インデックスファンド225(F225)/ 日興アセットマネジメント
- オススメ度:
- 運用会社:
- 日興アセットマネジメント
- 商品名:
- インデックスファンド225(F225)
- 地域/決算:
- 日本 / 年1回
- 対象資産:
- 株式一般(インデックス型)
- 基準価額:
- 3,635円(2013年8月22日付け)
- 手数料:
- 1.0%(申込手数料 ※楽天証券) 0.52%(信託報酬)
インデックスファンド225は僅差で他社の225連動型投信よりお得!
この投信は、日経平均株価と連動した運用成果を目指す投信だ。日経平均が上昇すれば基準価額も上昇し、日経平均が下落すれば基準価額は下落する特徴を持つ。上場している日経平均連動のETFを除けば、この投信の純資産額の2,000億円強がトップとなっている。
まず、現在までの基準価額の推移だが、他の日経平均連動型の投信と同様に、長い上下の期間を経て2012年末の日銀金融緩和・アベノミクスによって一気に上昇している。チャートだけ見ると、いかにも急速な上昇で、この後は下落して山を形成して元の水準に収まるようにも見える。その一方、上昇の5合目当たりで上下して、再び上昇基調を辿る可能性も否定できない。2000年以降の日経平均を見ると高値と安値の中間が12,000~13,000円前後のため、チャートからも水準からも購入如何を判断するのは難しい。
また、この投信が投資(組み入れ)している株式銘柄だが、他社同様に日経平均への寄与度の高いファーストリテイリング(ユニクロ)・ソフトバンク・ファナックへの投資比率が高い。とはいえ、日経平均と同数の225銘柄が組み入れられている。純資産は他社と異なり基準価額との連動性は薄い。2013年初から増加しているが限定的だ。
今後の見通しだが、日経平均は円安株高・円高株安の相関関係も確かにある。その一方で忘れがちだが米国の株価指数のNYダウとの連動性も高い。米国株価は明らかに高値圏にある現在、短期的にはNYダウに引っ張られる(量的緩和策の行方・債務上限問題・FRB議長の交代等で)下落は想定できる。
しかし、日本独自の材料に目を向ければ、消費税増税までは強気とも考えられる。政府の景気刺激策や規制緩和もあるが、特に日銀の追加の金融緩和策が株価を支える可能性がある。というのも、現状までの消費者物価指数の動向を見る限り、物価上昇率が増税で一旦は2%上昇しても、その後は伸び悩む可能性大だ。明治安田の予測では2015年になっても達成できないとしている。さらに増税後は、住宅販売が20%減少、個人消費全体でも伸び悩むはずだ。そうなれば消費税を3%から5%に引き上げた際と同様にデフレになる。日銀が本気でインフレを目指すなら、更なる金融緩和を実施するはずだ。その副次的な産物である円安により、輸出企業の業績期待が再び起きて日経平均は上昇が見込める。
次に、他社の日経平均連動型の投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、ベンチマークである日経平均との3年間の乖離率も比較した。さらに基準価額の増減も加味し3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減(騰落)が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※信託財産留保額は投信の解約時の費用
商品名 | 日興 インデックス ファンド225 |
MHAM 株式インデックス ファンド225 |
日経225 ノーロード |
三菱UFJ インデックス225 |
大和 ストック インデックス |
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基準価額 | 3,635円 | 2,444円 | 8,873円 | 8,318円 | 6,045円 |
騰落率 | +52.7% | +52.5% | +52.4% | +52.1% | +51.4% |
ベンチマーク 乖離率 |
+6.4% | +6.2% | +4.6% | +6.7% | +6.2% |
手数料 | 1.0% | 0% | 0% | 0.5% | 1.0% |
信託報酬 | 0.52% | 0.55% | 0.80% | 0.62% | 0.52% |
分配利回り | 0.3% | 0.1% | -0.8% | 0% | -0.4% |
100万で3年運用 ※基準価額 増減考慮 |
3,557,398円? | 3,545,989円? | 3,517,756円? | 3,512,734円? | 3,446,574円? |
最終予想 利回り |
52.6%? | 52.4%? | 52.0%? | 52.0%? | 51.4%? |
上図で「インデックスファンド225」を比較したが、さすがに1年前からの上昇率やベンチマークとの乖離率では、他社の日経平均連動投信とは大差はない。手数料が1%という点では他社に劣るが、信託報酬が他社よりも抑えて安く、分配金も僅かながら出しているため、トータルでは僅差で他社投信よりも秀でた数字になっている。ただ、上図の数字は直近1年の株価動向が今後3年間続くと想定したもので、2014年以降も同様のパフォーマンスを維持できる可能性は極めて低い。現実的な線では、良くて10~20%上昇、今からの購入ならマイナスも十分にあり得ると考えてほしい。
結論としては、2013年を考えると晩秋~初冬までの短期では、日経平均で12,000円前後までの下落があっても何ら不思議ではない。諸外国の経済情勢次第では、その水準までは簡単に下落するだろう。しかし、一時的な要因で下げても、日銀の支えで堅調に推移し、政府が成長戦略・規制緩和を推進できるなら18,000円も決して夢ではないというのがメインシナリオだ。ただし、下落する理由が明らかに大規模で長期化しそうな場合(かつてのリーマンショック級)なら、日経平均は1万円強で横ばいというサブシナリオを考えるべきだ。現在想定されるのは、中国のシャドーバンキング問題からの金融危機(及びアジア通貨安危機)、欧州債務問題からのEU分裂、中東の政情不安からのオイルショック、米国の量的緩和策の終了から引き上げ(縮小ではなく終了)等がある。こういった場合には、購入は見送って温泉にでも浸かりにいった方が賢明だ。