投信・預金/資産運用 解説・用語集

中小型株ファンドが投資するのは中小企業ではない!?

中小型株型ファンドとは、株式に投資し運用する株式型ファンドの1種で、その中でも中小型株にのみ投資する投資信託を意味する。小型株とは、日本取引所では上場している日本企業の中で、時価総額(企業の株式市場における価値)と流動性(売買が盛んに行われているか)という観点から選んだトップ100を除いた、残りの全ての株式が中小型株に分類されている。

投信としては、その膨大な株式(企業)の中から、割安な株式に投資(バリュー・ファンド)したり、今後も成長と株価の上昇が見込める株式に投資(グロース・ファンド)したりする。

さらに中小型株ファンドといえど、投資対象となる株式が幅広いため、ファンドの特徴は千差万別となっている。例えば、中型株を中心に投資するもの、小型株のみに投資するもの、マザーズなどの新興企業に上場しているベンチャー企業を中心に投資するもの等がある。。

また、中小型株という名称ではあるが、上場しているだけあって決して中小企業というわけではない。例えば、自動車のマツダ、JR西日本といった企業も中小型株に分類される(あくまで現時点でだが)ため、決して一般的に知名度の高いか否かとは関連性はない。

とはいえ、大型株ファンドと比較すれば、規模の小さい企業が投資対象となっているのは否定できない。そのため、業績の上ブレ・下ブレが大きく、上場廃止の可能性も大企業より高く、流動性が低いため突発的な事項による株価の変動が大きくなる傾向にある。一方で、いきなり株価上昇の大ブームを起こす銘柄も出現してくる。

個人投資家としては、ハイリスク・ハイリターンの投信と考え、全資産の中でも小額に留めておくのが賢明だ。さらに海外の中小型株の場合には、為替リスクも相まって、さらにリスクが高まる点は覚えておく必要がある。