Chubb 海外旅行保険留学生用プランを比較・評価

Chubb損保
オススメ度:
3
保険会社:
Chubb損害保険
名称:
海外旅行保険 留学生用プラン
申込:
代理店
航空遅延:
補償あり
オリコン:
対象外 / 10社中
特徴:
GET CHUBB and HAVE FUN

Chubb損保は観光向けの海外旅行保険の他に、長期ステイプラン・留学生用プランがあります。海外旅行保険と異なりネットからの申込みはできず、代理店で申込む必要があります。留学生用プランは留学先で寮に入るかホームステイするのかアパートを借りるかで補償内容・保険料が異なります。

それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の海外留学保険と比較していきます。

補償内容・特約

この保険の留学生用プランは、寮・ホームステイプランとアパート・借家プランの2つがあります。留学して多くの人は寮に入るかホームステイでしょう。寮・ホームステイプランは契約タイプがRZ1・RZ2・RZ3がありますが、どれも補償内容は同じで各保険金の上限額が異なるだけです。

寮・ホームステイプランの補償内容と保険料一覧表(出典:Chubb損保 海外旅行保険パンフレット)

補償内容は死亡・後遺障害時に保険金が受け取れる他、留学中に病気・ケガで病院で治療を受けた場合の治療費も保険金で受け取れます。自分ではなく他人を自転車走行中にケガさせた場合(個人賠償責任)などは、他人に支払った治療費を保険金で受け取れます。

また、留学中にスマホを盗まれれば携行品の補償が受けられ、飛行機でロストバゲージになれば航空機寄託手荷物の補償が受けられ、飛行機が遅延・欠航すれば航空機遅延の補償が受けられます。RZ1タイプからRZ3タイプに格上げすると、死亡・後遺障害・携行品の補償の上限額は上昇しますが、その他の補償の上限額は上昇しません。

留学先でアパートを借りたりシェアハウスに入居する場合は、アパート・借家プランになります。寮・ホームステイプランとの主な違いは賠償責任(滞在用)と生活用動産(滞在用)の補償がある点です。賠償責任(滞在用)は借りた部屋が水浸し・漏水した場合、生活用動産は携行品に加えて室内の家具が盗難された場合も補償が受けられます。契約タイプはRZ4・RZ5・RZ6がありますが、基本的に差は寮・ホームステイプランと同様です。

アパート・借家プランの補償内容と保険料一覧表(出典:Chubb損保 海外旅行保険パンフレット)

各プランとは別にオプションで緊急一時帰国費用の補償があります。留学中に親族が危篤・死亡した場合に、緊急帰国するための交通費等が受け取れます。保険金額は40万・70万・100万円が選択できますが、40万円でも1年契約で保険料は11900円のため安くはありません。

その他に旅行中の海外サポートサービスが自動付帯しています。トラブル時には日本語で電話相談できる「日本語サービス」、医療機関の紹介や帰国手段の手配をしてくれる「緊急アシスタンスサービス」、病院で治療費の支払いが不要となる「キャッシュレス医療サービス」、スーツケース修理業者を手配してくれる「スーツケース修理業者紹介サービス」があります。

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保険料を他社と比較

この保険の保険料は保険期間・契約プランによって決まります。保険期間(旅行日数)は長くなるほど保険料は高くなります。とはいえ6ヶ月で契約して更新して保険期間を1年にするより、始めから保険期間1年にした方が4000~5000円ほど安くなります。契約プランは寮・ホームステイプランの方がアパート・借家プランより1~2万円ほど安いです。

次に保険料が他社より安いのか否か確認していきます。保険料は死亡保険金1000万円・歯科治療なしのプランで1年契約を条件にしました。留学先は北米(アメリカ・カナダ)・ヨーロッパ・オーストラリア・フィリピンでシミュレーションして、保険料を一覧表で比較しました。留学保険ではなく長期契約できる海外旅行保険も参考までに記載しました。

海外留学保険の保険期間1年での保険料の比較一覧表(ジェイアイ傷害火災・エイチエス損保・AIG損保・Chubb損保・東京海上日動・共栄火災・大同火災)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

Chubb損保の保険料を他社と比較すると、アパート・借家プランでも安めですが、寮・ホームステイプランだと他社よりも明らかに安いです。留学先が北米・オーストラリア・フィリピンだと大同火災よりは高いのですが、補償面を鑑みれば実質は最安値といえます。その一方で留学先がヨーロッパだと、たびほより保険料は2万円以上高くなります。

以上を踏まえると、Chubb損保の保険料は他社よりも安めです。特に寮・ホームステイプランが安く、留学先で寮かホームステイにするなら、現地での滞在費に加えて保険料も節約できます。保険料面以外でもメリットがあるのか、続いてメリットについて記述していきます。

メリット

この保険のメリットは、まずは前述したように保険料が北米・オーストラリアなら安い点が挙げられます。関西大学の2019年度海外派遣実績によると1位カナダ・2位アメリカ・3位オーストラリアで、留学ジャーナルの2023年人気ランキングでも1位カナダ(バンクーバー)・2位オーストラリア(シドニー)・3位アメリカ(ロサンゼルス)です。この保険の保険料の安さは多くの人が享受できます。

