投信・預金/資産運用 解説・用語集

業種選択ファンド

業種選択ファンドとは、株式に投資し運用する株式型ファンドの1種で、輸送用機器・金融・ITといった特定の業種の株式に集中投資する投資信託を意味する。「業種別セレクトファンド」「セクターファンド」「特定業種選択ファンド」とも呼ばれる。

一般的に、株式市場ではニュースや政府の政策変更・規制緩和などにより、特定の業種・テーマに関心が高まり、業種全体の株式が値上がりすることがある。その場合には、「業種選択ファンド」は他の株式型ファンドよりも大きな収益が見込めるメリットがある。その一方で、特定の業種に対しての厳しい状況が確認されて売りが殺到してしまった場合には大きな損失を被るデメリットがある。また、その中間で、投資した業種に注目が集まらず、そのまま放置され大きな値動きがない場合もある。その場合には、株式市場全体の流れに沿って上昇・下落をし、普通の株式型ファンドと同じパフォーマンスになることもある。

過去には、古くはバブル時の不動産株の上昇、IT相場の時のインターネット関連株の上昇、近年ではソーシャルゲーム関連株が上昇した場面があった。しかし、そういった状況下では、一度でも相場の方向感が下向きになり株価が崩れ始めると、その隆盛に乗って設定された業種選択ファンドの基準価額は非常に大きな下落をした。個人投資家としては、業種選択ファンドを購入する際には、長期的に成長が見込める業種なのか、それとも短期なのかを見極める必要がある。さらに業種を分散している株式ファンドよりもリスクが高いことを覚えておく必要がある。