投信・預金/資産運用 解説・用語集

投資信託は償還でどうなる?

償還とは、ファンドが信託期間(運用する期間)を定めている場合に、その期間満了に伴って、個人投資家に保有口数に応じて資金が返却されることを意味する。期間満了時以外でも、その投信の純資産が当初の10分の1になった場合など、安定した運用が困難になった場合には、信託期間中であっても繰上げて償還が行われる場合がある。

また、その際には投資した金額の全額が戻ってくるわけではなく、元本割れになって返却される場合もある。そのため、月次レポート・運用報告書などを確認して純資産が明らかに減少している投信には注意が必要だ。

その逆にポジティブな要因によっても繰上げ償還は行われる。例えば、基準価額が15,000円を超えた場合には、設定時(スタート時)の10,000円から1.5倍に資産が増加したことになるため、資産増の目的を達成したとして繰上げ償還されるケースがある。そうそう起きる現象ではないが、近々では2012年秋から始まった日銀金融緩和+アベノミクス相場では、株式型投信の幾つかが繰り上げ償還となった。個人投資家としては資産増・利益獲得で喜ばしい限りなのだが、余裕資金を振り向ける先を再考する必要もあり悩ましいところだ。また、償還金は概ね5営業日後に受け取ることになり、即座に利用できない点も覚えておきたい。

以上の通り、償還にはポジティブ・ネガティブの両面の側面があるが、もう投信は購入したくないという場合を除いて、償還後には余裕資金の振り向け先を考える必要がある。そのため「償還乗換優遇」という投信・ファンドの償還金で他の投信を購入する際に、購入手数料を無料or割引きするサービスも存在している。