あしたも充実2を比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- 三井住友海上プライマリー生命
- 名称:
- あしたも充実2
- 加入年齢:
- 0~80歳
- 受取期間:
- 5~20年
- 通貨
- 米ドル・豪ドル
- 特徴:
- 積み立て型の外貨建て年金保険です
あしたも充実2は三井住友海上プライマリー生命が2024年5月から販売を開始した保険です。同社の外貨建て個人年金保険は複数あり、この保険は横浜銀行・福岡銀行等の各都道府県にある地方銀行や、一部の信用金庫でも契約できます。
多くの銀行で契約できるため、新たに口座開設をせずとも契約できる可能性が高いです。それでは以下で保障内容・保険料・評判等を解説し、他社の保険と比較していきます。
保障内容
この保険は契約者が日本円で保険料を毎月支払って、それを保険会社が外貨で運用して、保険料の支払いが完了したら年金が受け取れます。外貨は米ドルと豪ドル(オーストラリアドル)を選択でき、保険料払込期間は10~50年の範囲内で設定できます。
毎月支払った保険料(積立金)は積立利率に応じて増加し、保険料払込期間が満了するまで増加します。基本的には保険料払込期間が満了すれば年金の受け取り開始ですが、年金を受け取らず据置期間を1~30年まで設定することも可能です。据置期間が長いほど年金原資は増加し受け取れる年金額が増額されます。
また、保険料払込期間中に死亡すると死亡保険金、解約すると解約返戻金が受け取れます。死亡保険金・解約返戻金の額は既払込保険料の100%分か70%分かを自分で選択できます。外貨建てで100%のため円高になれば既払込保険料を下回り損失が発生します。保険料払込期間中の死亡・解約を想定せず70%に設定すれば、100%に設定するより年金原資は増加しますが、70%に設定できるのは50歳以上の人だけです。
年金の受け取り方については確定年金と終身年金があります。確定年金は5~20年が選択でき、10年を選択すると年金原資を10等分して10年間受け取れます。終身年金だと死亡するまで年金が受け取れます。年金総額保証型だと被保険者が死亡しても年金原資が尽きるまでは遺族が年金を受け取れます。保証期間付きだと被保険者が死亡しても補償期間が経過するまでは遺族が年金が受け取れます。
さらに三大疾病保険料払込免除特約が任意で付けられます。この特約を付けると三大疾病(悪性新生物・心疾患・脳血管疾患)になると、それ以後の保険料の支払いが免除されます。保険料が免除されても保険料を支払ったものとして扱われるため、契約時の予定通り年金原資は増加します。もちろん保険料払込期間が終了すれば契約時に定めた年金が受け取れます。
保険料・返戻率を比較
この保険の積立利率は通貨と保険料払込期間によって異なります。2026年時点での積立利率は米ドル・保険料払込期間10年なら3.90%で、保険料払込期間10年超なら4.60%となっています。豪ドルだと保険料払込期間10年なら4.40%で、保険料払込期間10年超なら4.90%となっています。現在は豪ドルの優位になっています。
次に積立利率が高いのか低いのか、下図で他社の外貨建て個人年金保険と一覧表で比較しました。据え置き期間が基本的に10年の積立利率を採用し、通貨は米ドルで豪ドルで分けて比較しました。
この保険の積立利率を他社と比較すると、米ドルだと平均値の4%に近く、豪ドルでも平均値の4.2%に近いです。平均値に近いというと悪くなさそうですが、トップクラスの保険とは米ドルで1%以上は劣っています。積立利率では優位性はありませんが、積立利率以外にメリットがあるのか続けて記述していきます。
メリット
この保険のメリットには、まずは外貨建て年金保険に共通する「高金利」「為替差益」という点が挙げられます。5~6年前までは米ドルでも1~2%程度の金利でしたが、現在は4%超で過去を振り返っても高金利です。さらに円安になれば為替差益も見込め、円建てよりも大幅に年金原資が増加する可能性があります。
為替差益については円高になる可能性もありますが、この保険は月払いであるためドルコスト平均法によって円高の影響を抑制できます。毎月一定額を支払うため円安時も円高時も一定額を購入することになり、為替レートが平準化されます。他社の多くの外貨建て個人年金保険の保険料は一時払いで数百万円~数千万円の元手が必要で、為替レートにしても契約時より円高になれば為替差損が発生します。
この保険独自のメリットとしては、三大疾病保険料払込免除特約が付けられる点が挙げられます。がん(上皮内新生物除く)・心疾患・脳血管疾患になると、それ以後の保険料の支払いが免除されます。この特約を他社の外貨建て個人年金保険で付けられるケースは今のところ無いため、この特約だけでも加入する動機になります。
さらに三大疾病にはがんは悪性新生物のみですが、心臓は心疾患、脳は脳血管疾患という定義になっているのも見逃せません。一般的な医療保険でも保険料が免除されるのは、心臓は急性心筋梗塞、脳は脳卒中に限定しているケースが未だにあります。この保険では三大疾病の定義が広いため保険料が免除される可能性が高くなっています。
