投信・預金/資産運用 解説・用語集
MMFの元本割れの可能性は低いが実は2001年には!?
MMF(マネーマネジメントファンド)とは、国内外の公社債・債券等の短期金融商品に投資し運用されている投信を意味する。短期公社債投信においてMRFと共に代表的な投信である。MMFには安定運用、元本超過額を全て再分配し複利効果が見込める点、換金の自由度、普通預金よりも高い利回り等のメリットがある。
MMFは元本保証はされないが、元本割れする可能性が非常に低く、限りなく預金に近いわりに、預金よりも金利が高い点でメリットがある投信と言われている。
過去、2001年に米企業のエンロン社が破綻した影響で4社の一部のMMFが元本割れしたが、それを契機に投資信託協会がMMFに関しては「安全性の確保の方策」を示し「MMFの運営規則」を強化したため、それ以降では元本割れの事実はない。そのため、MMFは1992年に日本で取り扱いが開始されてから、運用規則の制定前の1度しか元本割れしていないことになる。そのため、限りなく預金に近い投資信託と考えらえる。
さらに、購入は普通の投信のように1万円単位ではなく1円単位で可能で手数料も発生しない。MMFが運用して得た収益も分配金として個人投資家に支払われ、それは自動的に再投資という形になるため複利効果も見込める。
ただし、これだけの安定度・利便性を誇る半面、その金利は普通預金よりも高い程度しかない。証券会社によって差異はあれど、概ね0.05%~0.08%であり、銀行の普通預金が0.02%より高く、300万円以上の5年ものの定期預金の0.04%と同程度となっている。
定期預金よりも自由に引き出せるだけ自由度は高いが、MMFの場合には引き出すには投信という性質上、一部の解約という体裁になる。通常は、投信は解約から現金化には数日を要するが、MMFの場合には翌日には引き出せ、当日に現金が入用の場合にはキャッシング(口座額を担保に一瞬だけ金銭を借りる)という形で引き出せて現金化できるため、この意味でも預金に限りなく近いといえる。
個人投資家としては、MMFは普通預金で遊んでいる貯金や、次に購入する投信(株・債券)が決まるまでの幕間つなぎとしての利用価値は非常に高い。しかし、唯一注意したいのが買付から30日以内の解約は解約手数料(及び信託財産留保額)が発生するため、手数料分だけ元本から損失が出る点だ。この点だけは肝に銘じておく必要があろう。