おすすめのカーシェアはコレ!

自家用車より金銭的負担が軽く、レンタカーよりも手軽なのがカーシェアの良いところです。公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団の2020年3月の調査によると、車両ステーション数は19,119ヶ所、車両台数は40,290台、会員数は2,046,581 人と年々増加しています。

わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移グラフ(出典:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団 2020年3月調査)

ただ、カーシェアを展開している企業は最大手のタイムズカーシェアの他に幾つもあり、どれか1つを選ぶ必要があります。さらに料金体系も各社によって異なるため、良いと判断したものが自分のライフスタイル(自動車の利用頻度と利用時間)に合わず損する可能性もあります。以下では各社のカーシェアのメリット・デメリットに加えて、どういう人が向いているかを記述します。

カーシェア主要5社

日本のカーシェアは車両ステーション数・会員数では、タイムズのステーション数12,969ヶ所と会員数137万人が他社を圧倒しています。日本には19,119ヶ所のステーションがあるため、ステーションの68%がタイムズということになります。同様に204万人の会員のうち67%がタイムズの会員ということになります。

タイムズに次ぐ規模のカーシェアはオリックス・カレコで、少し差が開いてカリテコとなっています。さらにドコモのdカーシェアはタイムズ以外の3社を利用できます。カーシェアは自宅の近くに車両ステーションがないと利用しにくいため、規模から考えてタイムズ・オリックス・カレコ・カリテコ・dカーシェアが主要5社となります。

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タイムズカーシェア

タイムズの最大のメリットは圧倒的に多い車両ステーションです。どれだけ安くても自宅から遠ければ不便で、雨の日は利用するのに二の足を踏むかもしれません。また、1つのステーションの予約が一杯(もしくは希望する長さの予約が取れない)としても、別のステーションなら予約できる可能性もあります。

一方でデメリットは月額料金がある点と利用料金が高い点が大きいです。タイムズ以外の4社は月額無料プランがあるため、利用回数が月1回以下でも月額料金が無駄にはなりません。月1回は利用するにしても、その利用時間が1時間以下なら月額料金の元が取れません。さらに利用料金はタイムズは15分あたり220円ですが、オリックス・カレコは15分あたり210円です。6時間パックなどの長時間パックでもタイムズの方が数百円ほど高いです。

タイムズの利用料金(出典:タイムズ カーシェア公式HP)

タイムズに向いている人は毎月1時間以上は利用する人です。また、消極的な理由ですが、自宅の近くにタイムズしかない人もタイムズを選ぶしかないでしょう。その一方で、毎月の利用時間が24時間を越える人ならオリックスのゴールドステージに該当するためオリックスの方が安くなります。さらに毎月利用しない人もタイムズよりはカレコの方がお得となります。

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オリックスカーシェア

オリックスカーシェアの最大のメリットはプライムステージ制がある点です。半年で3万円の利用をすれば、ブロンズステージとなり月額料金840円が免除されます。毎月5千円のペースと考えれば月1回は6時間パックか12時間パックの利用で到達します。さらに半年で6万円(毎月1万円のペース)ならゴールドステージになり、月額料金の免除に加えて距離料金が3時間以内は無料となります。

オリックスカーシェアのプライムステージ別の料金表(出典:オリックス カーシェア公式HP)

デメリットはブロンズ・ゴールドステージに該当しなければ割高な料金になる点です。オリックスはゴールドステージにならなければ距離料金が発生しますが、タイムズ・カレコは6時間以内の利用なら距離料金は加算されません。また、オリックスの月額無料プランはカレコの月額無料プランより利用料金が高いです。

オリックスカーシェアに向いている人は、カーシェアを毎月1万円以上は利用するか、半年間トータルで6万円以上は使う人です。ゴールドステージになるため月額料金・利用料金・距離料金の面で恩恵を受けられるからです。その一方で数ヶ月に1回だけ使う人、小まめに使うが短時間・短距離の人(週末だけ駅まで送迎する人など)にはオリックスは向いていません。そういった人はカレコかdカーシェアの方が向いています。