また、保険料払込期間を10~50年まで幅広く設定できるのもメリットです。期間を長くすれば毎月の負担額が軽減されます。10年といった短い期間にして据置期間を挟めば通常よりも年金原資が大幅に増加します。同じ保険料が月払いのマニュライフ生命の「こだわり個人年金」は保険料払込期間は20~30年で、保険料払込完了後の据置期間の設定はありません。
さらに年金の受け取りで確定年金を選んでも、マニュライフ生命の5~10年だけではなく、この保険なら5~20年と長い期間を設定できます。確定年金で長い期間を選択しても年金額の増加が見込めます。
デメリット・注意点
この保険のデメリットは、まずは円高による為替差損が挙げられます。この保険はドルコスト平均法で為替変動の影響が軽減されるとはいえ、長期に渡って円高が進行すれば損失が出ます。例えばドル円では1998年の147円から2011年の75円まで13年間の円高になっていました。こうなるとドルコスト平均法で購入レートを下げていっても損は出ます。
さらに保険料払込期間中と据置期間中の死亡保険金・解約返戻金が、既払保険料相当額の100%か70%に抑制されている点もデメリットです。あくまで外貨建てでのパーセンテージのため、100%を選んでも円高になっていれば損失が発生する可能性があります。70%を選択すれば死亡・解約でほぼ確実に損失が出るでしょう。それも70%型は死亡の可能性が低い50歳以下だと契約できない点も見逃せません。
メリットで既述した三大疾病保険料払込免除特約にしても、通常の保険料に加えて特約分の保険料が発生する点に注意が必要です。特約分の保険料がいくらになるかは主契約の保険料・年齢・性別等によります。特約を付加する場合には4項目とはいえ健康告知も必要になります。
さらに上図では「がん患者の4人に1人が働く世代の方」という表記があり、これを見ると25%の確率でがんになるように見えます。しかし、あくまでがん患者の中での割合の話しで、働く世代全体での割合ではありません。国立がん情報サービスの統計によれば、60歳以下でがんになるのは7~10%程度です。そのため正確には10~14人に1人の割合で働く世代(主に50代)の人はがんになる計算です。
また、積立利率が低下する可能性があるのもデメリットでしょう。この保険では毎月更改される積立利率が適用されるため、数十年後には積立利率が低い可能性もあります。積立利率には1.5%の最低保証があるとはいえ、積立利率が長期に渡って低下すれば契約時の想定ほど年金原資は増加しません。一時払い型の保険だと基本的に積立利率は契約時の数字で固定されます。
評判・苦情
三井住友海上プライマリー生命の決算資料によると2025年度の新契約数は20.8万件で前年度の20.3万件から横ばいでした。その中で個人年金保険の新契約件数は5.7万件で前年度から7%減でした。そのため契約数から考えると評判は少し悪そうです。
さらに契約数でいうと、保険代理店系Webサイト(マネーキャリア・auほけんナビ等)の申し込み数ランキングを見ると、あしたも充実2はマネーキャリアの2026年のランキングで10社中4位に入っていました。トップ3には及ばなかったものの、一定の人気があるのは間違いないようです。
三井住友海上プライマリー生命自体の評判については「2026年生命保険 オリコン顧客満足度ランキング」という調査があります。このランキングで同社は28社中で28位以下でした。この調査の評価項目は加入手続き・商品内容・返戻率・アフターフォローですが、どの項目でも満足度が低いと考えられます。
個別の口コミではポジティブな意見がある一方で、「専門用語を分かりやすく説明してほしい」「米ドルで加入したら円高になった」「保険料を一括払いだと生命保険料控除が1年だけになる」等の意見がありました。生命保険料控除については、この保険は一時払いではなく月払いのため減税効果が毎年あります。
また、生命保険協会のデータでは同社への苦情数は2198件(2025年度実績)でした。総契約数の96万件で割ると苦情率は0.22%(1000契約のうち2.2件で苦情発生)です。第一生命フロンティアの0.3%台より低いものの、ニッセイ・ウェルス生命の0.1%台よりは高いです。苦情数からすると評判は普通といったところです。
以上のデータから考えると、あしたも充実2の評判は普通そうです。この保険単体の新契約数は決算資料からは不明ですが、代理店のランキングで上位にあるため評判は悪くはないでしょう。三井住友海上プライマリー生命自体の評判については、新契約数が伸びておらずオリコンの満足度も低いため評判が良いとはいえません。とはいえ、この保険の加入は金融機関で行うため、手続き等については自分が利用する金融機関の評判も気にした方が良いでしょう。
総合評価・おすすめか?
結論としては、あしたも充実2は悪くない保険です。積立利率は他社に一歩劣るものの、数少ない月払いの外貨建て個人年金保険であり三大疾病の保障もあります。デメリットもありますが、総合的に考えれば悪くないでしょう。その一方で一時払いの保険が欲しい人、積立利率が高い保険が欲しい人は他の保険を検討した方がいいです。
この保険以外で積立利率を重視するなら、第一フロンティア生命やニッセイウェルスの保険を検討すべきでしょう。豪ドルを希望するならマニュライフ生命の保険も候補になります。また、要介護状態になった時の不安があるならT&Dフィナンシャルの保険も検討すると良いでしょう。