楽天証券のイデコでおすすめ商品とは!

イデコの金融機関を決めた後は、資産配分と商品選びが悩みどころとなります。まずは資産配分が先決(ご参考:プロの資産配分とポートフォリオ)ですが、似たような商品が多いため商品選びも結構面倒な作業です。

今回は楽天証券のイデコにある各カテゴリの商品で、どれが良い商品なのかを解説していきます。初心者の人(イデコで初めて投資を始める人)にも分かりやすいように、可能な限り平易な言葉で進めていきます。

おすすめの商品

楽天証券のイデコには合計32個の商品がありますが、自分の資産配分に無いカテゴリの商品の中身は知らなくても問題ありません。例えばオールシーズンズ型(全天候型)の資産配分なら、アメリカ株式30%・アメリカ国債55%・金(ゴールド)15%のため他の多くの商品は無関係です。

そのため自分の資産配分に関係がある項目だけチェックするのが時間短縮に繋がるのですが、今後のスイッチング・配分変更を見越して他のカテゴリの商品を知るのも良いかもしれません。

国内株式型

国内株式型の商品は日本企業の株式に投資して、株価上昇と配当で利益が出ます。日本企業は輸出企業も多いため、日本国内の景気だけではなく海外の景気にも影響を受けます。また、輸出企業は円高になると利益が圧迫され株価が下落する傾向にあります。

楽天証券のイデコの国内株式型商品は6個(2020年時点)です。そのうち2つが指数に連動するパッシブ型で、残りの4つが独自の方針で運用するアクティブ型です。アクティブ型の方が運用会社に支払う運用管理費用がパッシブ型よりも高いため、アクティブ型はパッシブ型の運用成績を上回ることが至上命題とされます。投資家が日経平均よりも上昇幅が小さい(下落幅が大きい)高コストの商品を買わないからです。

そのためパッシブ型商品の「たわらノーロード日経225」と比較して、優秀な商品がおすすめの国内株式型の商品となります。まず5つの商品(たわらノーロード日経225・iTrust日本株式・コモンズ30ファンド・フィデリティ日本成長株・MHAM日本成長株)の基本情報を確認しましょう。

たわらノーロード日経225・iTrust日本株式・コモンズ30ファンド・フィデリティ日本成長株ファンド・MHAM日本成長株ファンドの運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較)

4つのアクティブ型のうち、コモンズ30ファンドとiTrust日本株式は国内大型グロース、フィデリティ日本成長株は国内中型グロース、MHAM日本成長株は国内小型グロースです。大型・中型・小型というのは、投資対象が上場企業の中で相対的に大企業か中企業か小企業かという意味です。

投資家から多額の資金を集めるほど純資産額が大きくなります。そのため純資産額は投資家間での人気の目安となります。その純資産額が最も大きいのはフィデリティ日本成長株の2800億円超がダントツで大きく、たわらノーロード日経・MHAM日本成長株・コモンズ30は似たような金額です。信託報酬は投資家が支払うコストですが、たわらノーロード日経が最も安い0.19%で、アクティブ型ではコモンズ30が1.08%と最も安いです。

次に2020年3月時点での直近3年間の運用成績を比較します。直近3年ではMHAM日本成長株が圧倒的に良い運用成績となっています。その他ではフィデリティ日本成長株とたわらノーロード日経が残り4つの中で良い時期があります。

たわらノーロード日経225・iTrust日本株式・コモンズ30ファンド・フィデリティ日本成長株ファンド・MHAM日本成長株ファンドの3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

直近の新型コロナウィルスによる厳しい下落では、事前の上昇分があっただけMHAM日本成長株の下落率は3年前と比較して-0.3%と非常に小さいです。ただ、直近の高値からの下落率はマイナス55%と非常に大きく悲惨な状況です。その点、たわらノーロード日経だと直近高値からの下落率は35%で最も下落を抑えています。

