dカーシェアを他社と比較・評価

dカーシェア(dカーシェア)
オススメ度:
3
事業者:
ドコモ
名称:
dカーシェア
初期費用:
0円
月額料金:
無料
利用料金:
220円※15分
特徴:
スマホひとつでカンタン予約!

dカーシェアはドコモが展開しているカーシェアリングです。dマガジンやdアニメストアのカーシェア版で、ドコモユーザー以外でも利用が可能です。auは現状はカーシェアにはノータッチで、ソフトバンクはオリックスのカーシェアと提携しています。

dカーシェアの最大の特徴はオリックス・カレコ・カリテコの3社が利用でき、さらにドコモが運営するマイカーシェアも利用できる点です。カーシェアの台数・ステーション数ではタイムズに次ぐ規模となります。以下ではサービスの概要から、他社のカーシェアリングと比較した際のメリット・デメリット等を解説していきます。

入会申込・利用方法

dカーシェアの入会は氏名等を登録したdアカウントと免許証画像で簡単に完了します。dアカウントはドコモユーザーなら保有しているでしょうし、他のキャリアのユーザーでも空メールやSNSアカウント等を通じてdアカウントは取得できます。会員登録が完了するとすぐに予約・カーシェアの利用が可能です。

他のカーシェアに加入済みの人がdカーシェアに加入する場合の手続き(出典:dカーシェア公式HP)

誰でも入会できますが、既にオリックスカーシェアの会員の人は注意する必要があります。新たにdカーシェアを通じてオリックスカーシェアを利用する場合は、1度オリックスカーシェアを退会する必要があるからです。オリックスカーシェアの会員のままなら、カレコとカリテコだけ利用することになります。

自動車の予約はdカーシェアのサイトかアプリから可能です。アプリだと利用日時と現在地(または希望エリア)を入力すると、カレコ・オリックス・カリテコの車両ステーションが表示されます。各々のステーションをタップすると利用可能な車両が表示され予約できます。スマホで自動車の解錠・施錠が可能で、利用料金の決済もドコモ払い(電話料金と合算)またはクレジットカードのため、スマホだけで入会・利用・決済の全てを完結できます。

ちなみに個人間カーシェア(マイカーシェア)の場合はアプリから自動車の予約をするのは同じですが、その後の流れは大きく異なります。チャットを通じて自動車のオーナーとの予約状況・利用条件を確認して、1日自動車保険に加入後にオーナーと自動車を直接受け渡しすることになります。

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車種・クラス

dカーシェアの車種はオリックス・カレコ・カリテコの車種とイコールですが、マイカーシェアは200種以上あるため車種は200種以上ともいえます。オリックス・カレコ・カリテコの車種でいうと、カレコの車種が豊富なためdカーシェアでも同じメリットが享受できます。

カレコにはベーシック・ミドル・プレミアム・プレミアムプラスの4つのクラスがあり、ベーシッククラスにはコンパクトカー、ミドルクラスにはセダン・ミニバン・SUVなどがあります。特徴的なのはプレミアムとプレミアムプラスに含まれる車種です。

プレミアムにはベンツ・ジープ・ジャガー・ボルボといった外車の他に、トヨタのハチロク・ホンダS660・マツダのロードスターといったスポーツカーも含まれます。さらにトヨタのハイラックス(アメリカでは主流のピックアップトラック)といった変わりダネもあります。

トヨタ自動車のハイラックス(hilux)の外観(出典:カレコ公式HP)

プレミアムプラスになると、ジャガーのXFとF-TYPE、ランドローバーのレンジローバーとディスカバリー、さらにボルボのXC90が追加されます。ジャガーのXFにはサーフボードを載せるサーフキャリアが付いた車と、自転車を載せるサイクルキャリアが付いた車があります。この車を使えば海へ山へと高級車で出かけることができます。

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料金を他社と比較

dカーシェアは初期費用・月額料金は不要ですが、利用料金はオリックス・カレコ・カリテコ・マイカーシェアのどれを使うかで異なります。オーナーが料金を決めるマイカーシェアはさておき、オリックス・カレコ・カリテコの料金はdカーシェアを通すと高くなるのでしょうか。

オリックスカーシェアは月額料金ありプランだと210円/15分、月額無料プランだと310円/15分です。それに対してdカーシェアでオリックスを使うと230円/15分で、6時間以内の利用は距離料金も発生しません。そのためdカーシェアの方がオリックスの月額無料プランよりは安いことになります。

dカーシェアとオリックスカーシェアの料金の比較(出典:dカーシェア公式HP及びオリックスカーシェア公式HP)