また、代理店で相談できるのもメリットです。代理店で相談するのは面倒かもしれませんが、海外留学保険の保険料は1年間で20万円を超える高さです。パンフレットに無い保険料が安いプランを聞いたり、補償が不十分ではないか確認できるのは大きいです。Chubb損保の保険を扱っている代理店は、関東なら東京・神奈川・千葉・埼玉、関西なら大阪・京都・兵庫、その他の県にもあります。

補償面では生活用動産・賠償責任の補償に加えて、緊急一時帰国費用の補償があります。緊急一時帰国費用の補償は留学生の祖父母が危篤・死亡での帰国費用も対象です。緊急での帰国となると飛行機代は早割り等の割引は使えず、ハイシーズンであれば通常の1.5~2倍の価格になります。留学生と祖父母が疎遠なら不要かもしれませんが、そうでなければ検討の余地はあります。

デメリット・注意点

この保険のデメリットには、まずは申込みが代理店+書類で、保険金の請求時も電話・書類が必要となる点が挙げられます。他社の海外留学保険(たびほ等)では申し込み・加入がネットで完結し、さらに保険金についてもWeb請求が可能です。留学前の慌しい時期でも空いた時間に加入でき、保険金請求も留学先からでも可能です。

補償面では寮・ホームステイプランだと、携行品損害・個人賠償責任になる点が気がかりです。携行品は室内の私物は補償対象外のため、寮・ホームステイ先の自室での盗難・火事で消失は補償されません。さらに個人賠償責任で室内水浸しなどは、寮・ホームステイ先にもよりますが弁償・賠償を迫られる可能性はあります。また、個別の補償では歯科治療費用の補償が無いのもデメリットで、留学前の歯科検診は必須といえます。

また、留学生向けのサービスでも物足りなさがあります。たびほでは留学生のアパート・マンションのための不動産会社の紹介、海外の銀行口座の開き方・国際引越し便の案内もしてくれます。この保険は従来の海外旅行保険と同じです。提携病院なら治療費の自己負担が不要となるキャッシュレス医療サービスもありますが、地域により提携病院が少ないというデメリットがあります。

Chubb損保はプレステージ・インターナショナル(プレステージ・グローバルソリューション)と提携しサービスを提供しています。同じくプレステージ社と提携しているチューリッヒの提携病院を見ると、アメリカ本土では主要な都市をカバーしているものの、シカゴ・ミシガン・ボストン等が抜けています。留学先がシカゴ大学・ミシガン大学・ハーバード大学・MITだと提携病院は利用し難いです。

キャッシュレスメディカルサービスがあるアメリカ・カナダ・オーストラリアの都市の比較一覧表(ジェイアイ傷害火災・エイチエス損保・AIG損保・Chubb損保・東京海上日動・共栄火災・大同火災)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

カナダもバンクーバー・トロントのみです。留学先がモントリオールにあるマギル大学やモントリオール大学、エドモントンにあるアルバータ大学等だと提携病院は利用し難いです。ただ、オーストラリアについては提携病院のある数・地域は他社と遜色ありません。留学先がオーストラリアならデメリットにはならなそうです。

評判・苦情

Chubb損保の2022年度(2022年4月~2023年3月)の決算資料によると保険会社における収入を示す正味収入保険料は前年度の241億円から261億円になり8%増でした。その中で海外旅行保険を含む傷害保険は78億円で前年度から17%増でした。他社では増加しているケースがあるため、契約数・業績からすると評判は悪くありません。

また、Chubb損保全体に寄せられた苦情数は255件(2022年度累計)でした。業績が近い他社よりも苦情数は少ないです。苦情の中身は「保険金お支払い関係」が最多で、担当者からの連絡遅れ・説明不足、保険金の支払い可否について不満が見えます。ただ、数自体が少ないため不安は薄いです。

Chubb損保の2022年度の苦情の内訳(出典:Chubb損保ディスクロージャー誌「Business Report 2023」)

その他に価格.comやオリコンの海外旅行保険 総合ランキング2020でも確認したいところですが、Chubb損保はランキング外でした。そもそも海外留学保険ではなく海外旅行保険の順位ではありますが、海外旅行保険では満足度が低くランク外となった可能性があります。同じ旅行でも留学でもトラブル時には同じ担当者が対応し、サポート体制も同様と考えるとランク外なのは不安感があります。

以上のデータから考えると、Chubb損保の海外留学保険の評判は悪くなさそうですが不安はあります。悪くないという根拠は業績・苦情数だけで、オリコンの満足度では低評価の可能性があるからです。同じプレステージ社と提携しているチューリッヒもオリコンではランク外なのも気がかりです。

総合評価・おすすめか?

結論としては、Chubb損保の海外留学保険は悪くない保険です。補償内容やサービス面では他社に若干劣る面もありますが、やはり安めの保険料で補償内容が一通り揃っているのは大きいです。ただ、アパート借家プランでは保険料面でのメリットが薄くなるため、留学先で賃貸を予定しているなら他の保険も検討した方が良いでしょう。

その際の第一候補はジェイアイ傷害火災 たびほ海外留学保険でしょう。サービス面もさることながら、この保険との保険料の差は1万円以内です。その一方で一段と保険料を削減したい人は大同火災が候補になります。