選べる人生応援年金を比較・評価

三井住友海上プライマリー生命 選べる人生応援年金(じんせいおうえんねんきん)
オススメ度:
1
保険会社:
三井住友海上プライマリー生命
名称:
選べる人生応援年金
加入年齢:
0~89歳
受取期間:
15~35年or終身
通貨
米ドル・豪ドル
特徴:
トンチン性を活かして年金額を大きくする

選べる人生応援年金は三井住友海上プライマリー生命が2023年11月から販売を開始した保険です。従来の人生応援年金という保険に、参照指数が上昇した場合に年金額が上乗せされる仕組みになっています。選べる人生応援年金は三井住友銀行でのみ契約ができます。

従来の人生応援年金はSMBC信託銀行で取り扱っており、三井住友銀行では取り扱っていない点に注意が必要です。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の保険と比較していきます。

保障内容

この保険には基本コースと指数連動コースがあります。基本コースは一括で支払った保険料(一時払保険料)を0~10年の据置期間中は外貨で運用し、据置期間の終了後に年金が受け取れます。外貨は米ドル・豪ドルのどちからで、年金の受け取り方は終身年金と確定年金があります。

選べる人生応援年金の各コースの仕組み(出典:選べる人生応援年金 契約締結前交付書面兼商品パンフレット2026年4月版)

年金の受け取り方を終身年金にすると、死亡するまで年金を一生涯受け取れます。後述する確定年金よりも1回あたりの年金額は減少しますが、長生きするほど年金の受取額は大きくなります。もしも年金の受取期間中に死亡した場合に備えて、年金受取総額を100~120%保証に設定できます。例えば120%保証にして一時払保険料に対して80%分の年金額を受け取った段階で死亡すると、遺族が残りの40%分の年金を受け取れます。

年金を受け取り始める前に死亡すると死亡保険金が受け取れます。死亡保険金は一時払保険料と同額ですが、あくまで外貨建てで同額のため、契約時よりも円高なら損失が発生します。解約すると受け取れる解約返戻金は契約してからの経過年数も金額に加味されるため、一段と損失が発生する可能性が高いです。

基本コースの終身年金の保障内容・仕組み(出典:選べる人生応援年金 契約締結前交付書面兼商品パンフレット2026年4月版)

確定年金にすると据置期間は最低1年~10年にする必要があり、年金の受取期間は10~35年から選ぶことになります。据置期間中に増加した年金原資を年金受取年数で等分した金額が毎年の年金額になります。死亡保険金・解約返戻金は終身年金と同様に一時払保険料に対して100%が上限です。

指数連動コースは基本コースと異なり、年金額に指数上昇分の上乗せがあります。基本コースと同様に据置期間中は外貨で運用され、年金受取時に契約日(基準日)よりも指数が上昇していれば年金が上乗せされます。指数連動コースで終身年金を選択すると、死亡するまで年金が受け取れ、年金額は一時払保険料に対して100~120%保証を設定できます。

指数連動コースの終身年金の保障内容・仕組み(出典:選べる人生応援年金 契約締結前交付書面兼商品パンフレット2026年4月版)

確定年金にすると年金を10~30年に分けて受け取れ、指数が契約日よりも上昇していれば年金額が上乗せされます。基本コースと同様に据置期間は0年ではなく最低でも1年以上が必要です。また、指数連動コースでも死亡保険金・解約返戻金は一時払保険料に対して100%が上限となります。

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保険料・返戻率を比較

この保険の積立利率は通貨・据置期間・年齢・選択したコース等によって異なります。2026年現在の積立利率は米ドルで最高4.16%で、豪ドルで最高4.76%となっています。据置期間を10年未満にしたり契約時の年齢が70歳以上になると積立利率は低下します。ただ、確定年金なら据置期間が10年未満でも年金受取期間を30年など長くすることで積立利率を最高値にできます。

選べる人生応援年金の2026年8月現在の積立利率(出典:三井住友海上プライマリー生命公式HP「積立利率と為替レート」)

また、この保険の前身にあたる人生応援年金の2021年時点での積立利率は、米ドルで最高1.55%、豪ドルで最高1.50%でした。現在の積立利率は当時の3倍近い水準にあり、大幅な年金原資の増加が見込めます。そのため契約するには悪くない時期だといえます。

