アースカーを他社と比較・評価

アースカー(earth car)
オススメ度:
2
事業者:
アース・カー
名称:
アースカー(earth car)
初期費用:
0円
月額料金:
無料
利用料金:
1000円
特徴:
カーシェアをもっと身近に

アースカーは外為オンライン等を手がけるISグループが展開しているカーシェアリングです。タイムズ等のカーシェアと異なり、会社の社用車や中古車販売車の在庫車両等の使用しない期間がある自動車をカーシェアで利用するという特徴を持っています。

料金も車・場所等によって細かく異なる特徴があります。公式HPでは利用料金は1000円~とされていますが、場所によっては6時間の利用で400円の車両や8時間で500円の車両も存在します。以下ではサービスの概要から、他社のカーシェアリングと比較した際のメリット・デメリット等を解説していきます。

入会申込・利用方法

入会申込は公式HPでメールアドレスから住所・氏名・クレジットカード情報・免許証等を入力して、登録完了メールが来たら会員登録が完了します。会員登録は当日か翌営業日には完了しますが、当日すぐに利用したい場合には問い合わせ窓口に電話することが推奨されています。

アースカーの入会の流れ・手順(出典:アースカー公式HP)

自動車の予約も公式HPで現在地か利用を開始したい場所の地図を表示させて、その近辺にあるカーシェア・ステーションから希望に合うものを選択します。予約時間に予約が埋まっていないことや料金を確認して「予約する」ボタンを押せば予約完了です。

予約の際には免責補償制度の有無が選択できます。免責補償制度は事故を起こした時にドライバーが負担する事故負担金が免除される制度です。事故を起こすと自動車保険(利用料金に含まれている)が適用されますが、それとは別に自動車の修理費がドライバーに請求されます。これをアースカーでは事故負担金や免責額としています。

利用する自動車によって事故時の免責額は異なり、1~2万円のこともあれば30万円になることもあります。アースカーは外車・スポーツカーもシェアできるため、高級車になると10万円を超えることも多いです。免責補償制度をアリにすると事故負担金は免除されますが、免責補償料を支払う必要があります。免責補償料は110円からで最高11000円になります。

アースカーの免責補償クラス毎の免責補償料一覧(出典:アースカー公式HP)

実際の利用に際してはアースカーの専用アプリ「キーアプリ」が欠かせません。乗車前にアプリの指示に従って車両チェックをして、アプリのBluetoothを通じてドアロックを開錠するからです。ドアロック開錠後は車内のキーボックスから鍵を取り出して運転が開始できます。利用中のドアロックはアプリではなく鍵で行うため、次にアプリで施錠するのは返却時となります。

ガソリンが半分以下になったら給油する決まりですが、車内にある給油カードで支払うため自腹を切る必要はありません。正確には給油代は月額料金・利用料金に含まれているということです。給油はENEOS・コスモ・昭和シェル等で可能で、給油したレシートを保存・提出することも不要です。

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車種・クラス

アースカーの車種が何種類あるか正確な数字は不明ですが、「全国のカーシェアリング事例一覧2020(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)」によると、アースカーの車両台数は175台ですから、車種が重複しても数十~100種程度はある可能性が高いでしょう。

具体的な車種は多岐に渡ります。ダイハツのタントやスズキのスペーシアのような気軽に乗れる軽自動車から、家族連れに最適なトヨタのエスクァイアのようなミニバンまであります。外車・スポーツカーも豊富で、ベンツ・VWを始め国産なら日産GTRやマツダのロードスターもあります。

アースカーの人気車種・車両(出典:アースカー公式HP)

さらに車両価格が2200万円のホンダの最高級スポーツカー「NSX(NC1型))」のカーシェアも2020年7月から開始しました。もちろん同車がカーシェアされるのは日本初で、そう簡単に試乗することすら難しい車に乗れるのは人によっては大きなメリットでしょう。

ホンダの最高級スポーツカー「NSX(NC1型))」(出典:アースカー公式HP)

