メットライフ生命 ロングタームケア/ 介護保険の保険料・返戻率・保障内容・支払い条件・特約を評価 レビュー

メットライフ生命 ロングタームケア
オススメ度:
2
保険会社:
メットライフ生命
名称:
ロングタームケア
保障内容:
介護年金
支払日数:
一生涯
支払基準:
ADL障害
特徴:
要介護状態や認知症による見当識障害を障害にわたって保障

メットライフ生命 ロングタームケアの支払条件のADL障害をどう考えるか?

※この保険は新規募集を停止しています。
ロングタームケアはメットライフ生命が募集・販売する介護保険で、正式名称は日常生活動作障害保障保険となっている。名称だけでなく他社の介護保険と異なる点も散見される。以下、ロングタームケアの概要を記載し他社の介護保険と比較する。

メットライフ生命 ロングタームケアの仕組みと保障内容・保険料・介護年金・特約など

この保険は要介護状態となると介護年金が一生涯受け取れ、死亡すると死亡給付金が受け取れる。この保険が他社と異なるのは、介護状態が公的介護保険の要介護度ではなくADL障害状態(日常生活動作が障害状態)によって判断される点にある。ADL障害指数は第1級~第3級までに分かれ、1級であれば契約した年金額100%が受け取れるが、2級だと基準年金額の70%、3級だと50%までに減額されてしまう。他社のように軽度の介護状態だと年金が受け取れない不安は無いが、年金額を100%受け取るためには食物の摂取・入浴などの項目のうち、いずれか1つは必ず全部介助に該当せねばならず、条件としてはなかなかに厳しい。もう1つの条件である認知症には特に制限は設けられていない。

次に下図では介護保険を、加入できる年齢・保険料払い込み期間・保障が介護のみか死亡を含むか?・保険金の支払い基準・介護一時金及び年金の金額等で比較した。また、参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、顧客満足度と自分が苦情を言う可能性を考慮した。

保険料は男性で40歳・50歳・60歳の月額と返戻率で比較した。その際には80歳で介護状態となり85歳で死亡した場合(介護が必要になる年齢は?を参照)で比較した。

名称 明治安田
介護ささえ
メットライフ
ロング
アフラック
Vタイプ
太陽生命
My介護
ソニー
介護
AIG富士
愛する
コープ
介護
住友生命
ふるL
東京海上
長生き
年齢 40~80歳 18~70歳 18~60歳 15~75歳 20~85歳 40~70歳 40~69歳 15~75歳 15~55歳
保険料
払込期間
終身 60~70歳 終身 55~85歳 55~85歳
終身
終身 1年更新
(79歳)
60~65歳 60・65歳
保障 介護
死亡
介護
死亡
介護 介護
死亡
介護 介護 介護 介護
死亡
死亡
介護
支払基準 要介護3 ADL障害
認知症
認知症
寝たきり
要介護2 要介護2 要介護4 要介護2 要介護3? 要介護2
介護
一時金
300万※ - 60万 - 120万 300~1000万 500~700万 195~296万 200~2000万
介護
年金
60万 50~700万 60万 12万~ 60万 - - - -
年金支払
日数
一生涯 一生涯 10年 一生涯
(10年保証)
一生涯 1回 1回 1回 1回
特約 軽度特約
払込免除
健康祝い金 4プラン - - - - 年金支払 年金支払
健康祝金
苦情率 0.24% 0.44% 0.41% 0.05% 0.29% 0.21% - 0.36% 0.15%
40歳保険料
返戻率
\3,780
165.3%
\9,580
87.0%
\4,248
323.7%
\19,524
128.0%
\3,960
221.0%
\3,000
347.2%
\150※
316.3%
\10,000
123.6%
\10,548
197.5%
50歳保険料
返戻率
\5,178
160.9%
\15,965
86.9%
\6,282
291.8%
\22,208
112.6%
\5,880
198.4%
\4,400
315.7%
\480※
321.4%
\20,000
116.9%
\22,308
186.8%
60歳保険料
返戻率
\7,512
166.4%
\27,415
76.0%
\9,964
275.4%
\46,473
107.6%
- \6,950
299.8%
\1,800※
339.9%
\30,000
108.4%
-
介護保険の比較表(明治安田 介護のささえ・メットライフ生命ロング・アフラックVタイプ・太陽生命My介護・ソニー生命 介護保険・AIG富士 愛する・コープ共済 介護・住友生命ふるL・東京海上 長生き)

上図で左から2番目のメットライフ生命 ロングタームケアだが、契約できる年齢は18~70歳で年齢帯は概ね他社と似通っている。保険金の支払い基準は前述の通り公的介護保険の要介護度ではなくADL障害指数をベースに判定される。介護年金は年額50万円ではなく最大700万円も選択でき、その意味で他社よりも自由度は高い。特約・割引には他社と比較して目立った点はないが、70歳まで介護・認知症でなければ5年おきに健康祝い金として50万円が受け取れる。この祝い金も一生涯継続するため90歳程度まで無事に生存できたなら相当に保険料の低減効果が見込める。

その保険料は基本年金額が50万円の場合の額だが、他社には年金額が同一の介護保険は存在せず一律で高低を判断することはできない。とはいえ年金額が低い他社よりも2倍近い保険料では、決して保険料が安いとはいえない。仮に前述の健康祝い金を介護状態となる80歳までに2回受け取るなら、40歳で保険料が2,000円程度の割引効果があり、返戻率も120%程度まで上昇する。それでも他社には及ばないが、とりあえず損をしない水準までは到達する。

結論としては、保険料面でのメリットが乏しくADL障害による支払い判断もメリットもデメリットもあるため微妙な保険だ。もしも軽度の要介護を懸念しているとすれば、ADL障害による判断はメリットになり得るのだが、ADL3級になるには食事・排泄・衣服・入浴・歩行の中で一部介助が3つは存在しないと支払い基準に該当しない。これは甘めにみて要介護2、もしかすると要介護3という可能性もある。そうなると軽度の介護への備えにはなるまい。公的介護保険の対象が40歳からのため、40歳未満での要介護状態を懸念するなら検討の余地は無くないが。。。やはり大人しく他社の介護保険を検討した方が賢明だろう。