次に積立利率が高いのか低いのか、下図で他社の外貨建て個人年金保険と一覧表で比較しました。据え置き期間が基本的に10年の積立利率を採用し、通貨は米ドルで豪ドルで分けて比較しました。

外貨建て年金保険の米ドル・豪ドルで据置期間10年の場合の積立利率の比較表(メットライフ・マニュライフ・ニッセイウェルス・第一フロンティア生命・三井住友プライマリー生命・住友生命・tdフィナンシャル生命・クレディアグリコル・PGF生命)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

この保険の積立利率を他社と比較すると、米ドルでは平均値の4.1%は上回っているもののトップクラスの積立利率には及びませんでした。トップの第一フロンティア生命とは1%の差があります。豪ドルでも平均値の4.2%は上回るもののトップクラスには及びません。積立利率で明確な優位性はありませんが、積立利率以外にメリットがあるのか続けて記述していきます。

メリット

この保険のメリットには、まずは外貨建て年金保険に共通する「高金利」「為替差益」という点が挙げられます。5~6年前までは米ドルでも1~2%程度の金利でしたが、現在は4%超で過去を振り返っても高金利です。さらに円安になれば為替差益も見込め、円建てよりも大幅に年金原資が増加する可能性があります。

年金の受け取り方を終身年金にした場合に、据置期間を0年に設定できるのもメリットかもしれません。65歳で退職した場合には退職金の一部を使って、すぐに公的年金の補完として死亡するまで年金が受け取れます。または寝かせていた定期預金を利用するという手もありそうです。

さらに指数連動コースがあるのもメリットでしょう。指数はゴールドマンサックスが算出しており、インフレと経済成長の度合いによって株式・債券・コモディティ(原油・ゴールドなど)の投資比率を切り替えています。インフレ減速・経済成長鈍化時には債券への投資比率を高めて保守的に運用し、逆の時には株式等への投資比率を高める仕組みになっています。

参照指数の仕組み(出典:選べる人生応援年金 契約締結前交付書面兼商品パンフレット2026年4月版)

また、年金の受け取り方についても終身年金・確定年金が選べるのに加えて、分割で受け取れるのも見逃せません。多くの保険では年金は年1回か年2回ですが、この保険では年6回・年12回も選択できます。年6回で奇数月の受け取りにすれば、偶数月には公的年金、奇数月には保険の年金が受け取れるため途切れません。指数連動コースの場合は年金受取時に指数が上昇しているか毎回判定されるため、分割で受け取れば上昇している可能性が高まるかもしれません。

さらに円安時・円高時に備えて円建受取額サポート機能(円換算額自動確保特約)も利用できます。この機能を使うと円安時に大きくなり過ぎた年金額を、次回以降の円高時の年金に回して年金額を可能な限り安定させることが可能です。こちらも年金受取回数を増加させると円高・円安の判定日が増加するため、より安定した年金額を受け取れることに繋がります。

円建受取額サポート機能(円換算額自動確保特約)について(出典:選べる人生応援年金 契約締結前交付書面兼商品パンフレット2026年4月版)

ちなみに社会貢献特約が任意で付けられるのもメリットかもしれません。この特約を付けると死亡給付金の受取人が三井住友海上プライマリー生命が指定した公益団体になります。死亡給付金を受け取る親族がいない人や、親族には死亡給付金を残したくない人には役に立つ特約です。

デメリット・注意点

この保険のデメリットは、まずは契約後に円高になった場合の為替差損が挙げられます。急激な円高となれば年金原資は減り、積立利率による増加分も相殺される可能性があります。積立利率は4~5%で据置期間10年でも単純計算で40~50%ほど円高になれば損失が発生する可能性があります。年金額も円高によって目減りするため、円高の程度によっては老後の計画や年金生活の修正が必要になります。

さらに契約初期費用が高めなのも見逃せません。一時払保険料に対して外貨での契約は5%の契約初期費用という名の手数料が取られるため、5%分下がった状態での運用スタートとなります。他社にも契約初期費用がある保険でも4%台のため、この保険の5%は他社よりも不利といえます。

