CaFoRe(カフォレ)を他社と比較・評価

CaFoRe(カフォレ)
オススメ度:
2
事業者:
trunk
名称:
CaFoRe(カフォレ)
初期費用:
0円
月額料金:
無料
利用料金:
車両による
特徴:
みんなのカーシェアリング

CaFoRe(カフォレ)は2015年に設立したIT企業のtrunkが運営しているカーシェアリングです。運営会社は2015年設立ですが、運営会社が交代しているだけでカフォレ自体は2011年には開始しています。既に登録している車両数は1700を越えており、大手ほどのスピードではないものの拡大中のサービスなのは間違いありません。

個人間カーシェアのため料金はオーナー次第となり、車・地域等によって細かく異なります。ただ、カフォレの場合はオークションのような落札形式のため、オーナーさえ良ければ5000円の車を4000円で借りることも可能です。以下ではサービスの概要から、他社のカーシェアリングと比較した際のメリット・デメリット等を解説していきます。

入会申込・利用方法

まずは入会申込(会員登録)のために公式サイトから希望のID・メールアドレス・パスワードを入力します。返信されてきたメールのURLから住所・氏名・免許証画像などの必要事項を入力・アップロードして、スマホのSMS認証で本人確認を行った後に本登録メールが来て入会完了となります。

利用可能な自動車の検索は公式サイトにログインして行います。通常であれば自分の希望条件で検索して希望に合致する車両が無い、または既に希望する車両に別の借り手がいれば借りられません。しかし、カフォレの場合はリクエストを通じて借りられる可能性があります。

リクエストは希望日時や料金や車両タイプを記入して「リクエストをする」ボタンを押して、リクエスト掲載期間が過ぎるまで待てばOKです。もしも提示した条件に合う貸し手がいればリスポンス出品が現れます。例えば利用料金を5000円で検索して貸し手がいなくても、貸し手の中には4000円でもいい人がいるといった具合です。希望に合致すれば落札して落札代金の5%が仮課金されます。

Cafore(カフォレ)の会員登録から借りて終了するまでのステップ・フロー・手順(出典:CaFoRe公式HP)

落札後はカフォレから貸し手の連絡先が確認できるURLが記載されたメールが来て、それを通じて車の受け渡し場所や時間などを調整します。特に問題なく利用した後は感想などをレビューに記入し、残りの落札代金の決済が行われます。

ちなみに借り手は有効期間1ヶ月のドライバー保険(2680円)に加入する必要があります。この保険に加入することで事故等で補償が受けられます。有効期限が1ヶ月のため、1ヶ月内に何度乗っても保険料の支払は1回限りで済みますが、1ヶ月を過ぎれば再び保険料を支払う必要があります。また、一般的なカーシェアと異なり給油代は借り手が負担します。

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車種・クラス

カフォレの登録台数は1700台超ですが、重複している車種もあるため正確な車種数は不明です。ただ、生産終了した車も登録されているため、一般的なカーシェア(30~50種)より車種数は多いはずです。登録されている自動車メーカーを見ても、国内メーカーの他にアウディ・ベンツ・BMW・ジャガー・フィアット等々の海外メーカーの車があります。

あまり聞き慣れない海外メーカーではダッジやポンティアックなどがあります。ダッジはアメリカの自動車メーカー(現在はフィアットの社内カンパニー)で、日本での展開は2011年のナイトロの販売を最後に撤退しています。十字のフロントグリルが特徴的で、羊のマークのピックアップトラックの「ラム」は現在は独立ブランドとなりましたが、今でもアメリカで根強い人気があります。

ポンティアックは2010年までGMが展開していたブランドの1つです。日本では海外映画で登場したり、海外ドラマの「ナイトライダー」でAIを搭載したトランザムが登場して人気を博しました。1980年代の同ドラマを知っている30~40代の男性なら子供の頃に憧れた車に乗ることができます。

ナイトライダー(knight raider)

また、その他のカテゴリの中には大型バイク・キャンピングカー・トラック(いすゞのエルフ)・マイクロバス等々があります。さらに東南アジアで人・荷物を運ぶ車として知られるトゥクトゥク、トヨタの1人乗りEVコムス、・クレーン車(日野デュトロのクレーン付き)といった変わりダネまであります。

その一方で検索項目にはあるものの、1台も登録されていないメーカーもあります。例えばドンカーブート・トミーカイラ・ゼロスポーツ・BMWアルピナ・ローバー・モーガン・TVR・ロータス・デイムラー・MG・ランチア・サーブ・サターン・マーキュリー・ビュイック・ヒュンダイが挙げられます。かつての登録車両の名残でしょうが、意外と入れ替わりがある点は注意しておいた方が良いかもしれません。

