朝日生命 あんしん介護 認知症保険/ 保障・保険料・返戻率・評判を比較して評価

朝日生命 あんしん介護 認知症保険
おすすめ度:
4
保険会社:
朝日生命
名称:
あんしん介護認知症保険
契約年齢:
40~75歳
保障:
認知症・死亡
保険料:
月2340円 ※60歳契約
返戻率:
356.1% ※60歳契約

朝日生命 あんしん介護 認知症保険は保険料が最も安く保障も厚め!?

朝日生命は2012年に介護保険「あんしん介護」の販売を開始し、さらに認知症に特化した「あんしん介護 認知症保険」を2016年に販売を開始した。業界内では単体の認知症保険としては先駆け的な存在といえる。以下で、あんしん介護 認知症保険の保障とメリット・デメリットを公式HP等を元に解説し、他社の認知症保険と保険料・評判等でも比較する。

まず、この保険は「認知症介護保険金」と「死亡給付金」で構成されている点を押さえておきたい。死亡給付金があるため、認知症にならずに死亡しても給付金が受け取れる。第一生命などの死亡給付金が付いていない認知症保険と異なり、認知症にならなくても何かしらの金銭が受け取れるメリットがある。その分だけ保険料が割高になれば無意味だが、後述するように保険料は高くはないのもポイントだ。

朝日生命 あんしん介護 認知症保険の仕組み・保険料・保険金支払事由など(出典:朝日生命の公式ホームページより抜粋)

認知症介護保険金は一時金タイプと年金タイプに分かれ、一時金タイプなら認知症の診断確定時にまとまった保険金が受け取れ、年金だと診断確定されてから死亡するまで年金が受け取れる。一時金タイプだと想定より長生きした場合に保険金が不足するデメリットがあり、年金タイプだと想定よりも早く死亡すると僅かな年金しか受け取れないというデメリットがある。また、先ほどの死亡給付金の扱いにも違いがあり、一時金タイプだと認知症が発症せず死亡した時のみ死亡給付金が受け取れるのに対して、年金タイプは認知症に発症してもしなくても受け取れる。どちらにするかは好みで決めれば良いが、年金タイプの方が保険料が高い点は考慮する必要がある。

朝日生命の場合、認知症介護保険金は一時金でも年金でも認知症と診断され、要介護1以上の認定されていると受け取れる。この点については第一生命アフラックなどと条件はほぼ同じだが、この保険が優れている点として「要介護1以上の認定で保険料払込免除」が挙げられる。そのため認知症は発症していない(もしくは軽度認知障害)段階でも身体的な衰えから要介護1以上が認定されれば、それ以後の保険料の支払いは免除される。認知症の診断確定だけが保険金の条件である認知症保険も他社にはあり、それよりは保険金の条件は少し厳しいのは確かだが、その一部を補う特徴といえるだろう。

ちなみに保険契約者向けの特典として、高齢者に何か異変があった際にALSOK等の警備員が駆けつける「緊急通報サービス」がある。魅力的に見える特典だが、契約すると月額利用料の割引があるだけで、あくまで高齢者が自分で救急ボタンを押した場合に限られる。その点、第一生命は家族からの電話依頼で警備員が駆けつけてくれ、それも無料となっている。似たサービスだが、認知症保険としては後発の第一生命の方がサービスとしては上をいっている。

次に下図で各社の認知症保険を、契約年齢・加入条件(認知症に発症後も加入が可能か?)・保険期間・保険金額・保険金の支払事由・保障・特典・特記事項で比較した。保険料は50~70歳で終身払いで契約した場合で比較し、返戻率は80歳で認知症が発症したと想定して計算した。80歳での発症は国立長寿医療研究センターの年齢層別の認知症有病率で、80歳前半になると有病率が20%近くに到達することを根拠としている。また、保険の評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して比較し、販売件数も参考にしながら判断した。

