医療保険と税金

医療保険で受け取る給付金に税金は発生するか?

医療保険(終身医療保険・定期医療保険)は、入院・通院・手術をすると入院給付金・通院給付金・手術給付金等が受け取れる保険だ。保険料を支払っていれば介護医療保険料控除で節税ができるが、それでは給付金には課税されるのだろうか? また、保険を契約しても入院・手術をせずに無事に生存していると受け取れる生存給付金(祝い金)は、課税の対象となるのだろうか?

結論からいえば、入院・通院・手術給付金を受け取っても非課税となる。ただし、その条件である「身体の傷害に基因して受ける給付金であり、受取人が被保険者・配偶者・直系血族ないしは生計を一にする親族である」は抑えておいた方がいい。この条件からすれば一般的な事例、例えば自分で契約・保険料の支払いをして入院給付金も自分が受け取る場合や、もしくは夫が契約したが通院給付金は妻・子供が受け取る場合などは税金の心配はない。

しかし、「身体の傷害を~」という条件があるため、生存給付金は課税の対象となる点には注意が必要だ。 その際には生存給付金の受取人によって課せられる税金も異なる。自分で契約して自分で生存給付金を受け取る場合には所得税の対象となり、受取人が自分以外なら贈与税の対象となる。どちらの税金が有利不利かは一概にはいえないが、贈与税は年間110万円以下なら発生しないため、生存給付金が数十万円であれば贈与税の方が有利な可能性が高い。

医療保険の入院・通院・手術給付金・生存給付金に課される税金(受取人・税金別)

以上をまとめると上図になるが、他方で「受取人が被保険者・配偶者~」という条件でも一応は注意しておく必要がある。例えば離婚協議中の夫婦で、夫が別の女性を受取人として医療保険を契約した場合、受取人は配偶者ではないため入院給付金などでも贈与税の対象となる可能性がある。はたまた未婚の男女、同姓カップルでも同様の懸念がある。とはいえ医療保険で受け取る金額が贈与税の対象となる金額まで到達するとは考えにくいが。。。

そう考えると、基本的には受取人は自分にしておくのが賢明だろう。生存給付金がある医療保険だと悩ましいが、夫婦円満なら受取人は夫婦のいずれかにして節税し、上述のようなケースに該当するようなら所得税による多少の税金には目を瞑り、受取人を自分にしておいた方が後顧の憂いを絶つことになりそうだ。それでも不安があるようなら、最寄の税理士に相談・確認するといいだろう。税理士主催の無料の相談会に赴いて確認すれば万全といえる。