何にせよ車種が豊富で高級車も相応にあるのは間違いありません。そのため高級車を買う前に試乗ではなく1日ゆっくりと乗って決定するのにも約に立つかもしれません。

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料金を他社と比較

カフォレの料金は車種・地域によってオーナーが独自に決めています。オーナーによっては丸1日(24時間)利用して500円だったり、1週間の利用なら4000円という破格の料金を設定しています。もちろん安い車は多少の経年劣化がありますが、とりあえず足として利用する人には最適です。その一方で高級車なら1日の利用料金が3~4万円のこともあります。

カフォレの場合はオーナーの利用料金とは別に自動車保険料が必要になります。契約期間は1ヶ月のため1ヶ月の間に複数回乗っても保険料の支払いは1回だけですし、乗らない月があれば保険料を支払う必要はありません。ただ、数ヶ月に1回だけ利用する人にとっては、一般的な感覚として利用する度に2680円の保険料が発生するのは負担に感じるかもしれません。また、利用者が給油代を支払うため燃費・走行距離によっては高くつく可能性はあります。

それでは他社のカーシェアと比較した場合はどうなのでしょうか。日本のカーシェアはステーション数・会員数(詳細は後述)ではタイムズ・オリックス・カレコがトップ3で、これらと差があるもののカリテコが4番手です。さらにドコモのdカーシェアはオリックス・カレコ・カリテコを各社と契約せずに利用できます。この主要5社とカフォレを初期費用・月額料金・利用料金を比較したのが下図です。

タイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ・dカーシェア・アースカー・エニカ・カフォレの初期費用・月額料金・利用料金・パック料金・距離料金の比較表(出典:各社の公式HPの数字から当社が独自に作成)

カフォレは初期費用・月会費は無料のため、月会費が必要なタイムズよりも有利です。ただ、初期費用・月会費が無いのはカレコ・カリテコ・dカーシェア・オリックス(キャンペーン中は初期費用無料)と同じです。大手の中では利用料金はカリテコの15分187円が安く、6時間以内の利用なら距離料金も発生しません。

それに対してカフォレは24時間で500円の車種なら他社より圧倒的に安いのですが、給油代が自腹のため短時間利用だとカリテコやタイムズの方が安い可能性があります。その逆にタイムズ等で距離料金が発生する6時間以上の利用だとカフォレの方が車種次第では安くなります。

また、同じ個人間カーシェアのanycaやアースカーと比較すると、24時間500円の車種は両者にはないためカフォレの方が安くなる可能性があります。ただ、短時間利用だとアースカーの6時間で510円(+15円/km)ですから、大した差にはならないともいえます。

ステーション数

カフォレのステーション数(登録車両数)は2020年時点で1740台前後で、同じ個人間カーシェアのアースカーの135ヶ所よりも多いです。ただ、DeNAが運営するanycaは公式サイトによると2019年時点で7000台以上で、数では圧倒的に劣ります。

さらに「全国のカーシェアリング事例一覧2020(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)」によるとタイムズのカーステーションは12969ヶ所、dカーシェアが4789ヶ所には及びません。次に都道府県別に見た数字ではどうでしょうか、下図の主要都市にあるステーション数の比較図を見てください。

タイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ・dカーシェア・アースカー・エニカ・カフォレの車両ステーションの合計及び東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・愛知の各県にある車両ステーション数(出典:各社の公式HPの数字から当社が独自に作成)

カフォレの登録車両が最も多いのは東京都の552ヶ所で、次いで神奈川・千葉・大阪・愛知が100ヶ所以上となっています。いずれもタイムズ・anyca・dカーシェアよりも少ないのですが、千葉に関してはdカーシェアと20ヶ所の違いしかありません。そのため千葉在住であればカフォレは1つの選択肢になるかもしれません。

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メリット

カフォレのメリットは、まずは入会当日の利用も可能という点が挙げられます。とはいえタイムズ等と異なり、あくまでオーナーが当日利用でOKが出ないと利用できません。そのため思いつきでドライブをしたくなった場合に入会日に利用できるかは運次第となります。前述したように車種が豊富な点もメリットで、様々な外車や日本を撤退したメーカーの自動車も乗ることが可能です。

