ダイワ世界リート・ファンド(毎月分配型) / 大和証券投資信託委託
- オススメ度:
- 運用会社:
- 大和証券投資信託委託
- 商品名:
- ダイワ世界リート・ファンド(毎月分配型)
- 地域/決算:
- 海外 / 年12回(毎月分配型)
- 対象資産:
- 不動産投信
- 基準価額:
- 4,708円(2012年8月2日付け)
- 手数料:
- 3.1%(申込手数料 ※大和証券) 1.48%(信託報酬)
ダイワ世界リート・ファンド(毎月分配型)は赤字の資産運用になる可能性も!
この投信は、世界各国の不動産を収益とするリートに投資し分配金を出している。他社と異なり、世界各国とはいっても北米・アジア・欧州に概ね3割ずつ投資している点だ。他社は米国が50~60%を占めているケースも多く、そういった意味では分散投資は秀でているかもしれない。過去の分配履歴だが、2009年2月までは20円、2010年10月までは15円で、それ以降は現在まで10円だ。今後、分配金が増額される可能性は低いだろう。
まず基準価額だが、他社ワールドリートと同様に2012年から上昇に転じている。ただ、上昇に転じているとはいえ、かろうじて2010年時の数値に近づいている程度だ。チャートの流れからすると、ここから伸ばしても5,000円程度までの上昇が限界かもしれない。
純資産は、他社ワールドリートよりも早く減少傾向に入っており、一時期の1,300億円から現在は170億円前後で、およそ10分の1の規模になった。分配金の増額は望みようがない。
国別比率構成だが、冒頭でも述べた通りアメリカが約30%、豪州+シンガポール+香港のアジア・オセアニアで約30%、イギリス+フランス+他欧州各国で約30%で分けられている。分散投資として良いが、裏を返すと世界的に不動産が好景気にならなければ大きな収益を見込めないともいえる。業種では他社同様に小売の比率が高い。
銘柄上位には、ユニベイル・ウェストフィールドと小売(ショッピングモール等)のリートが並ぶ。3位のランドセキュリティーズは、オフィス・住宅から様々な形態の不動産を有している。特に、小売関連は小型の食料品店・レストラン・カフェまで網羅している。ただ、株価は2008年から半値近くで低迷しており厳しい。
今後の見通しだが、最も比率が高い米国経済・リートの現状は「ラサール・グローバルREIT」「国際投信ワールドリート」を、オーストラリア経済は「DIAMワールドリート」を、比率は低いがカナダ経済は「野村グローバルリート」を参照して欲しい。
次に、他社のワールドリート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料・信託報酬(税抜き)、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。
商品名 | ラサール グローバルREIT |
国際投信 ワールドリート オープン |
ダイワ グローバルREIT |
DIAM 世界リート インデックス |
ダイワ 世界リート ファンド |
---|---|---|---|---|---|
基準価額 | 3,651円 | 4,153円 | 3,369円 | 3,677円 | 4,708円 |
増減率 | -16.8% | -16.8% | -10.5% | -6.7% | -1.4% |
手数料 | 1.2% | 0% | 1.5% | 2.5% | 3.0% |
信託報酬 | 1.50% | 1.55% | 1.48% | 0.85% | 1.48% |
信託財産 留保額 |
0% | 0% | 0% | 0.5% | 0% |
分配利回り | 18.2% | 17.2% | 12.8% | 10.6% | 1.1% |
3年分の 利益額 |
546,619円 | 516,948円 | 383,027円 | 317,171円 | 32,066円 |
100万で 3年運用 ※基準価額増減考慮 |
1,111,425円 | 1,093,082円 | 1,084,513円 | 1,099,368円 | 961,162円 |
最終予想 利回り |
3.58% | 3.01% | 2.74% | 3.21% | -1.31% |
上図の通り「ダイワ世界リート・ファンド(毎月分配型)」は、分配金で得られる利回りは低いが、基準価額の減少は健闘している。ただし、信託報酬・手数料を加味すると補い切れず、最終予想の利回りではマイナス(赤字)運用になる可能性が高い。数字面で他社に秀でた面を探すのは困難だ。結論としては利回りが厳しくオススメできそうにない投信といえる。今から購入しても先細りしている純資産の中で分配金の増額も期待できず先行きは暗い。
現在保有中の人は、どこで見切るかが問題になるだろう。チャートだけ見れば累積投資額でも上昇しており、もう少し様子見はしたい。経済情勢でも、特に米国はサブプライムから持ち直し始めており、欧州も一時ほどの債務問題での悲観論は後退している。大統領選挙の株高アノマリーもあり、景況感が改善する可能性が高そうだ。2012年中は様子見した方が賢明だろう。2013年になれば自分の都合の良いタイミングで解約・乗り換えをすると良いだろう。