第一生命 認知症保険/ 保障・保険料・返戻率・評判を比較して評価

第一生命 ジャスト かんたん告知 認知症保険(無解約返還金)
おすすめ度:
2
保険会社:
第一生命
名称:
かんたん告知「認知症保険」
契約年齢:
40~85歳
保障:
認知症のみ(認知症保険金)
保険料:
月3,238円 ※60歳契約
返戻率:
257.4% ※60歳契約

第一生命 認知症保険は悪くはないが注意点は多い!?

第一生命は2018年12月から「かんたん告知 認知症保険」の販売を開始した。朝日生命・太陽生命といった中堅の生命保険会社は認知症保険を負う形での販売開始となったが、大手の生命保険会社では初の認知症保険となる。以下では第一生命の認知症保険の保障とメリット・デメリットを公式HP等を元に解説し、他社の認知症保険と保険料・評判等でも比較する。

まず、この保険は認知症のみを保障する保険、言い換えれば「認知症保険金のみで構成されている保険」だということだ。これを当然だと思うかもしれないが、他社の認知症保険は認知症にならず要介護状態になっただけでも介護給付金が受け取れたり、認知症にならず死亡しても死亡保険金が受け取れることがある。第一生命の認知症保険は純粋に認知症だけを保障するため、保険料が他社よりも安い(他社との比較は後述)というメリットがある。その反面、認知症にならなければ支払った保険料は完全に無駄になるというデメリットがある。それでは認知症保険金は、具体的にどのような状態・認知症になれば受け取れるのだろうか?

第一生命 ジャスト かんたん告知 認知症保険(無解約返還金)の仕組み・保険料・保険金支払事由など(出典:第一生命の公式ホームページより抜粋)

第一生命の認知症保険の場合、「医師による認知症という診断」と「役所による要介護1以上の認定」の両方が必要になる。そのため認知症の一歩手前の軽度認知障害(MCI)では条件を満たさず、認知症という診断が確定しても要介護1以下の要支援1~2なら条件は満たされない。とはいえ、一般的に軽度認知傷害ではなく認知症となれば食事・入浴・トイレといった基本的ADL(activities of daily living)に支障・障害があるとされている。同じく要介護1認定でも食事・トイレ等の生活動作に部分的な介助が必要な状態とされているため、整合性が取れていないことはない。ただ、今後は高齢者の増加により要介護認定が少し厳しくなる可能性があり、他社には要介護状態は不要とする認知症保険もあるため、第一生命は条件が少し厳しめというのは間違いない。

保険金以外では「代わりに訪問サービス」が大きなメリットとして挙げられる。例えば、遠方にいる両親が認知症だった場合、何かしらトラブルがあっても子供が行くには時間を要する上に、距離によっては相当な費用が必要になる。それも急いで親元に行ったのに何もトラブルが無かったとすれば徒労感もあるだろう。この「代わりに訪問サービス」はALSOKの警備員が家族からの電話依頼で代わりに訪問してくれる。朝日生命にも緊急通報サービスがあるが、専用端末を利用者(認知症の人)が押した時のみ駆けつけてくれる。その点、第一生命なら家族の電話だけで駆けつけてくれるため、遠方から電話をかけて繋がらない場合でも即座に警備員に代わりに訪問してもらえる。

認知症の家族を持つ人にとっては非常に頼りになるサービスだが、その利用には相応のハードルがある。まず契約から2年が経過しないと、そもそもサービスが利用することができない。さらに2年経過後も年1回のみ利用可能で、保険期間を通じて計5回という回数制限もある。そのため年1回ずつ利用すれば契約から7年目には利用権が消滅してしまう。それでも朝日生命は月額料金の割引だけで有料のため、第一生命の方が優れているのは間違いない。ただ、この警備員駆けつけサービスだが、過度な期待は持たない方が賢明だろう。警備員は在宅確認・安否確認・電話の取次ぎぐらいはするだろうが、電話が壊れていたのを修理してくれたり、行方不明になったのを捜索まではしてくれないからだ。

次に下図で各社の認知症保険を、契約年齢・加入条件(認知症に発症後も加入が可能か?)・保険期間・保険金額・保険金の支払事由・保障・特典・特記事項で比較した。保険料は50~70歳で終身払いで契約した場合で比較し、返戻率は80歳で認知症が発症したと想定して計算した。80歳での発症は国立長寿医療研究センターの年齢層別の認知症有病率で、80歳前半になると有病率が20%近くに到達することを根拠としている。また、保険の評判が良いか悪いかは生命保険協会のデータで苦情率(苦情数÷契約数)を算出して比較し、販売件数も参考にしながら判断した。