ただ、申し込めば簡単にNSXに乗れるわけではありません。この車に限っては招待制カーシェアリングとなっており、アースカーの登録後に招待申し込みをコールセンターに行う必要があります。さらに初回のみ車両スタッフによるレクチャーを千葉県浦安で受ける必要があり、簡単な技能テストで運転技術の確認後に招待されるか否かが決まります。

料金も24時間利用で7.7万円(+距離料金が10kmあたり400円)と一般的なカーシェアの利用料金とは一線を画す高さです。免責額も30万円と最高額のため、免責補償料の1万円は支払っておいた方が賢明でしょう。さらにNOC(ノンオペレーティングチャージ)が自走可なら10万円、自走不可なら25万円が発生します。NOCは軽い故障や混油・汚損・破損で利用者が支払うペナルティ料金です。

一般的な感覚だと費用面でのハードルは高めですし、手間も相応にかかり面倒な感があります。ただ、スポーツカーが好きな人にとっては実際に乗れる数少ないチャンスですから、むしろハードルは低いともいえるかもしれません。

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料金を他社と比較

アースカーの料金は利用料金と距離料金と免責補償料で構成され、入会時の初期費用や月会費は不要です。利用料金・距離料金・免責補償料は利用する車種によって異なり、他社のカーシェアのようにベーシック・ミドル・ハイクラスと分かれていません。車種と場所によって料金はバラバラです。

利用料金は6時間で400円のこともあれば、逆に6時間で4000円のこともあります。距離料金も10kmまでは無料ですが、それ以降は車種によってばらつきがあります。10kmあたり150円のこともあれば、10kmあたり350円のこともあります。前述したように免責補償料も110~11000円まで幅があります。

つまり6時間の利用で510円(+距離料金15円/km)で済むこともあれば14000円(+距離料金35円/km)になる可能性もあるということです。さらに車種ほどではないものの、時間帯によっても料金に差があります。自分の近くのステーションを確認して個々に高いか安いかを考える必要がありそうです。

それでは他社のカーシェアと比較した場合はどうなのでしょうか。日本のカーシェアはステーション数・会員数(詳細は後述)ではタイムズ・オリックス・カレコがトップ3で、これらと差があるもののカリテコが4番手です。さらにドコモのdカーシェアはオリックス・カレコ・カリテコを各社と契約せずに利用できます。この主要5社とアースカーを初期費用・月額料金・利用料金を比較したのが下図です。

タイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ・dカーシェア・アースカーの初期費用・月額料金・利用料金・パック料金・距離料金の比較表(出典:各社の公式HPの数字から当社が独自に作成)

アースカーは初期費用・月会費は無料のため、月会費が必要なタイムズよりも有利です。ただ、初期費用・月会費が無いカレコ・カリテコ・dカーシェア・オリックス(キャンペーン中は初期費用無料)とは同条件です。利用料金はカリテコの15分あたり187円と、6時間パックで距離料金のない3740円が安いです。それに対してアースカーは車種によっては6時間で510円(+15円/km)ですから、走行距離次第ではアースカーの方が安くなります。

例えば、カリテコなら6時間利用で何km走っても3740円ですが、アースカーなら走行距離が50kmなら510円に距離料金の750円を合算した1260円となります。200km走っても合算して3510円のためカリテコより安いです。そのため車種次第では利用料金が最安値になる可能性がアースカーにはあります。

ステーション数

「全国のカーシェアリング事例一覧2020(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)」によると、アースカーの車両ステーション数は135ヶ所です。前年の2019年は144ヶ所、前々年の2018年は226ヶ所でしたから少しずつ減少しています。それに対して大手のタイムズ・オリックス・カレコは数百~千ヶ所ずつ毎年増加しています。規模で劣るカリテコも数十ヶ所ほど増加しているため、アースカーが縮小傾向にあるのは間違いなさそうです。

タイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ・dカーシェア・アースカーの車両ステーション数一覧(出典:全国のカーシェアリング事例一覧2020 公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)

他社の車両ステーション数を見るとタイムズのステーション数が圧倒的に多く、次いでカレコ・オリックスという状態です。自宅の近くに車両ステーションがあるか否かという点では、タイムズに圧倒的な優位性があります。

