ワンタイムやまの保険を比較・評価

まごころ少額短期保険(ワンタイムやまの保険)
オススメ度:
2
保険会社:
まごころ少短
名称:
ワンタイムやまの保険
補償内容:
山岳事故等
補償期間:
1日間~
保険料:
142円~
特徴:
保険料わずか142円から

ワンタイムやまの保険は、まごころ少短が2022年11月から販売を開始した登山保険です。まごころ少短は2008年に設立された少額短期保険業者で、登山保険の他に医療保険や就学トラブル相談保険(いじめ・長期欠席となった場合の弁護士相談費用や転校費用を補償)も販売しています。

それでは以下で補償内容・保険料・メリット・デメリット・評判等を解説し、他社の登山保険・山岳保険と比較していきます。

補償内容・特約

ワンタイムやまの保険には3つのプラン(レスキュー重点保険・ケガ重点セット・ケガ充実セット)があります。レスキュー重点保険は、アイゼン・ピッケル・ロープ等を使った本格的な登山登坂を含む登山全般、さらにロッククライミング・スノースポーツ中の死亡・遭難が補償の対象です。

これらのケースでケガをして死亡すると30万円の死亡保険金が受け取れます。遭難すると遭難・救助活動を依頼した民間組織の人件費・装備費・食料費等が最大300万円まで補償されます。さらに家族が現地まで駆けつける費用が最大30万円まで、捜索して発見後に移送が必要だった場合の費用も最大300万円まで補償されます。

ワンタイムやまの保険の3つのプランの補償内容(出典:ワンタイムやまの保険 商品パンフレット)

ケガ重点セットにするとケガで死亡した場合に加えて、ケガで入院すると入院保険金、手術をすると手術保険金、通院すると通院保険金が受け取れます。さらに身の回り品損害費用保険金が追加され、登山・スノースポーツ中に身の回り品が壊れた場合に最大10万円まで補償されます。登山中にカメラを落として破損したり、スキー中に木に衝突してスキー板が折れた場合等に補償されます。

ケガ充実セットにすると、ケガに関する補償の保険金額が増額されます。死亡保険金は30万円から100万円、入院保険金は日額2000円から日額1万円、通院保険金は日額500円から日額2500円になります。その一方で捜索救助の補償や身の回り品損害費用保険金の保険金額は据え置きです。

また、各プランには賠償責任保険金が任意で追加できます。保険料は1日あたり62円ほど高くなりますが、登山中などに他人にケガを負わせたり他人の物を壊した場合に、相手方への賠償金が1000万円まで補償されます。スキー・スノボ中に他人に衝突してケガをさせた場合などに補償されます。

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保険料を他社と比較

ワンタイムやまの保険の保険料は、選択したコースと保険期間によって異なります。レスキュー重点保険の保険料は142~246円です。保険期間を1日間にすると保険料は142円で、保険期間を29日間まで伸ばしても246円です。保険期間を15日にすると保険料は中間の195円となります。保険期間が1ヶ月続く月払いにすると1ヵ月あたり250円、年払いだと3000円です。

ワンタイムやまの保険の3つのプランのの保険料一覧表(出典:まごころ少短公式HP「ワンタイムやまの保険」)

ケガ重点セットにすると保険料は約2倍になり、ケガ充実セットにすると保険料は約4倍になります。さらに賠償責任保険をつけると、保険料は1日で62円、29日まで伸ばすと110円が必要になります。どのセットにつけても賠償責任保険分の保険料は一律です。

次に保険料は他社より安いのか高いのか、下図で他社の登山保険・山岳保険と一覧表で比較しました。保険期間は1泊2日と年間保険料の場合とし、月額タイプは年間保険料に換算しました。また、補償プランは基本的に最も安いプランの保険料で比較しました。

登山保険・山岳保険の保険料の比較一覧表(モンベル・ココヘリ・ABC少短・PayPay保険・ドコモ・au損保・ソフトバンク・ヤマップネイチャランス・日山協山岳共済・まごころ少短)※各社の公式HPを元に当社が独自に作成

ワンタイムやまの保険(レスキュー重点保険)の年間保険料は、他社と比べて安い部類に入ります。この保険と同じく本格的な登山での遭難を補償するモンベルやココヘリなどの半額の保険料です。その一方でABC少短やヤマップとは保険料は近く、ヤマップには数百円の差で負けています。

1日単位の保険料で見ても、この保険の保険料は安いです。PayPay保険の方が保険料は安いのですが、本格的な登山は補償の対象外です。そのため本格的な登山のために数日だけ加入するなら、この保険が最安といえます。

メリット

ワンタイムやまの保険のメリットは、まずは保険期間の自由度が高い点が挙げられます。他社の保険の多くは1日単位か月単位か年単位で契約するかを選べません。年契約の保険だと、1年に数回だけ登山をする人は保険料の大半が無駄になります。頻繁に登山をする人でも登山をしないシーズンがある(冬山は登山しない等)なら、年契約ではなく月単位で契約した方が保険料を節約できます。

補償面では、本格的な登山登坂が補償の対象というメリットがあります。他社にも本格的な登山を補償する保険がありますが、前述したように他社よりも保険料が安く、天災(地震・噴火・津波)も補償されます。他社には天災で遭難したりケガをした場合は補償の対象外となる保険がありますが、その心配は不要です。

