日経225ノーロードオープン(日経225)/ DIAMアセットマネジメント
- オススメ度:
- 運用会社:
- DIAMアセットマネジメント
- 商品名:
- 日経225ノーロードオープン(日経225)
- 地域/決算:
- 日本 / 年1回
- 対象資産:
- 株式一般(インデックス型)
- 基準価額:
- 8,873円(2013年8月23日付け)
- 手数料:
- 0%(申込手数料 ※リテラ・クレア証券) 0.80%(信託報酬)
日経225ノーロードオープンは手数料無料で信託報酬が高い典型例!
この投信は、日経平均株価と連動した運用成果を目指す投信だ。日経平均が上昇すれば基準価額も上昇し、日経平均が下落すれば基準価額は下落する特徴を持つ。名称になっているノーロード(No Load)とは販売手数料が無料を意味しており、通常の投信なら1~3%の手数料があるのが無料となっている。ただ、日経平均連動型の投信はノーロードと銘打ってなくとも手数料無料にしている販売会社も多く、特にノーロードという名称に拘る必要はない。また、この投信に限っては、手数料が無料の分だけ信託報酬が高額になっている点に注意が必要だ(信託報酬も販売会社の収益になるため、販売会社が手数料で儲けられなかった分は信託報酬に転嫁されている)
まず、現在までの基準価額の推移だが、1998年から振り返ると、2000年までのITバブルでの株高からバブル崩壊で大幅下落、2007年までの米国の住宅ローンバブルと小泉首相の金融相場から、パリバショック・サブプライム問題・リーマンショックと続いて大幅下落と、株価の歴史は奇しくもバブルと崩壊を繰り返していることがよく分かる。そして、2012年からの金融緩和相場が現在進行形で続いている。人は歴史に学ばず、再び同じ過ちを繰り返すのか否か。。。
基準価額は他社の日経平均連動投信と同様の動きをする一方で、純資産額は少し異なる動きをしている。それは現在の純資産が2007年を超えている点だ。これは、手数料無料に釣られて購入した個人投資家が増加した可能性を示唆している。
今後の日経平均の見通しだが、昨今はドル円相場と日経平均が連動する傾向にある。つまりは円安株高・円高株安になるということだ。この理由は捨てて念頭に置きたいのが、日本株投信といえど間接的に為替の影響を受けるということだ。為替の影響を受けないために日本株投信を購入するという考え方は誤っている。
さて、左図のエリオット波動を元にした三菱UFJモルガンの日経平均の見通しを参考にする。為替と連動して2013年度は9~10月を底に12,000円近辺の底値から反転するシナリオを描いている。これは9月に消費増税問題の決着、国外ではFOMCや量的緩和の縮小如何とイベントが目白押しなためだ。そのタイミングが底で年末にかけて上昇というのは綺麗なシナリオではある。しかし、中国のシャードーバンキングの元凶である理財産品の大規模な償還、エジプト等の中東の政情不安、欧州債務問題の再燃懸念とマイナス材料には事欠かない。そのため秋から上昇ではなく、日経平均は横ばいで揉み合いになる可能性もある。いずれにせよ投信の購入は晩秋あたりからが妥当と予想する。
次に、他社の日経平均連動型の投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、ベンチマークである日経平均との3年間の乖離率も比較した。さらに基準価額の増減も加味し3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減(騰落)が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※信託財産留保額は投信の解約時の費用
商品名 | 日興 インデックス ファンド225 |
MHAM 株式インデックス ファンド225 |
日経225 ノーロード |
三菱UFJ インデックス225 |
大和 ストック インデックス |
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基準価額 | 3,635円 | 2,444円 | 8,873円 | 8,318円 | 6,045円 |
騰落率 | +52.7% | +52.5% | +52.4% | +52.1% | +51.4% |
ベンチマーク 乖離率 |
+6.4% | +6.2% | +4.6% | +6.7% | +6.2% |
手数料 | 1.0% | 0% | 0% | 0.5% | 1.0% |
信託報酬 | 0.52% | 0.55% | 0.80% | 0.62% | 0.52% |
分配利回り | 0.3% | 0.1% | -0.8% | 0% | -0.4% |
100万で3年運用 ※基準価額 増減考慮 |
3,557,398円? | 3,545,989円? | 3,517,756円? | 3,512,734円? | 3,446,574円? |
最終予想 利回り |
52.6%? | 52.4%? | 52.0%? | 52.0%? | 51.4%? |
上図で「日経225ノーロードオープン」を比較したが、さすがに同じ日経平均に連動する投信の中では1年前からの上昇下落率(騰落率)には大差がない。しかし、問題はベンチマークである日経平均との3年間での乖離率だ。他社の日経平均連動型が日経平均を6%超えるパフォーマンスを示しているのに対して、この投信は約4%に留まる。その原因とも考えられるのが、他社の1.5倍に設定されている信託報酬の高さだ。手数料は無料にした分だけ信託報酬で利益を稼ぐ典型例といえる。信託報酬は年々徴収されるため、長期で保有する場と他社との差は広がる一方だ。目先の手数料に釣られて長期で損をするパターンだ。また、上図の数字は直近1年の株価動向が今後3年間続くと想定した点に注意してほしい。2014年以降も2012-2013年のパフォーマンスを維持できる可能性は極めて低い。現実的な線で良くて10~20%上昇、今からの購入ならマイナスも十分にあり得ると考える必要がある。
結論としては、日経平均連動型投信が欲しい場合でも、この投信は選ばない方が賢明だ。特に数年以上の保有を検討しているなら回避すべきだろう。もしも、自分の御用達の証券会社・銀行に同じ日経平均連動の投信があるなら、そちらを選んだ方が賢明だ。また、日経平均自体は今の水準から下落~横ばいの可能性も否定できないが、上昇する可能性は一定程度はある。そのため年末までには買いに入るのは悪くない。ただ、中国のシャドーバンキングなどで大下落し長期化する可能性もある。いざという時に底値を拾えるように、一定の資金余力も残しておくのが賢明だろう。