一方で車種にはこだわりが無い人でも料金面ではメリットがあります。短時間であれば他社の方が安い可能性もありますが、車種によっては24時間で500円のため他社よりも格段に安くなります。給油代がネックとはなりますが、仮に東京・箱根間を往復して200キロを走行しても普通の乗用車なら給油代は3000円程度です。タイムズ等で24時間借りると約8000円のため、料金面のメリットは確実にカフォレにはあります。

さらにリクエストを通じたオークション形式のため、確実に他社よりも安くすることが可能です。車オーナーへのリクエストでタイムズ等よりも安い料金でリクエストして、それに対するリスポンスがあれば確実に安い料金で利用が可能です。同じ個人間カーシェアのanycaやアースカーと比較して安い料金をリクエストしておくという使い方もできるでしょう。

デメリット

カフォレの最大のデメリットはステーション(オーナー)数が少ない点が挙げられます。東京都の552ヶ所は決して少ない数ではありませんが、それでも他社には見劣りする数字です。さらに東京以外となると100ヶ所を超える程度のため、自宅の近くで借りられない可能性があります。自分の希望する条件と合致する車両が県内で見つからないことも多いでしょう。

さらに利用料金が安いとはいえ給油代(他社では距離料金に該当)が発生します。他社の多くは6時間以内の距離料金は無料で、24時間500円といった一部の激安の車両を除いては数時間の利用だと給油代の分だけカフォレの方が高くなります。さらにドライバー保険が1ヶ月毎に発生し、数ヶ月に1回の利用だと保険料が大きな重石となります。

Cafore(カフォレ)のドライバー保険の有効期間・有効期限と保険料(出典:CaFoRe公式HP)

また、個人間での貸し借りをベースとしているため、トラブルが発生する可能性も否定はできません。利用時間の延長はオーナー次第で、事故時にオーナーとの補償範囲の確認が曖昧だと利用者が過度な補償を強いられる可能性もあります。何らかのトラブルが発生した場合にカフォレは関与せず、当事者間で解決しなければならないのもデメリットといえるでしょう。

ちなみに外車に乗れる点をメリットに挙げましたが、この点ではanycaカレコも負けていません。anycaはクラシックカーが豊富で、車好きのための会員向けイベントも随時実施されています。カレコはカーシェアでありながらベンツ・ジープ・ジャガー・ボルボ・ランドローバーといった外車に加えて、トヨタのハチロク・ホンダS660・マツダのロードスターといったスポーツカーにも乗れます。

カレコカーシェアの外国車・スポーツカーがあるプレミアムクラスとプレミアムプラスクラスの車種・車両ラインナップ(出典:カレコ カーシェアリング公式HP)

評判・会員数

カフォレの会員数は明らかではないため、他社のように会員数で評判を推し量ることはできません。ただ、登録車両数が2016年の約1200台から、2017年に約1400台、2020年に約1700台まで増加しているため、その意味では評判は悪くないといえます。

ただ、同じ個人間カーシェアのanycaは同じ登録車両数で2017年に約2250台から、2018年に6000台、2020年に7000台以上にまで伸ばしています。利用者が増加すれば登録車両も増加するはずです。そのためanycaと比較すると利用者は伸び悩んでおり、評判はイマイチという可能性があります。

登録車両数以外の側面から考えると、大手3社よりも評判がイマイチな可能性があります。オリコンのカーシェア満足度2020ではカフォレは調査対象に入っているにも関わらず、大手3社よりも顧客満足度は低い順位です。オリコンの調査は1058人を対象にしているため、数人・数十人の口コミよりも信頼が置けます。

オリコンのカーシェアリングランキング(出典:オリコン カーシェアリング 顧客満足度調査2020)

個別の評価項目ごとのランキングでもカフォレが顔を出すことはありません。最安で24時間500円という利用料金を考えるとコスパ面ぐらいでは上位に来ても不思議はありませんが、コスパではオリックス・タイムズ・カレコが上位です。コストに対してパフォーマンスが悪いということでしょうか。。。何にせよ大規模調査で考えても大手3社よりはカフォレの方が評判が悪い可能性がありそうです。

総合評価(おすすめか?)

自宅の近くに非常に安い車がある人・特定の車両に乗りたい人にはおすすめできそうですが、それ以外の人にはイマイチです。自宅の近くに安い車がある人でも2~3ヶ月に1回だけ乗るようなら、保険料の分だけ他社の方が安くなる点に注意が必要です。

その他の人はやはりステーション数等を総合的に考えればタイムズの方がおすすめです。また、安さならカリテコとカレコ、6ヶ月間で6万円分(毎月なら1万円程度)は乗るようならオリックスも安いのでおすすめです。