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カレコ

カレコのメリットは利用料金が安く、6時間以内は距離料金が無料となる点です。月会費無料プランでも無条件で6時間以内の距離料金が無料となります。さらにベンツ等の外車から国産のスポーツカーまで、車種が豊富な点もメリットです。デートに外車を使いたい、ジープでキャンプに行きたい、1度だけスポーツカーに乗りたい人等々、様々な要求に応えられる車種があります。

カレコカーシェアの外国車・スポーツカーがあるプレミアムクラスとプレミアムプラスクラスの車種・車両ラインナップ(出典:カレコ カーシェアリング公式HP)

デメリットは半年間に6万円以上の利用(12時間パックで10回)をするようなら、オリックスよりも割高な料金になる点です。さらに6時間以上の利用だとカレコでも距離料金が加算されますが、月額無料プランの距離料金は他社よりも高めに設定されている点もデメリットです。また、入会キャンペーンが散発的なため入会時期を見誤ると思わぬ損をすることがあります。

カレコに向いている人は、まずは料金云々ではなく乗りたい車がある人です。タイムズやオリックスは外車・スポーツカーは1~2種類だけだからです。料金面では小まめに使うか数ヶ月に1回だけ使う人に向いていますが、利用額は半年間で6万円以下の人だけです。利用額が半年6万円以上の人にはカレコは向いていません。さらに半年か年1回だけ使う人はカレコだけではなくdカーシェアも検討した方がいいでしょう。

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カリテコ

カリテコのメリットは利用料金が主要5社の中で最安値で、距離料金も他社よりも5円/kmほど安い点です。6時間以内の利用は距離料金不要で、6時間以上になっても他社よりも距離料金が安いため利用時間・走行距離が長くなるほどにカリテコの方が得になります。さらに名鉄協商の駐車場が無料で利用できるメリットもあります。

デメリットは愛知県が地盤で、東京にあるステーションは14ヶ所だけで神奈川は1ヶ所だけという点です。同じ関東でも埼玉・千葉、関西の大阪・兵庫などには車両ステーションは1つもありません。また、愛知県内のステーション数はタイムズに迫る数とはいえ未だ300ヶ所ほど数で下回ります。

東京にあるカリテコの車両ステーション一覧(出典:カリテコ公式HP)

カリテコに向いている人は愛知県と東京の一部の地域に在住で安い料金を求めている人です。その一方で近くにステーションが無い人、半年か年1回だけ使う人はdカーシェアを検討した方がいいでしょう。

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dカーシェア

dカーシェアのメリットは、dカーシェアに登録するだけでオリックス・カレコ・カリテコが利用できる点です。それも登録後に即利用可能なため、急にドライブに行きたくなった日のうちに即実行が可能です。利用料金もカレコは月額無料プランと同額、オリックスは利用時間次第では月額無料プランよりも安くなります。カレコの豊富な車種を利用できるのもメリットです。

デメリットは毎月利用したり、数ヶ月に1回だけ長時間利用するなら料金は割高になる点です。こういった場合は各社の月額料金があるプランの方が得になります。また、入会特典がカーシェア各社よりも乏しい点、給油・洗車等による割引が受けられない点もデメリットです。

dカーシェアに向いている人は半年か年1回だけカーシェアを利用する人です。カレコ・オリックスの両方を使って比べたい人、今後の利用回数は分からないが数日後に利用予定がある人にも向いています。その一方で利用頻度が最低でも数ヶ月に1回はあるようならカレコ、利用頻度が多いならオリックスの方が得となります。

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自動車メーカー系

タイムズ等に遅れましたが、自動車メーカーもカーシェア事業に乗り出しています。その先駆けがホンダのエブリゴーで、次いで日産のeシェアモビ、トヨタシェアがカーシェア事業を始めました。その他の自動車メーカーだと、マツダはタイムズと組んでカーシェア事業(旧カーシェア24やタイムズプラス)を開始し現在のタイムズカーシェアの礎を築いたため、これから単独でカーシェア事業をするとは考えられません。