そのため多少の上昇幅を捨ててもマイナス幅を縮めたいならパッシブ型の「たわらノーロード日経225」がおすすめの商品となります。マイナスよりは最大限のプラスを突き詰めたい人には、「MHAM日本成長株ファンド」がおすすめとなります。

ちなみにMHAM日本成長株ファンドは「競争力の優位性」と「利益の成長性」で投資する企業を選定しています。さらに投資対象が国内小型グロース株ということで、エムエムエス・リログループ・SHIFT・ヨコオといった一般的な知名度が高くはない企業にも投資しています。

MHAM日本成長株ファンドの組み入れ上位銘柄(出典:アセットマネジメントOne公式HP・MHAM日本成長株ファンドの交付目論見書)

とはいえ一般的な知名度が高いパーク24やベネフィットワン等にも投資しています。パーク24は駐車場に加えて、カーシェアで圧倒的なシェアを持ちます。ベネフィットワンは企業に福利厚生サービスを提供しており、同じく圧倒的なシェアを持ちます。どちらも今後の利益成長が見込めるため、「競争力の優位性」と「利益の成長性」で選んでいるというのは間違いなさそうです。

ただ、小型株に投資するため、下落相場となると大型株よりも激しい下落に巻き込まれがちです。その点は覚悟しておいて、常に逃げ場も考えておくのが賢明でしょう。

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国内債券型

国内債券型の商品は日本の国債・社債等に投資して、その利息と売買益で利益が出ます。ただ、日本の債券の大半がゼロ金利近辺かマイナス金利のため高い利回りは見込めません。

楽天証券のイデコの国内債券型商品は「たわらノーロード国内債券」と「明治安田DC日本債券」の2つです。前者はパッシブ型で指数(NOMURA-BPI総合)に連動しており、後者はアクティブ型で独自の方針で運用しています。投資家からの人気の目安となる純資産額に大差はありませんが、コストとなる信託報酬はたわらノーロード国内債券の方が安いです。

たわらノーロード国内債券・明治安田DC日本債券の運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較) たわらノーロード国内債券・明治安田DC日本債券の3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

直近3年の運用成績はたわらノーロードの方が良好で、3年間で2%程度の差があります。長期になると一段と差が広がる可能性があり、信託報酬も安いため「たわらノーロード国内債券」がおすすめの商品といえます。ちなみに連動するNOMURA-BPI総合という指数は、日本で公募されている債券全体の動向を表す指数です。債券の格付けもA以上の信用力の高いものに限られています。

外国株式型(先進国)

外国株式型(先進国)の商品は、先進国の企業の株式に投資し株価上昇と配当で利益が出ます。世界にある多くの有力企業、例えばアメリカのアップル・アマゾン・グーグル、ドイツのベンツやBMW、スイスのネスレやチューリッヒ等に間接的に投資することになります。

2020年時点で外国株式型(先進国)商品は6個で、指数に連動するパッシブ型と独自運用するアクティブ型が3つずつあります。投資家からすると、パッシブ型よりも運用成績が良いアクティブ型商品のみ高い信託報酬を支払う価値があります。そのためアクティブ型で最も運用成績が良い商品と、パッシブ型を比較していきます。

アクティブ型はセゾン資産形成の達人・ラッセル外国株式ファンド・iTrust世界株式の3つです。このうちラッセル外国株式だけ日本を除く先進国の企業に投資します。国内株式型と重複して国内への資産比率が高まるのを避けたい人は、アクティブ型はラッセル外国株式しか選択の余地はありません。

セゾン資産形成の達人・ラッセル外国株式ファンド・iTrust世界株式の運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較)

純資産額の大きさは人気を測る目安ですが、セゾン資産形成が最も大きく、次いでラッセル外国株式・iTrust世界株式となります。コストとなる信託報酬はアクティブ型のため高めですが、それでもセゾン資産形成は0.57%と比較的安めです。

直近3年の運用成績(トータルリターン)はセゾン資産形成が最も良い時期と、iTrust世界株式が最も良い時期があります。信託報酬の差はあれど両者の優劣は付け難いため、2つの商品をパッシブ型と比較する必要がありそうです。

