8% |
\21,760 127.6% |
\21,200 131.0% |
保険料 返戻率 40歳 |
\33,000 126.2% |
\31,388 106.2% |
\30,410 109.6% |
\31,260 133.2% |
\10,070※ 103.4% |
\34,090 122.2% |
\16,760※ 124.3% |
\33,800 123.2% |
\33,500 124.3% |
保険料 返戻率 50歳 |
\67,500 123.4% |
- | \41,090 101.4% |
- | \13,625※ 101.9% |
\72,370 115.1% |
\34,435※ 121.0% |
\70,250 118.6% |
\69,800 119.3% |
利回り | 0.66% | 0.15% | 0.24% | 0.83% | 0.09% | 0.56% | 0.58% | 0.58% | 0.61% |
上図で右から3番目のAIG富士生命 終身保険だが、契約できる上限の年齢は75歳までと他社より若干緩めになっており、下限年齢も6歳と他社よりも低い。6歳という点を活かせば子供名義でも契約が可能になり、払い込み完了の年齢が10年以上で90歳未満のため、子供が6歳で契約して18歳・22歳で払い込みを完了して保障だけ残す、解約返戻金を狙うという手法も利用可能だ。ただ、解約返戻金の上昇幅は低解約返戻金型よりも小さいため貯蓄性は乏しいが。。。苦情率が他社と比較して低い点は評価できそうだが、そもそも同社が保有している契約数が大手の10分の1以下のため数字としての信頼性は僅かに欠ける。
お得さを表す返戻率は、他社と比較して優秀だが30歳・40歳だとトップクラスには及ばない。他方で50歳ならトップに食い込むため、かんぽ生命と共に検討の余地がある。ただ、ソニー生命が明らかではないが実は返戻率が高い可能性もある。ちなみに、見かけ上の保険料は他社よりも安いが、これは基準保険金額が500万円のケースの数字しか出せなかったためで、計算違いではない。
結論としては、かんぽ生命と共に50歳から月払いで契約したい人にはオススメできそうだ。もちろん、僅かな数字の差を出せば、かんぽ生命の方がベターではある。ただ、保険料の払い込み完了の年齢などの柔軟性や苦情率からすればAIGを選択するという手は十分にある。例えば、月々の保険料負担を可能な限り抑えたいなら、50歳で契約して平均寿命直前の79歳で払い込みを完了するといったアクロバティックな方法も可能だ。工夫次第で利用法が広がる点でも評価できる。