カレコは月額料金ありプランだと140円/10分、月額無料プランだと170円/10分です。それに対してdカーシェアでカレコを使うと170円/10分のため、カレコの月額無料プランと同額です。カレコは6時間以内の利用は距離料金が発生しないため、dカーシェアなら月額無料プランと同条件で利用できることになります。カリテコも同様に月額無料プランと同額です。

つまり各社で月額無料プランに加入せずdカーシェアを利用しても特に損はしないのです。利用回数が半年か年1回程度なら、各社の月額無料プランではなくdカーシェアでも支障はないといえます。6時間パック等の長時間パックでも料金の傾向は同じですから、半年に1回の長時間パックを軸に検討している人も同様のスタンスで良いでしょう。

それでは最大手のタイムズカーシェアと比較した場合はどうなのでしょうか。タイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ等を含めた5社の料金を下図で比較してみました。

タイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ・dカーシェアの初期費用・月額料金・利用料金・パック料金・距離料金の比較表(出典:各社の公式HPの数字から当社が独自に作成)

dカーシェアは初期費用・月会費は無料のため、月会費のあるタイムズよりも有利です。ただ、利用料金はdカーシェアでオリックス・カレコを使うとタイムズの220円よりも高くなります。カリテコならタイムズよりも安くなりますが、カリテコは愛知県が地盤で他の地域は車両ステーションが極少数です。パック料金も同様にタイムズの方が安くなります。

ただ、タイムズは月額料金880円が利用料金に充当できるため、220円/15分で毎月60分以上の利用をしないと月額料金が無駄になります。dカーシェアとタイムズとの差額は15分あたり10円で、パック料金でも数十円か数百円の差でしかありません。そのため毎月の利用時間が60分未満か数ヶ月に1回しか利用しないなら、月会費を加味してもdカーシェアの方が得いえます。

ステーション数

dカーシェアはオリックス・カレコ・カリテコの車両ステーションを利用するため、3社の合計がdカーシェアのステーション数となります。「全国のカーシェアリング事例一覧2020(公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団)」によるとオリックスは2016ヶ所、カレコが2408ヶ所、カリテコが365ヶ所のため計4789ヶ所がステーション数となります。

オリックス・カレコの車両ステーションは数百ヶ所ずつ毎年増加しており、カリテコは数十ヶ所ほど毎年増加しています。この3社が拡大路線を継続する限りは、dカーシェアのステーション数も順調に増加するでしょう。ただ、タイムズと比較すると規模で劣る感は否めません。

タイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ・dカーシェアの車両ステーションの合計及び東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・愛知の各県にある車両ステーション数(出典:各社の公式HPの数字から当社が独自に作成)

dカーシェアで3社を合算しても4789ヶ所ですが、タイムズは1社で3倍近い12969ヶ所の車両ステーションを持っています。ただ、東京都内に限ってはステーション数はdカーシェアが2979ヶ所に対して、タイムズは3680ヶ所のため決して大差ではありません。さらにカリテコの地盤である愛知県でも、dカーシェアが423ヶ所に対してタイムズが591ヶ所となります。

とはいえ神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫といった他の地域では、圧倒的にタイムズがステーション数では上回ります。絶対数はタイムズの方が多いため他の地方でもタイムズの方が多いのは間違いないでしょう。そのため自宅の近くに車両ステーションがあるか否かという点では、タイムズに圧倒的な優位性があります。

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メリット

dカーシェアのメリットは、まずは入会日に利用開始できる点が挙げられます。タイムズ・オリックスなどは店舗等に行かないと即日利用ができません。ふとドライブに行きたくなったり、自動車が急遽必要になった場合も使えます。

料金面では初期費用・月会費が無料なのに加えて、オリックス・カレコの月額無料プランより安いか同額で利用できる点もメリットです。オリックスに至ってはdカーシェアなら6時間以内の利用なら距離料金が無料となります。数ヶ月に1回だけ利用する人で、利用時間が6時間以内ならdカーシェアの方がオリックスの月額無料プランより得です。

さらにカーシェアを利用すると100円ごとにdポイントが1ポイント貯まります。カーシェア事業者のポイントだと使い道はカーシェア関連のみですが、dポイントの利用用途は多様です。会員登録と実際の利用で計600ポイントがもらえるキャンペーンもやっています。

dカーシェアの入会キャンペーン(出典:dカーシェア公式サイト)

