酒税と税金

禁酒・休刊日・銘柄変更などで酒税を軽減・節税!?

酒税はたばこ税と同様に健康増進との名目の下に、酒の種類ごとに違いはあれど年々上昇している。酒税に大義名分があるかは別にして、飲酒者には困った問題で、今後も増税による値上げで財布を圧迫される。それでは、酒代上昇の最大要因である酒税を節税するには如何なる方法があるか?

酒税を節税(酒代を節約)する方法には、①禁酒 ②休肝日 ③酒の銘柄変更 ④自家製果実酒 ⑤海外旅行 ⑥カード・電子マネーの概ね6つが考えられる。特に有望なのは②と③と⑥だが、順を追って記述していく。

まず①禁酒だが、酒税がゼロになり酒代も無くなる一挙両得の方法だ。酒は百薬の長と呼ばれたのは遙か昔のことで、酒による悪影響の方がクローズアップされて久しい。身体的な悪影響は元より、周囲への影響も酒の方が大きいことが多々ある。各研究においては適量なら大丈夫という考えにすら疑問符が付いている。そう考えれば、思い切って禁酒するのも1つの手ではないか。350ミリ缶のビールを1日2本は飲んでいた人は、1日あたり400円(うち酒税は約150円)の節税・節約になり、合計すると1年で約15万円に達する。

ただ、会社員なら断り切れない飲み会もあり、ウーロン茶を頼むのも支障を来たすかもしれない。付き合いがある時だけ、冠婚葬祭の時だけにするのもいい。少し緩めだが何かのお祝いで外食した時だけにしてもいいかもしれない。

次の②休肝日は禁酒よりはハードルが低く、取り入れやすい節税・節約方法といえる。毎日飲酒をしている人は、休肝日が週2日は必要というのが定説だ。350ミリを毎日2本の人が1週間に2日は休肝日を設ければ、1週間で400円(うち酒税は約150円)の節税・節約、1年間で2万円に達する。休肝日にビール代を貯金箱に入れていけば、年末には少しリッチな外食が楽しめる計算だ。もしも金・土・日の週末のみの飲酒にできれば年間4万円、前提となる酒量が4本でも4万円になる。

ビール・発泡酒・第三のビールに係る酒税の税率一覧

③酒の銘柄変更は、既に実施している人も多いかもしれない。ビールを飲んでいる人は発泡酒か第三のビールにすることで、酒税が抑えられ本体価格も節約になる。350ミリ缶の場合の酒税は、ビールは77円、発泡酒は47円、第三のビールは28円になっている。ビールから第三のビールにするだけで49円の節税・節約だ。

しかし、この方法は最短で2020年から利用できなくなる可能性が高い。2015年の政府の税制改正大綱では、ビール類の酒税を350ミリ缶で55円に統一されることが明記されているためだ。同文書では5~7年の猶予期間があると記載されており、最短で2020年からと考えられる。

日本における酒税一覧(アルコール種別)

しかし、銘柄変更による節税・節約はビール間で通用しなくなっても、他の種類の酒に変更することで通用する。ビールよりも清酒・果実酒・リキュール類といった税率が低いものに移ることで節税できる。この場合、ビール2本を飲んでいた人が何杯の清酒で満足できるかで節約になるかは疑問ではある。他方で、④自家製果実酒として梅酒を造れば、酒税は蒸留酒のため節税できないが、トータルコストとしての節約は実現できる可能性がある。近しいものでウィスキーと炭酸でハイボール、焼酎を入れたホッピーも節税にはならないが、節約になる可能性がある。

⑤の海外旅行だが、海外で免税の酒を購入すれば国内よりも相当に安い。ただ、一度に持ち帰れる本数(量)は限定されているため、節税・節約効果はイマイチだ。それでも1年に1回でも海外旅行に行けば、銘柄にもよるが数百円~数千円の節税・節約効果になる。

最後に⑥カード・電子マネーは最も手軽な節税方法だ。電子マネーやポイントカードで100円で1ポイントなら1%分の節税・節約、還元率2%のクレジットカードなら2%の節税・節約になる。350ミリ缶のビールを1日2本は飲むなら、1日あたり8円(そのうち酒税は約3円)、1年で約3000円の節税・節約効果になる。①~④には及ばないが、ビール1ケース分は稼げると思えば軽視はできない。

以上が酒税の節税(≒酒代の節約)だが、たばこ税と同様に効果の面では禁煙が圧倒的で、手軽さではカード・電子マネー利用が有力となろう。特にビール党で予算の関係で発泡酒や第三のビールにしている人は、おいおい身の振り方?を考えておいた方がいいだろう。