スズキのカーシェアは地域密着で大阪で7ヶ所だけで、まだ実験段階に近く利用する場面も限定的です。ダイハツは販売店で限定的に実施しており、スズキと同様に実験段階に近いです。三菱自動車は海外で既に進行中ですが、国内ではEVのi-MiEV専用のカーシェアリング(EVシェアリング)は横浜等で実験中です。そのため現実的な選択肢はホンダ・日産・トヨタの三択となります。

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ホンダ エブリゴー

エブリゴーの最大のメリットはCR-VとクラリティFUEL CELL以外の車両は15分200円で乗れる点です。コンパクトカーでもミニバンでも電気自動車Honda-eでも同額のため、料金を気にして車種を選ばずに済みます。さらに免許証で車を解錠するため専用ICカードなども不要です。

一方のデメリットは車両ステーションが少ない点です。自宅の近くにない可能性が高く、あったとしても車種が1種だけなら選択の余地はありません。複数の車種を選択できるとしても、5時間以上の長時間パックだと車種によっては他社よりも高くなります。さらにタイムズ等と異なり利用時間に関わらず距離料金が発生するため、走行距離次第では想定以上に料金が膨らむ可能性があります。

ホンダのエブリゴーの料金表(出典:ホンダ エブリゴー公式HP)

エブリゴーに向いている人は自宅の近くに車両ステーションがあり、かつ5時間以内の利用が軸で軽自動車以外のクラスに乗りたい人です。5時間以上になると長時間パックで他社よりも高くなる可能性があり、車種が同料金というメリットも消えるからです。またはホンダの燃料自動車・電気自動車に乗ってみたい人なら料金度外視で加入しても良いかもしれません。

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日産 eシェア

eシェアの最大のメリットは距離料金が何時間・何キロ走っても不要な点です。車種は3種だけですが、シリーズ式ハイブリッドの車(ノートとセレナ)か電気自動車(リーフ)だけだからです。どの車種でもプロパイロット機能などの最新機能も利用できます。さらに地味ですが、ETCカードが付属しているため自分で滅多に利用しないのにETCカードを発行する必要がありません。

一方のデメリットは月額料金が利用料金に充当されず純粋な出費となる点です。他社では毎月1回でも乗れば月額料金のモトが取れますが、eシェアモビだと月額料金のモトを取ることはできません。また、リーフだと充電が必要ですが、急速充電できる充電ステーション数に不安があります。車両ステーションも自動車メーカー系の中では最多とはいえ、それでもタイムズ等のステーション数とは比べ物になりません。

NOTE E-POWERの外観とラゲッジスペース(出典:日産eシェアモビ公式HP)

eシェアモビに向いている人は、まずは月額料金が無料でカーシェアを利用したい人です。特に数ヶ月おきに長時間パック(12時間パック以上)を使う人は、距離料金の分だけ他社よりも安くなるからです。シリーズ式ハイブリッド車や電気自動車に乗ってみたい人にも良いかもしれません。

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トヨタシェア

トヨタシェアの最大のメリットは、Casualクラスのコンパクトカーなら15分150円で他社と比較して最安な点です。この料金はタイムズの15分220円は元よりカリテコの15分140円よりも安いです。また、スマートフォンで予約から車の施錠・解錠まで可能で、ご丁寧に車内に充電ケーブルまで付属しています。

一方のデメリットは車両ステーションが少ない点です。自宅の近くに車両ステーションがあったとしても、そこにCasualクラスのコンパクトカーが無ければ安く利用できません。都道府県別の車両ステーション数で最も多い東京でも、車両ステーション数は30ヶ所前後です。

トヨタシェアでカーシェアするための3ステップ(出典:トヨタシェア公式HP)