セゾン資産形成の達人・ラッセル外国株式ファンド・iTrust世界株式の3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

他方のパッシブ型は楽天全世界株式・楽天全米株式・たわらノーロード先進国株式の3つです。純資産額はセゾン資産形成と楽天全米株式が大きめです。さすがに信託報酬はパッシブ型の3商品は0.1%台で、アクティブ型よりも断然安いです。

セゾン資産形成の達人・iTrust世界株式の3年間・楽天全世界株式・楽天全米株式・たわらノーロード先進国株式の運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較) セゾン資産形成の達人・iTrust世界株式・楽天全世界株式・楽天全米株式・たわらノーロード先進国株式の3年間トータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

直近3年の運用成績はセゾン資産形成が最も良い時期もありますが、概ね楽天全米株式が最も良い時期の方が長いです。信託報酬も安いため「楽天全米株式」がおすすめの商品といえそうです。もしもアメリカ企業だけにするのが不安ならiTrust世界株式にするのも手ですが、信託報酬が高めという点がネックとなります。

ちなみに楽天全米株式はCRSP USトータル・マーケット・インデックスという指数に連動しています。この指数は4000社以上のアメリカ企業の株価で構成されている指数です。NYダウは選りすぐりの30社で構成され、S&P500指数は500社で構成されています。これらの指数よりアメリカ市場全体を表す指数に連動するといえます。

外国株式型(新興国・エマージング)

外国株式型(新興国)の商品は、新興国の企業の株式に投資し株価上昇と配当で利益が出ます。人口が増加し続けている新興国が多く、企業は人口増に伴う消費増という追い風を受けます。ただ、新興国通貨は政情不安があったり自然災害への対策が不十分なため倒産リスクが高く、円高になりやすいのと相まって損失も出がちです。

外国株式型(新興国)の商品は、2020年時点でインデックスファンド海外新興国(エマージング)株式のみです。この商品はMSCIエマージング株式(MSCIエマージング・マーケット・インデックス)に連動するパッシブ型です。

MSCIエマージング株式(MSCIエマージング・マーケット・インデックス)の上位組み入れ銘柄(出典:ブラックロック公式HP・iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF) MSCIエマージング株式(MSCIエマージング・マーケット・インデックス)の国別構成比率(出典:ブラックロック公式HP・iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF)

この指数に影響が大きい企業は中国のアリババ・テンセント・台湾セミコン等です。国別比率でも中国・台湾・韓国・インドへの投資比率が高めという点は覚えておいて損はありません。これらの国に成長力があるかを考えれば、この商品を自分の資産に組み入れるべきか判断しやすくなるでしょう。

ちなみに現段階でMSCI社は中国を新興国と扱っていますが、いずれ中国は新興国ではなくなるなら国別比率・構成銘柄は変化するかもしれません。

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外国債券型(先進国)

外国債券型(先進国)の商品は、先進国の国債・社債に投資して利子と売買益で利益が出ます。現在は多くの先進国が低金利かマイナス金利のため、高い利回りは期待できません。ただ、金利が低下すれば債券価格は上昇するため売買益は見込めます。

外国債券型(先進国)は2020年時点で、たわらノーロード先進国債券の為替ヘッジあり・なしの2つだけです。人気の目安となる純資産額は「為替ヘッジなし」の方が大きく、信託報酬は為替ヘッジをする分だけ「為替ヘッジあり」の方が高くなっています。

たわらノーロード先進国債券の為替ヘッジあり・為替ヘッジなしの運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較) たわらノーロード先進国債券の為替ヘッジあり・為替ヘッジなしの3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

直近3年の運用成績は「為替ヘッジなし」の方が優秀な期間が長いのですが、近年は似たような成績です。そのため他の積み立てる資産との兼ね合いで決めましょう。他の資産が為替ヘッジなしが多いなら円高時に損失が出るため「為替ヘッジあり」にして、その逆なら「為替ヘッジなし」となります。国内株式型の資産は為替リスクはありませんが、円高による業績悪化で株価が下落します。そのため為替ヘッジなしの資産としてカウントするのが妥当です。

