日本山岳救助機構 JRO(ジロー)/ 登山・山岳保険の保険料・補償内容・保険金を評価 レビュー

日本山岳救助機構 JRO(ジロー)
オススメ度:
3
保険会社:
日本山岳救助機構
名称:
JRO(ジロー)会員制度
補償範囲:
山岳登坂・登山・ハイキング
救援費用:
5万円
遭難捜索:
330万円
特徴:
山を愛する方々の相互扶助の精神にもとづく新しい会員制度

日本山岳救助機構 JRO(ジロー)は遭難だけに備えたいならオススメ!

日本山岳救助機構(Japan Rescue Organization LLC)は登山者の相互扶助を目的とする企業で、略称でジロー(JRO)と呼ばれている。JROの場合は他社のように山岳保険ではなく、会員同士の相互扶助という仕組みで共済に近いイメージだ。以下、会員制度(山岳保険)の概要を記載し、他社の山岳保険(登山・ハイキングのみ補償する保険含む)と補償内容・保険料等で比較する。

日本山岳救助機構 JRO(ジロー)の保険料・保険金・補償内容・サービスなど

まず補償範囲だが、登山・ハイキングといった軽い山登りだけでなく、ピッケル等の登山用具を用いた本格的な登山登坂も補償の対象となる。ただし、モンベルやウィンライフとは異なり、山(場所)は国内のみとなる点に注意したい。

補償内容ではケガ関連の補償(死亡保険金・入通院日額)は、他社とは異なり一切付帯していない。個人賠償・携行品損害も付帯していないため、これらをカバーするなら他の保険を利用することになる。付帯しているのは山岳保険では必須の遭難捜索費用と関係者駆けつけ費用で、他社の保険とは異なり遺体搬送費用・謝礼費も付帯している。他社は救援者費用として一括りにしているが、このJROは個別に金額が定まっている点にも注意が必要だ。

保険料は他社のようにプランが分かれているわけではなく、入会時の2,000円と2年目以降は2,000円という仕組みになっている。ただし、会員が山岳事故を起こした場合の負担を会員全体でカバーする仕組みのため、事後分担金を毎年支払うことになる。過去を見ると1,000円以下で収まっているため年会費と合算して3,000円と見ておけばいいだろう。

下図では各社の山岳保険(レジャー保険)を補償範囲が本格的な山岳か登山(+ハイキング)かを確認し、さらに死亡保険金・入院日額・通院日額・個人賠償責任・携行品損害の上限額を比較した。さらに山岳保険で最も重視すべき救援者費用・遭難捜索費用の有無と保険金上限も併せて記述した。保険料面では、基本的には各社の最もスタンダードなプランとし、必ず救援者費用か遭難捜索費用が付帯したプランを採用した。そのうえで保険料を日額・月額・年額に分けて比較した。

名称 モンベル 日本山岳
JRO
日本費用
レスキュー
ウィン
山岳
ウィン
ハイキング
Yahoo!
山大好き
ドコモ
レジャー
au
ケガ保険
ソフトバンク
かんたん
補償範囲 山岳 山岳 山岳 山岳 登山 登山 登山 登山 登山
死亡
保険金
100万 - - 150万 250万 200万 841万 100万 360万
入院日額
通院日額
-
-
-
-
-
-
2,000円
-
2,000円
1,000円
2,000円
1,000円
12,000円
-
2,000円
-
5,000円
2,000円
個人賠償 1億 - - - 1億※ - 3,000万 1,000万 2,000万
携行品 - - - - 10万~※ 10万 15万 - -
救援者 500万 5万 下に含む - 500万 300万 200万 100万 100万
遭難捜索 100万 330万 300万 50万 - - 上に含む 上に含む 上に含む
その他 遭難追加
(30万)
遺体搬送
謝礼費
- - - - - 示談 -
保険料
(日額)
- - - - - - 590円 - 300円
(450円)
保険料
(月額)
682円※ 166円※ 416円※ 690円※ 450円※ 810円
(440円)
- 370円 -
保険料
(年額)
8,190円 2,000円
(3,000円)
5,000円 8,300円 5,410円 - - 4,050円 -
山岳保険・登山保険の比較表(モンベル・日本山岳JRO・日本費用レスキュー・ウィン山岳・ウィン ハイキング・Yahoo 山大好き・ドコモ レジャー保険・auケガ保険・ソフトバンクかんたん)

上図で左から2番目のJRO 会員制度は、重ねてになるが山岳登坂だけでなく登山・ハイキングも補償に含まれる。まず前述した通りケガに関連する死亡保険金・入院日額・通院日額は一切付帯せず、個人賠償・携行品損害も付帯していない。救援者費用は5万円としたが、正確には家族駆けつけ費用は救援者費用に含まれるため便宜上入れているに過ぎない。実際には遭難捜索費用の上限である330万円に含まれ、遺体搬送・謝礼費も個別の上限はあれど合計額では330万円に縛られる。そのため補償内容は厚めとはいえず、至って最低限のシンプルな内容になっている。

保険料だが、年会費の2,000円に1,000円の事後分担金を加えた額で他社と比較した。事故の発生件数次第では分担金が上昇する可能性はあるが、それでも他社の山岳保険よりは明らかに安い。山岳保険で最低限の内容しか付帯していないとはいえ、ほぼ同内容のレスキュー保険の半額という点を考えれば、保険料は割安と考えていいだろう。

結論としては、山岳保険でも遭難だけに備えたいならオススメできそうだ。かなり保険料も節約できるのもポイントだ。ただし、ケガ・死亡関連の補償は一切ないため、ケガについては貯金か傷害保険でカバーし、死亡については生命保険などでカバーすることになる。それらを別途契約するのが面倒なようであれば、モンベルの山岳保険を利用するといいだろう。また、山岳登坂ではなく普通の登山かつ単発の登山ならyahooやドコモの保険を検討するのもいいだろう。