ワンタイムやまの保険の特徴(出典:まごころ少短公式HP「ワンタイムやまの保険」)

また、他社には熱中症・低体温症・高山病は補償の対象外とする保険がありますが、この保険では補償の対象です。そのため熱中症・高山病等で入院した場合に加えて、熱中症・高山病等で救助が必要となった場合でも捜索・救助費用が補償されます。

また、付帯サービスとして遭難アラートサービスがあるのも見逃せません。このサービスは登山後に連絡が取れなくなった時に使える無料の安否確認サービスです。保険の補償が終了する日(≒下山日)の20時にSMSが届き、そのURLがタップされなかった場合に、家族等の緊急連絡先に連絡される仕組みになっています。

遭難アラートサービスの仕組み(出典:まごころ少短公式HP「ワンタイムやまの保険」)

ちなみに、100人までまとめて加入できるガイドツアー・グループ保険もあります。基本的な補償内容は同じで保険料も同じですが、大人数をまとめて加入できるメリットがあります。登山グループや山岳サークル等であれば検討の余地がありそうです。

デメリット・弱点・落とし穴

この保険のデメリットは、まずは複数の補償に免責金額(自己負担額)が設定されている点が挙げられます。他社の保険では携行品損害の補償に5000円や1万円の免責金額が設定されていることはありますが、捜索・救援費用や救援者費用にまで5000円~3万円の付いているのは稀です。他社よりも安い保険料を提示できているのは、この免責金額が設定されているからと考えられます。

補償面では賠償責任保険金の上限額が1000万円と低い点に注意が必要です。他社には個人賠償責任が1000万~1億円が付いていることが多いです。実際、他人にケガをさせた場合に相手が軽傷であれば1000万円で済む可能性もありますが、相手に後遺傷害を負わせた場合には数千万円の賠償金になります。過去にはスキー・スノボ中に他人と衝突して目に重症を負ったケースで2000万円の賠償が成立したケースがあります。

さらに天災(地震・噴火・津波)が本当に補償されるのか疑念があります。公式HPには補償の対象と記載されていますが、商品パンフレットでは補償の対象外となっています。さらに天災はケガの補償のみか遭難の補償のみか、それとも両方なのか明確な記載がありません。単純にパンフレットが古いだけの可能性もありますが、気になる人は加入前に確認した方が賢明です。

ワンタイムやまの保険で保険金をお支払しない場合(出典:ワンタイムやまの保険 商品パンフレット)

ちなみに、まごころ少短は少額短期保険業者のため、保険会社と異なり契約者保護機構に加入していません。そのため経営破綻すると供託金を契約者等で分配するだけで、保険金が受け取れない可能性もあります。経営破綻する少額短期保険業者が多い中で、同社は2008年から20年近く営業しているため一定の信頼感はあります。しかし、主要株主に上場企業があるわけでもなく(主要株主は株式会社ジェイエイチディ)、絶対的なものではありません。

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評判・苦情・口コミ

まごころ少額短期保険の決算資料によると、2024年度の正味収入保険料(保険会社でいう売上高)は7472万円で、前年度の8075万円から7.5%減でした。この保険を含む損害保険の正味収入保険料も4355万円で、前年度から7.8%減でした。そのため申込数・契約数等からすると評判は少し悪いと考えられます。

また、経営破綻の不安が無いか注視する必要があると既述しましたが、現在のところ不安はありません。他社には経常利益・純利益がマイナスで赤字に陥っている少額短期保険業者がいますが、まごころ少短は2022年度から経常利益・純利益はプラスで黒字経営を続けています。

まごころ少短の正味収入保険料・経常利益・純利益など(出典:まごころ少額短期保険ディスクロージャー誌「まごころ少額短期保険の現状2025」)

ソルベンシー・マージン比率も年々上昇し、現在では3356%と十分過ぎる数字があります。今のところ少額短期保険業者にありがちな経営破綻のリスクは見えません。とはいえ令和6年度の純利利益はギリギリでプラスのため、次年度以降も確認の必要がありそうです。

その他に、価格.com・保険市場等の保険比較サイトで申し込み数・資料請求ランキングを確認したいところですが、登山保険・山岳保険は件数が少ないためかランキング自体が存在しません。オリコンの顧客満足度ランキングでも、登山保険・山岳保険のランキングはありません。

以上のデータから考えると、ワンタイムやまの保険の評判は良くはなさそうです。契約数が伸びていないため、少なくとも評判が良いとはいえないでしょう。しかし、あくまで契約数のみでの判断(≒人気面だけでの判断)のため、各種手続き時の対応や事故時の対応が良い可能性はあります。

総合評価・おすすめか?

結論としては、ワンタイムやまの保険は悪くない保険です。特に他社と比較して保険料が安く、短期でも中期でも契約できるため、保険料を重視する人に向いています。評判面では一抹の不安はあるものの、それこそ短期での契約なら大きな支障はないでしょう。

他社の登山保険・山岳保険も検討したい人は、本格的な登山をするならヤマップ・ココヘリ・ABC少短のレスキュー保険が候補になります。本格的な登山をしないなら、ポイントが貯まるPayPay保険あたりの登山保険も検討すると良いでしょう。