ちなみに「たわらノーロード先進国債券」は、FTSE世界国債インデックスに連動するパッシブ型の商品です。この指数は日本を除く23ヶ国の国債で構成されています。その中にはアメリカ・イギリス・ヨーロッパ各国・オーストラリア等が含まれ、アジアではマレーシア・シンガポールのみが含まれています。

外国債券型(新興国・ハイイールド債)

外国債券型(新興国)の商品は、新興国の国債・社債の利子と売買益で利益が出ます。新興国は先進国よりも信用力が乏しいため高い利回りが得られますが、債務不履行(デフォルト)の可能性があります。同じく外国債券型(ハイイールド債)は信用力が乏しい企業の社債に投資するため、高い利回りが期待できるものの倒産による債務不履行の可能性があります。

外国債券型(新興国・ハイールド債)商品は、2020年時点でインデックスファンド海外新興国債券・みずほUSハイイールドファンドの2つです。投資する国・投資対象(国債か社債か)という違いがありますが、高い利回りの信用力が乏しい債券に投資する本質は同じです。

インデックスファンド海外新興国債券・みずほUSハイイールドファンドの運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較) インデックスファンド海外新興国債券・みずほUSハイイールドファンドの3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

両者を比較すると、インデックスファンド海外新興国の方が純資産額も大きく信託報酬も安いです。ただ、直近3年の運用成績を見ると、どちらが良いかは難しい面があります。そのため他の資産でアメリカに偏り過ぎているならインデックスファンド海外新興国、その逆ならUSハイイールドにするのが賢明かもしれません。

ちなみにインデックスファンド海外新興国はJPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックス-エマージング・マーケッツ・グローバル・ダイバーシファイド(GBI-EM)という指数に連動しています。ブラジル・メキシコ・インドネシア等の新興国で構成され、外国株式型(新興国)と異なり中国・台湾・韓国等は含まれていません。

みずほUSハイイールドはアメリカ企業の社債だけが投資対象です。日本でも比較的馴染みのあるテスラやネットフリックスといった企業の社債に投資しています。これらの企業の知名度はあるものの、格付けはトリプルCやダブルBのため信用力は低く、やはり債務不履行の可能性は相応にあるといえます。

複合資産

複合資産型の商品は株式・債券・不動産などの複数の資産を組み合わせた商品です。各資産の値上がり益と各資産の副次的な収入(株の配当・債券の利息・不動産の賃料等)で利益が出ます。株式・不動産が下落する景気後退・不景気の時期には債券の価格が上昇しますから、大幅な下落を抑えるバランス型とも呼ばれます。

複合資産型商品は2020年時点で8つで、そのうち3つはターゲットイヤーという商品です。この商品は特定の年に向けて株式の比率を下げて債券の比率を高めます。2030・2040・2050がありますが、残りの年数からして2050が妥当でしょう。

まずはターゲットイヤー2050と同じアクティブ型(投資のソムリエ・三菱UFJバランス・三井住友DC世界バランス)の商品を比較します。投資家からの人気を測る純資産額では投資のソムリエが最も大きく、投資家のコストになる信託報酬は三菱UFJバランスが最も安い0.66%です。

ターゲットイヤー2050・投資のソムリエ・三菱UFJバランス・三井住友DC世界バランスの運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較) ターゲットイヤー2050・投資のソムリエ・三菱UFJバランス・三井住友DC世界バランスの3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

直近3年の運用成績は楽天ターゲットイヤーが好調でしたが、直近の新型コロナによるパンデミックで大きく下落しています。株式の比率の縮小前に下落の痛手を負ってしまったようです。その反面、投資のソムリエ・三菱UFJバランスは堅調です。この2つをパッシブ型の楽天インデックスバランス・セゾンバンガードグローバルバランスと比較してみましょう。