また、死亡給付割合(死亡給付金)が一時払保険料の100%に抑制されている点もデメリットです。あくまで外貨建てで100%という意味のため、為替レートが10%ほど円高時に死亡すれば、死亡給付金は一時払保険料の90%ほどの金額になります。解約返戻金の場合には市場価格調整もあるため、解約時の方が契約時よりも高金利(債券価格は下落)なら一段と金額が減ります。

金利上昇時と下落時の解約返戻金の額(出典:選べる人生応援年金 契約締結前交付書面兼商品パンフレット2026年4月版)

メリットで既述した指数連動コースにも注意が必要です。指数が上昇すれば年金は増加しますが、指数は日経平均・NYダウといった一般的な指数ではなく、ゴールドマンサックスのマクロ・アロケーター・プラス戦略指数Pという指数です。前述したようにインフレ・経済成長によって資産配分を変える指数ですが、2020年頃からパフォーマンスは良くはありません。

ゴールドマンサックスのマクロ・アロケーター・プラス戦略指数Pの推移グラフ(出典:選べる人生応援年金 契約締結前交付書面兼商品パンフレット2026年4月版)

この指数でいうと現在の状況は「インフレ加速+経済成長減速」と「インフレ減速+経済成長減速」と行き来している状況です。そのため債券中心の運用となっており、現在の金利上昇局面ではパフォーマンスが悪いと考えられます。この指数が低迷している2020年から現在までに、日経平均は2万円から6万円、NYダウは3万ドルから5万ドル超まで上昇している点を考慮すれば、指数連動コースではなく他の金融商品の方が良いといえます。

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評判・苦情

三井住友海上プライマリー生命の決算資料によると、2025年度の新契約数は20.8万件で前年度の20.3万件から横ばいでした。その中で個人年金保険の新契約件数は5.7万件で前年度から7%減でした。そのため契約数から考えると評判は少し悪そうです。

さらに契約数でいうと、保険代理店系Webサイト(マネーキャリア・auほけんナビ等)の申し込み数ランキングを見ると、選べる人生応援年金はランク外だっため人気はイマイチそうです。ただ、この保険は三井住友銀行でのみ契約できるためランク外だった可能性はあります。

個人年金保険ランキングのトップ3(出典:マネーキャリア公式HP「【2026年7月度 最新版】個人年金保険 おすすめの人気比較ランキング【マネーキャリア】」)

三井住友海上プライマリー生命自体の評判については「2026年生命保険 オリコン顧客満足度ランキング」という調査があります。このランキングで同社は28社中で28位以下でした。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・返戻率・アフターフォローですが、どの項目でも満足度が低いと考えられます。

個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「資産運用として加入したので良かったのか未だに判断はできない」「保険料を一括払いだと生命保険料控除が1年だけになる」「加入したタイミングが悪く円高になった」等の意見がありました。契約時の為替レートや契約後の為替変動に不安の声がありました。

また、生命保険協会のデータでは同社への苦情数は2198件(2025年度実績)でした。総契約数の96万件で割ると苦情率は0.22%(1000契約のうち2.2件で苦情発生)です。第一生命フロンティアの0.3%台より低いものの、ニッセイ・ウェルス生命の0.1%台よりは高いです。苦情数からすると評判は普通といったところです。

以上のデータから考えると、選べる人生応援年金の評判は少し悪い可能性があります。とはいえ、この保険単体の新契約数は不明のため、全体の数字が伸びていなくても孤軍奮闘していれば話は別です。三井住友海上プライマリー生命自体の評判については、新契約数が伸びておらずオリコンの満足度も低いため評判が良いとはいえません。とはいえ、この保険の加入は三井住友銀行で行うため、そちらの評判も気にした方が良いかもしれません。

総合評価・おすすめか?

結論としては、選べる人生応援年金はイマイチな保険です。積立利率は他社に一歩劣り、保障内容でも他社を押しのけてまで加入する内容ではないからです。指数連動コースにしても既述の通り、パフォーマンス面で不安があるため様子見した方が賢明でしょう。

この保険以外で他社の保険も検討したい人は、積立利率を重視するなら第一フロンティア生命やニッセイウェルスの保険を検討すべきでしょう。豪ドルを希望するならマニュライフ生命の保険も候補になります。また、要介護状態になった時の不安があるならT&Dフィナンシャルの保険も検討すると良いでしょう。