投信・預金/資産運用 解説・用語集
スタイルリスク
スタイルリスクとは、アクティブ運用の株式型投信などの投資スタイルを限定することで生じるリスクを意味する。投信のパフォーマンスがベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)が大きくなり、日経平均などの指数に連動するインデックス型投信よりも損失が膨らむ可能性も示唆している。ただし、一般的には認知されておらず、各々の運用方針におけるデメリット程度にしか捉えられていない。
スタイルリスクが発生するのは、前述したアクティブ運用の投信以外にもバリュー株型投信・グロース株型投信・大型株投信・中小型株投信などの投資対象が限定されているものが考えられる。一般的にはバリュー株(成長株)に投資すると、株式市場全体の指数の動きよりも高いパフォーマンスが得られると考えがちだ。しかし、市場の雰囲気が成長性が見込める株式(ベンチャー企業)に投資するほどリスクオフ場面に傾いていなければ、一定の収益は確定させているグロース株(割安株)の方が値上がりするケースもある。市場環境次第で、その運用方針が指数よりも高いパフォーマンスを出すか否かに大きく影響する。
そういった市場平均を超えるパフォーマンスを狙う運用方針に対して、指数を超えることはできないと考える「効率的市場仮説」という考え方もある。個人投資家としては、どちらの考え方に賛同できるか?という視点よりは、インデックス型投信に対して、スタイルを限定している投信は大きな利益も見込めるが、大きな損失になる可能性もあることを覚えておく必要があるだろう。