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メリット

アースカーのメリットは、まずは入会当日の利用も可能という点が挙げられます。タイムズ・オリックスなどは入会当日に利用するには店舗に行く等の手間が必要になります。その点、アースカーは電話1本を挟むとはいえ自宅にいながら当日利用まで手続きを進められます。

料金面では初期費用・月会費が無料なのに加えて、車種によっては6時間の利用で510円(+15円/km)と格安の料金で利用できる点が最大のメリットです。距離料金が発生するのがネックではありますが、前述の通り100キロ走ってもアースカーの方が安くなります。

さらに運転中に駐車場を使う場合には「特P」という駐車場シェアサービスを利用できます。特Pはアースカーが運営する駐車場シェアサービスのため、アースカーと同じ会員IDで利用できます。コインパーキングではなく月極駐車場で空いている場所や店舗の駐車スペースにも停められるため、人気の観光地や野外イベントで駐車場探しに一役買ってくれるはずです。

特Pのメリットと使い方(出典:特P公式HP)

また、車種に外車・スポーツカーなどが含まれている点もメリットといえます。タイムズには外車は1車種で、オリックスも多くはありません。外車・スポーツカーに乗ってみたい人にはメリットといえるでしょう。

デメリット

アースカーの最大のデメリットは車両ステーションが近くにあるか?という点です。ステーション数が年々減少しており、今は自宅の近くにあるステーションも無くなる可能性があります。さらにステーションによって配備されている車両が異なり、必ずしも安い車種とは限りません。逆に乗りたい外車が自宅から数駅も遠い場所だけにあるという可能性もあります。

さらに会員数は車両ステーションが少ないわりには13万人もいます。いざという時に借りられず、最寄には他のステーションが無いという可能性もあります。車両ステーションが多い大手なら別のステーションが空いている可能性がありますが、アースカーだと場所によっては難しいでしょう。

また、利用料金は車種によって変動する上に、免責補償料も変動して負担する点もデメリットです。そもそも他社のカーシェアでは免責補償料という概念すらなく、利用料金ないしは月会費に全て含まれています。故障・汚損・破損で利用者が支払うNOC(ノンオペレーティングチャージ)は他社にもありますが、車種によって他社よりも高額になる点も気がかりです。

ちなみに外車に乗れる点をメリットに挙げましたが、この点ではカレコも負けていません。ベンツ・ジープ・ジャガー・ボルボ・ランドローバーといった外車に加えて、トヨタのハチロク・ホンダS660・マツダのロードスターといったスポーツカーにも乗れます。

カレコカーシェアの外国車・スポーツカーがあるプレミアムクラスとプレミアムプラスクラスの車種・車両ラインナップ(出典:カレコ カーシェアリング公式HP)

評判・会員数

アースカーは2011年3月からカーシェアを開始しましたが、会員数は2018年の2.8万人から2019年に3.1万人に増加し、2020年に13万人に一気に増加しています。評判が悪ければ会員数は減るか横ばいになるため、その意味で評判は悪くないといえます。

最大手のタイムズの会員数は2018年が96.5万人、2019年賀と比較すると117万人、2020年が137万人と20万人ペースで増加しています。それに匹敵する2020年の急増は何らかのプロモーションや他社とのコラボレーションがあった可能性が高いのですが、正確な理由は不明です。

会員数以外の側面から考えると、大手3社よりも評判がイマイチな可能性があります。オリコンのカーシェア満足度2020では調査対象に入っているにも関わらず、大手3社よりも顧客満足度は低い順位です。オリコンの調査は1058人を対象にしているため、数人・数十人の口コミよりも信頼が置けます。

総合評価(おすすめか?)

自宅の近くに非常に安い車両がある人・外車に乗りたい人にはおすすめできそうですが、それ以外の人には微妙といえそうです。一部の安い車両以外は平凡な価格で、さらに免責補償料という負担も発生するからです。タイムズ・カレコ・オリックス等で予約が取れない時のために、予備で登録しておくぐらいの使い方ぐらいしかありません。

やはりステーション数等を総合的に考えれば、タイムズの方がおすすめです。また、安さならカリテコとカレコ、6ヶ月間で6万円分(毎月なら1万円程度)は乗るようならオリックスも安いのでおすすめです。