名称 第一生命
認知症
アフラック
介護EVER
朝日生命
あんしん介護
認知症
太陽生命
認知症予防
SOMPO
ひまわり
認知症
プラス少短
認知症
ささえ
りぼん少短
認知症
東京海上
あんしん
契約年齢 40~85歳 50~85歳 40~75歳 20~85歳 20~70歳 40~90歳 制限なし 40歳~
加入条件 発症前 発症前 発症前 発症前 発症前 発症前 発症後も可 発症後に可
保険期間 終身・定期 終身 終身・定期 10年・終身 終身 1年更新 1年更新 終身1年更新
保険金額 200~1000万 30~500万 30~1000万 10~100万 10~500万 20~80万 500~1000万 15万~1億
保険金
支払事由
認知症診断
かつ
要介護1以上
認知症で介護
または
要介護2以上
認知症診断
かつ
要介護1以上
認知症診断
または
認知症継続
軽度認知症
または
認知症診断
認知症診断 損害賠償
損害防止
緊急措置
損害賠償
行方不明
ケガ
保障 認知症のみ 認知症・介護
入院・手術
認知症・死亡 予防・認知症
死亡
認知症・骨折 認知症 損害賠償 損害賠償
傷害
特典 代わりに訪問
診断書代行
電話相談 診断書代行
緊急通報
血液検査
歩行
業者紹介
認知チェック
情報提供 なし ステッカー
捜索
特記事項 削減2年 単体不可 死亡給付 削減1年 180日待機 保険料上昇 補償の重複 補償の重複
苦情率 0.04% 0.08% 0.04% 0.01% 0.03% - - -
保険料
返戻率
50歳
\2,606
255.8%
\3,805
146.0%
\3,405
407.9%
\5,361
75.1%
\3,050
91.1%
- \1,650
~841.8%
\1,300
~21,367%
保険料
返戻率
60歳
\3,238
257.4%
\6,016
138.5%
\2,340
356.1%
\5,720
94.7%
\4,140
100.6%
\650~
323.4%
\1,650
~1262.6%
\1,300
~32,051%
保険料
返戻率
70歳
\5,158
323.1%
\10,704
155.7%
\4,488
371.4%
\7,588
126.3%
\6,650
125.3%
\1,041~
472.3%
\1,650
~2525.3%
\1,300
~64,102%
認知症保険の契約年齢・加入条件・保険期間・保険金額・保険金支払事由・保障・特典・特記事項・苦情率・返戻率・保険料の比較表(第一生命・アフラック・朝日生命・太陽生命・SOMPOひまわり生命・プラス少短・りぼん少額短期・東京海上日動の各社の公式ホームページの数値を元に当社が独自作成)

上図で左から3番目の朝日生命あんしん介護 認知症保険だが、契約年齢・保険期間・保険期間は他社と大差がない。前述したように、保険金支払事由は要介護が必要な分だけ太陽生命SOMPOひまわりより少し厳しめな一方、保障は認知症だけでなく死亡給付がある分だけ第一生命・SOMPOひまわりよりも有利だ。認知症関連の特典は第一生命に抜かれた感はあるが、それ以外に対しては優位性が未だにある。苦情率は他社と比較して平均か少し高いため、評判は普通といったところだろう。保険そのものの評判は、朝日生命の2018年版ディスクロージャー誌によると販売開始から2年間で7万4000件という点から悪くないといえる。2019年版ディスクロージャー誌では、あんしん介護全体で毎年10万件の新契約が達成可能としているため、売れている介護保険なのは間違いない。

保険料は保険金200万円(50歳だけ500万)の場合だが、同じく200万の第一生命の60歳の保険料と比較して明らかに安い。返戻率も保険金が200万円で60歳契約で、80歳で認知症と診断されたなら
2,000,000÷(2,340×12×20) =3.561×100=356.1%
と計算できる。この数字は損害賠償系の認知症保険を除いてはトップの数字だ。それも認知症に先んじて要介護1で保険料払込免除となれば、一段と返戻率は上昇するだろう。70歳から加入する人は多くはないかもしれないが、70歳だとプラス小短の認知症保険に数字面では逆転される。

以上のことから総合評価としては、おすすめできる保険といえる。第一生命に抜かれた面もあるが、数字面での優位性は揺らいでいない。また、要介護1で保険料払込免除・死亡給付金が付いているのも地味に他社にない良いメリットだ。とりあえず認知症保険で迷ったら朝日生命を軸に検討していくのが賢明だろう。