投信・預金/資産運用 解説・用語集
投資信託のトラッキングエラーはどこで確認する?
トラッキングエラーとは、ベンチマークに対してファンドのパフォーマンスが、どの程度乖離するかを表す数値を意味する。リスクという名称は用いられていないが、リスクの1種と考えられており「アクティブ・リスク」などとも呼ばれている。これはアクティブ運用のファンドでトラッキングエラーが発生しやすいことも起因しているのだろう。
なぜアクティブ運用でトラッキングエラーが発生するか。それはアクティブ型ファンドは、ベンチマーク(主に市場平均である日経平均やダウやナスダック)を超える運用成績を目指しているためだ。市場平均を超えるには市場平均の構成とは異なり、投資対象を絞って特定業種にのみ投資したり、成長株のみに投資したりする必要がある。その構成の差異が大きいほどトラッキングエラーも大きいことになる。
つまりは、ファンドの運用方針が外れれば、市場平均が上昇していても大した利益が出ないということだ。トラッキングエラーが相当に大きければ、市場平均が上昇していてもファンドの基準価額が下落している可能性もある。もちろん、その一方で運用方針が大当たりすれば、市場平均を超えて基準価額は大きく上昇し、信じられないような利益をもたらすこともある。
個人投資家としては、アクティブ型ファンド(投信)を選ぶ際にトラッキングエラーを判断材料の1つにしたいだろうが、目論見書などにはトラッキングエラーが何%などとは記載されていない。しかし、運用報告書・月次レポートの基準価額のチャートには、大抵はベンチマークにしている市場平均などの指標が記載されている。そのチャートを見て、市場平均の数値と基準価額の差を見て、さらに乖離率が記載されていれば、おおむねのトラッキングエラーは把握できる。それをファンド選びの1つの指標に利用するといいだろう。