投信・預金/資産運用 解説・用語集

価格変動リスクの大まかな目安とは

価格変動リスクとは、現時点では未来の価格を予想は出来ても正確には分からないため、自分の資産(投信・株式等)の価格が上昇するか下落するか、あるいは収益(分配金・配当)が何%になるかが確定できないリスクを意味する。未来の価格が確定されない以上は、価格が下落して期待する値上がり益が手に入らない可能性が出てくる。これが、一般的に認識されている価格変動リスクといえる。

株式型投信においては、当然ながら組み入れている株式に株価の価格変動リスクが内在しており、基準価額の価格変動リスクがある。株価の変動は激しいため変動の小さい債券に投資する債券型投信よりも、基準価額の価格変動リスクは大きい。とはいえ、一般的には株式型投信の基準価額の変動は、個別の株式銘柄の変動よりも小さくリスクが小さくなる。これは複数の株式銘柄に投資するため、上昇と下落が打ち消しあって値動きが小さくなると考えられているためだ。例えば、突発的な事象で自動車企業の株価だけ大きく下落しても、複数の株式に投資している投信に及ぼす影響は限定的となる。しかし、相場全体が下落基調にある場合には、個別銘柄と同程度の下落をする場合もある。

債券型投信でも、投資している債券は金利により価格が変動(金利上昇で債券価格は下落・金利下落で債券価格は上昇)するため、基準価額には価格変動リスクが存在する。特に期間の長い債券は、より未来に不確実性が増すため、期間の長い債券よりも金利・価格の変動は大きくなる(3年債より10年債の変動が大きい)そのため、短期債に投資する投信の方が、長期債に投資する投信より価格変動リスクは小さい。大まかな目安としては、債券の平均残存期間が3年程度の投信は基準価額が2~3%の変動、5年程度の投信だと基準価額は4~5%の変動をする計算が立っている。ただし、これは為替変動リスクを加味しておらず(為替ヘッジあり)の場合で、豪ドル債などの外国の債券に投資する場合には遙かに大きな変動をする。また、債券型投信が投資している債券の平均残存期間は、運用報告書や月次レポートなどで確認できる。

個人投資家としては、あらゆる投信に価格変動リスクは存在すると考えるべきだ。そのうえで過去の基準価額の推移などを見て、自分が許容できる価格変動の範囲内に収まりそうな投信を選択するのが肝要となる。現在、既に投信を購入した人は、価格変動の大きさ、特に損失の大きさに驚いている人もいるだろう。だが、逆に上昇する際の利益も大きいため、気長に利益が出るタイミングを待つこと(長期投資)も考えるべきだろう。