4つの商品の中で純資産額はセゾンバンガードが桁違いに大きいですが、信託報酬は楽天インデックスバランスが最も安い0.2%です。直近3年の運用成績で最も堅実なのは投資のソムリエで、新型コロナによる下落にも微動だにしておらず非常に優秀です。

投資のソムリエ・三菱UFJバランス・楽天インデックスバランス・セゾンバンガードグローバルバランスの運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較) 投資のソムリエ・三菱UFJバランス・楽天インデックスバランス・セゾンバンガードグローバルバランスの3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

運用成績からすると、おすすめ商品は「投資のソムリエ」といえそうです。下落にも強いだけに1.21%という高い信託報酬を支払う価値はありそうです。投資のソムリエは月次・日次で株式・債券・不動産の配分比率を変更する商品で、金利・為替・経済成長のどれを重視するか適宜変更して配分比率を調整するようです。

ちなみに新型コロナのパンデミックによる暴落前、2月末時点で為替ヘッジ付きの債券に75%、現金に3%、株式等のリスク資産には21%しか振り分けていませんでした。お見事としか言いようがない対応でしょう。

投資のソムリエの資産配分(出典:アセットマネジメントOne公式HP・投資のソムリエの2月末マンスリーレポート)

リート型

リート型(不動産投資信託)の商品は、不動産の賃料収入と売買益で利益が出ます。一般的に不動産というと住居をイメージしがちですが、その他に商業施設や物流施設を専門とするリートも存在します。また、海外の不動産の場合には為替リスクがあり、円安でプラス・円高でマイナスの影響を受けます。

リート型商品は日本の不動産を対象とした三井住友DC日本リート・野村Jリートと、海外の不動産を対象とした三井住友DC外国リートの3つです。海外の不動産を資産に入れたいなら三井住友DC外国リートしか選択の余地はありません。純資産額は圧倒的に野村Jリートが大きいものの信託報酬は最も高く、三井住友DC日本リートが信託報酬が最も安いです。

三井住友DC日本リート・野村Jリート・三井住友DC外国リートの運用会社名・カテゴリ・基準価額・純資産額・為替ヘッジの有無・運用スタイル・販売手数料・信託報酬など(出典:モーニングスター・ファンド比較) 三井住友DC日本リート・野村Jリート・三井住友DC外国リートの3年間のトータルリターン相対比較チャート(出典:モーニングスター・トータルリターン相対比較チャート)

直近3年の運用成績は三井住友DC外国リートが最も良い時期もありますが、野村Jリートファンドの方が最も良い時期もあります。2020年のパンデミックの下落では、外国リートは為替の円高分もマイナスに響いて運用成績が悪化しています。とりあえず2つの日本リートの中では野村Jリートの方がおすすめといえそうです。

ちなみに野村Jリートファンドは、アクティブ型で独自の運用方針で動いています。直近3年では好調でしたが、数十年の長期で見ると三井住友DC外国リートの方が良い可能性があります。パフォーマンスが落ちてきたタイミングでスイッチングなり配分変更なりの一工夫が必要になるかもしれません。

その他

楽天証券のイデコには上述の商品の他に、金(ゴールド)に投資する「ステートストリートゴールドファンド」と定期預金があります。他の金融機関でもゴールドに投資する商品はありますが、為替ヘッジが無いものも多いです。一般的に金価格は株式の下落時に上昇しますが、同時に円高になるため上昇分が円高で消されることがあります。その点、楽天証券なら為替ヘッジが付いているため、金価格の上昇分がほぼ利益になるメリットがあります。

まとめ

おすすめ商品は以上ですが、過去の運用成績は将来も同じように継続はしません。経済情勢は刻一刻と変化し、相場は常に変動するからです。あくまで過去の運用成績は商品選びの際に1つの目安に留めて、それよりは商品そのものが自分の考えた資産配分に適した商品かを見極めることに注力して下さい。

楽天証券のイデコは多くの商品があるため商品選びは面倒ですが、このページを参考にすることで少しは楽になったなら幸いです。