トヨタシェアに向いている人は自宅の近くにCasualクラスのコンパクトカーが配備された車両ステーションがある人です。その他の人は基本的に車両ステーションが増加してから検討しても遅くないでしょう。他のカーシェアには無いトヨタ車に乗ってみたい人も料金度外視で良ければ加入しても良いかもしれません。

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個人間カーシェア

個人間カーシェア(マイカーシェア)は、企業を通じて個人と個人が車の貸し借りをするシェアリングサービスです。完全に個人と個人が車の貸し借りをすると様々なトラブルが起きた時に、個人間で対処する必要がありますが、企業を通すことで一定の担保が保たれます。

個人間カーシェアはdカーシェアのように完全に個人間の貸し借りをするものありますが、アースカーのように個人と企業の休眠している車両を結びつけるものもあります。休眠している車両とは、企業が抱える社用車や自動車修理工場の代車などが挙げられます。

アースカー

アースカーの最も大きいメリットは料金面の安さにあります。初期費用・月額無料なのに加えて、車種によっては6時間の利用で510円(+15円/km)と格安の料金で利用できます。距離料金が10km以上の走行だと発生しますが、それを加味してもタイムズ等のカーシェアよりも安いです。また、少なからず外車もあるため手軽に外車に乗ってみたい人にもメリットでしょう。

デメリットは車両ステーションが135ヶ所と少なく、場所にも偏りがある点です。車両ステーション数はタイムズの100分の1の規模で、見つけても自宅の近くにない人が大半でしょう。仮に自宅の近くにあったとしても、それが自分の希望する車種(とにかく安い車?家族向けの車両?外車?)とは限りません。料金面では車種に応じて最大1万円となる免責補償料がネックです。

アースカーの免責補償クラス毎の免責補償料一覧(出典:アースカー公式HP)

アースカーに向いている人は、自宅の近くに車両ステーションがある人で、それが自分の希望に合致する車両の人です。そうでない場合は、わざわざ電車で車を借りに行くのも馬鹿らしいため他のカーシェアを検討した方が賢明でしょう。

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エニカ(anyca)

アースカーの最も大きいメリットは料金面の安さもさることながら、他の個人間カーシェアと比較して登録車両数が7000以上と圧倒的に多い点です。様々な車に乗ることができ、自分の希望(低料金か車種を重視か?)に合った車が自宅近くに見つかる可能性も高まります。

テスラ モデル3の外観と運転席(出典:テスラ公式ホームページ)

デメリットは利用時間の延長などはオーナーと利用者が直接やりとりする必要がある点です。anycaは利用に際しては基本的にノータッチです。さらに利用日の24時間前にキャンセルするとキャンセル料が発生する点です。キャンセル料金も利用料金の25%分と決して安くはありません。タイムズなどであれば利用時間の1分前まで無料でキャンセルが可能です。

エニカに向いている人は、自宅の近くに自分の希望に合致する車両の人です。外車狙いでも激安車両狙いでも希望に合致しない車があっても仕方がありません。

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カフォレ(CaFoRe)

カフォレの最も大きいメリットは他の個人間カーシェアと比較しても激安の車両がある点です。関東圏でも24時間利用で500円、さらに1週間の利用だと4000円とする車両があります。給油代は利用者が負担しますが、車で1週間旅行に格安で行けます。さらにリクエストを活用すれば、他社よりも確実に安い車両を利用することも可能です。

デメリットは車両ステーションが約1700ヶ所と少なく、あったとしても自分の希望する車種(とにかく安い車?家族向けの車両?外車?)とは限りません。さらに利用料金は安いものの、1ヶ月ごとに発生する自動車保険の2680円も負担になります。

Cafore(カフォレ)のドライバー保険の有効期間・有効期限と保険料(出典:CaFoRe公式HP)

カフォレに向いている人は、自宅の近くに車両ステーションがある人で、それが自分の希望に合致する車両の人です。さらに保険料を考えると1ヶ月だけ自動車を頻繁に使う時があるようなら良いかもしれません。

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