車種の面でもカレコの豊富な車種が利用できるメリットの他に、オリックス・カレコは全車種にジュニアシートがあり一部車両にはチャイルドシートが配備されています。タイムズもジュニアシート・チャイルドシートについては同様ですが、カレコの車両は三井のリハウスの店舗でチャイルドシートの貸付をしています。カレコでチャイルドシートのある車両は54台だけですが、それを補うことができます。

また、車両ステーション数はタイムズには及びませんが、3社の合計のため各社単体よりは確実に多いです。自宅の近くにオリックスとカレコの両方の車両ステーションがある人で、たまに片方の車両の予約が取れないような人にもメリットがありそうです。

デメリット

dカーシェアのデメリットは、ほぼ毎月利用する人だと料金は高い点です。そもそも利用料金はタイムズよりも高く、オリックス・カレコの月額料金ありプランよりも高いです。それもオリックスなら半年で3万円以上を使えば月額料金が免除され、6万円以上なら月額料金免除と3時間以内の距離料金無料になります。

入会キャンペーンもドコモは600ポイントですが、他のカーシェアなら2000~5000円分の特典があります。タイムズなら2か月分の月額料金の免除と、30~60分の無料チケットがプレゼントされます。オリックスなら2ヶ月分の月額料金の免除と、時間料金が2520円分がプレゼントされます。各社のカーシェアの方が入会時からお得さが違いますから、定期的に利用するのが確実な人はdカーシェアだと損をします。

車両ステーション数も東京都内ではタイムズに迫るものの700ヶ所の差があります。1つのステーションの予約が満車でも、他の近くのステーションなら予約が取れる可能性はタイムズの方が高いでしょう。

その他に給油(洗車)の特典が無い点もデメリットです。dカーシェアでも給油代は利用料金に含まれますが、給油時の割引特典がdカーシェアでは受け取れません。dポイントが貯まる点もメリットですが、カレコならTポイントが貯まるためポイントの利便性では負けていません。

dカーシェアでカレコの車両を給油した場合の取り扱い(出典:カレコ公式サイト)

ちなみに過去にマイカーシェアでは、勝手にオーナーの自動車を売却するという事件が起きています。現在は対策が講じられているため問題はありませんが、なにせマイカーシェアは比較的新しい仕組みです。今後も現状では考えられない問題が発生する可能性を考慮する必要があります。

評判・会員数

dカーシェアは2017年11月から開始しましたが、具体的な利用者数等は不明です。dアカウント数は2020年時点で7600万人(前年同月比で500万人増)を突破して堅調ですが、その全てがdカーシェアによるものとは考えられません。そのため他のカーシェアのように会員数から評判は推し量れません。

dポイントクラブ会員数の推移(出典:NTTドコモ 2020年度第一四半期決算説明会資料)

ちなみに最大手のタイムズの会員数は2018年が96.5万人、2019年が117万人、2020年が137万人と20万人ペースで増加しています。それに対してオリックス・カレコは数万人ペースで会員は増加しています。その一部をドコモが吸い上げていると考えれば、数千~数万人規模で利用者が増加している可能性はあります。

その一方で会員数以外の側面から考えると、大手3社よりもdカーシェアの評判がイマイチな可能性があります。オリコンのカーシェア顧客満足度2020では、1位タイムズで2位オリックスで3位カレコです。この調査対象にdカーシェアも入っていますが、大手3社よりも顧客満足度は低い順位です。オリコンの調査は1058人を対象にしているため、数人・数十人の口コミよりも信頼が置けます。

総合評価(おすすめか?)

半年か年1回程度で利用する人にはおすすめできそうです。半年か年1回なら利用料金の差よりは月額料金の負担の大きいからです。直近利用する予定があるが、それ以後の利用予定が未定の人も同様でしょう。また、カーシェアを試したい人にも最適で、オリックス・カレコ(+カリテコ)を試して自分に合うものを見つけられます。

その一方で、子供が生まれた・週末の子供の送迎・コロナ対策で車移動を増やしたい等々の理由で、定期的に利用する機会が見えているならタイムズ・オリックス・カレコを検討した方が賢明です。車両ステーションの多さならタイムズですし、6ヶ月で6万円以上は使うならオリックス、6時間以内の利用が主ならカレコかカリテコを検討すると良いでしょう。