名称 第一生命
認知症
アフラック
介護EVER
朝日生命
あんしん介護
認知症
太陽生命
認知症予防
SOMPO
ひまわり
認知症
プラス少短
認知症
ささえ
りぼん少短
認知症
東京海上
あんしん
契約年齢 40~85歳 50~85歳 40~75歳 20~85歳 20~70歳 40~90歳 制限なし 40歳~
加入条件 発症前 発症前 発症前 発症前 発症前 発症前 発症後も可 発症後に可
保険期間 終身・定期 終身 終身・定期 10年・終身 終身 1年更新 1年更新 終身1年更新
保険金額 200~1000万 30~500万 30~1000万 10~100万 10~500万 20~80万 500~1000万 15万~1億
保険金
支払事由
認知症診断
かつ
要介護1以上
認知症で介護
または
要介護2以上
認知症診断
かつ
要介護1以上
認知症診断
または
認知症継続
軽度認知症
または
認知症診断
認知症診断 損害賠償
損害防止
緊急措置
損害賠償
行方不明
ケガ
保障 認知症のみ 認知症・介護
入院・手術
認知症・死亡 予防・認知症
死亡
認知症・骨折 認知症 損害賠償 損害賠償
傷害
特典 代わりに訪問
診断書代行
電話相談 診断書代行
緊急通報
血液検査
歩行
業者紹介
認知チェック
情報提供 なし ステッカー
捜索
特記事項 削減2年 単体不可 死亡給付 削減1年 180日待機 保険料上昇 補償の重複 補償の重複
苦情率 0.04% 0.08% 0.04% 0.01% 0.03% - - -
保険料
返戻率
50歳
\2,606
255.8%
\3,805
146.0%
\3,405
407.9%
\5,361
75.1%
\3,050
91.1%
- \1,650
~841.8%
\1,300
~21,367%
保険料
返戻率
60歳
\3,238
257.4%
\6,016
138.5%
\2,340
356.1%
\5,720
94.7%
\4,140
100.6%
\650~
323.4%
\1,650
~1262.6%
\1,300
~32,051%
保険料
返戻率
70歳
\5,158
323.1%
\10,704
155.7%
\4,488
371.4%
\7,588
126.3%
\6,650
125.3%
\1,041~
472.3%
\1,650
~2525.3%
\1,300
~64,102%
認知症保険の契約年齢・加入条件・保険期間・保険金額・保険金支払事由・保障・特典・特記事項・苦情率・返戻率・保険料の比較表(第一生命・アフラック・朝日生命・太陽生命・SOMPOひまわり生命・プラス少短・りぼん少額短期・東京海上日動の各社の公式ホームページの数値を元に当社が独自作成)

上図で一番左の第一生命の認知症保険だが、契約できる年齢幅は他社と大差はないが、保険金額は1000万円まで契約できるため保険金は施設入所などの費用まで回せる。その一方で最低額は200万円からのため、とりあえず安い保険料で入っておこうといった使い方はできない。保険金の支払事由は認知症の診断確定と要介護1以上の認定が必要だが、太陽生命SOMPOひまわり生命の認知症保険だと認知症診断だけで良い。注意点としては契約から2年以内に認知症と診断されても保険金額は支払った保険料総額(支払った保険が戻ってくる)だけになる点だろう。他社だと待機期間・削減期間は180日~1年のため、第一生命は特に厳しいといえる。

苦情率は平均か他社より高めのため、各種手続きへの応対には一応は注意が必要だろう。ただ、この保険の販売件数は2018年末の販売開始から僅か2ヶ月で5万件、4ヶ月で10万件を突破しているため、保険そのものの評判自体は悪くなさそうだ。保険料は他社と比較して安めのため、保険金額のわりには入りやすいといっていい。返戻率は保険金額200万円で60歳契約で、80歳で認知症と診断されたとすると、
2,000,000÷(2,606×12×20) =2.558×100=255.8%
と計算できる。この数字は他社と比較して高い数字だが、トップである朝日生命と比較すると一段の差がある。70歳での契約なら差は縮まるが、返戻率で下回っているのは間違いない。

以上のことから総合評価としては、悪くはないが注意点は多い認知症保険といえるだろう。返戻率で他社に劣るものの、人によっては「代わりに訪問」などの特典の魅力の方が大きいかもしれないからだ。ただ、同サービスも保険金も契約から2年経過が必要であったりと注意点も散見される。今から加入しても良いが、まだ両親の年齢が少し若いなら保障内容が改訂されてパワーアップするのを待つのも手かもしれない。