メディケア生命 メディフィットReを比較・評価
- オススメ度:
- 保険会社:
- メディケア生命
- 名称:
- メディフィットRe(リリーフ)
- 加入年齢:
- 20~85歳
- 保障期間:
- 終身
- 保障内容:
- 入院・手術等
- 特徴:
- 持病がある方も入りやすい
メディケア生命のメディフィットRe(リリーフ)は、2015年2月から販売を開始した引受基準緩和型の医療保険です。販売開始から5年が経過した2020年にメディケア生命が開業10周年を迎えたこともあり、この保険も保険名は据え置いて大幅リニューアルされました。
リニューアルにより保険料の引き下げ・告知項目の拡大(引受範囲の拡大)などが実施されました。以下では改訂による変更点を確認しつつ、保障内容・保険料・返戻率等を解説し、他社の引受基準緩和型(限定告知型)の医療保険と比較していきます。
告知・保障内容
医療保険は通常は告知項目が7~8項目はありますが、この保険は3つの告知項目で済みます。「最近3ヶ月以内に入院・手術を勧められたか?」「過去2年以内に入院・手術等をしたか?」「過去5年内にがん・肝硬変等で診察を受けたか?」の3つです。
リニューアル前は過去2年内に白内障・子宮筋腫等で入院・手術をしても加入できませんでした。それらの病気は不問となったため、過去2年内に白内障の手術をしていても加入できます。もちろん除外対象の病気でも2年以上が経過していれば加入できます。その際には過去5年内の病気に該当しないか確認は必要です。
さて、この保険の保障ですが、入院日数に応じて受け取れる入院給付金だけが必須となっています。手術すると受け取れる手術給付金は、リニューアルでナシを選べるようになりました。しかし、手術給付金を無くすと放射線治療給付金と骨髄移植給付金も無くなる点に注意が必要です。
また、入院給付金には3大疾病入院無制限給付特則が付加できます。この特則を付加しないと1回の入院で受け取れる入院給付金は最高で60日分です。この特則を付加すると三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中)での入院給付金は、60日分から無制限となります。七大疾病から三大疾病を除いた四大疾病(糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎臓病)の場合は、日数制限が60日から120日に延長されます。
その他の保障には入院一時給付特約・終身保険特約・先進医療特約があり、自分で取捨選択する必要があります。入院一時給付特約は入院日数に関係なく、1回の入院あたりで一時金が受け取れる特約です。終身保険特約は死亡すると死亡保険金が受け取れ、先進医療特約は先進医療をすると給付金と一時金が受け取れます。
保険料・返戻率を他社と比較
この保険を入院日額5000円・手術給付金5万円・先進医療特約のみで契約すると、保険料は30歳で月額2385円、40歳で月額2830円、50歳で月額3505円となります。リニューアル前は30歳で2745円だったため400円ほど安くなりました。40歳・50歳だと1000円以上の保険料の値下げされています。
返戻率は40歳で契約して50歳時にがんになったケースで考えてみます。手術して17日間の入院(厚労省 患者調査のがんの平均入院日数)をすると、合計13.5万円の給付金が受け取れます。10年間で支払った保険料総額は33.9万円のため、返戻率は39%で貯金の100%を下回ります。しかし、複数回の入院・手術をしたり、入院日数・放射線治療が長期化すると返戻率は上昇します。
入院日数や手術の回数・再発等々で給付金の合計額は変化するため、返戻率は目安でしかありません。そのため他社の引受基準緩和型の医療保険と保険料を比較する必要があります。下図で他社の医療保険と保険料等で一覧表で比較しました。
この保険の保険料を他社と比較すると、保険料は安く最安値圏の保険といえます。この保険より保険料が安い保険もありますが、その差は100~200円ほどです。そのため後述するメリット・デメリット・評判次第では、保険料の微妙な差は無視できるかもしれません。
メリット
この保険のメリットには、告知が緩和され加入しやすい保険で病気に備えられる点が挙げられます。特約を付加しなければ3つだけの告知で済みます。さらに過去5年の告知項目にはがん・肝硬変等の病歴がありますが、他社には脳卒中も含まれる保険もあります。その意味でもメリットといえるでしょう。
さらに特則・特約が用意されているのもメリットです。三大疾病入院無制限給付特則は付加できない保険も他社にはあります。それも三大疾病だけ無制限にするのではなく、七大疾病に対応している点でメリットといえます。長期入院が心配な人に適した特則でしょう。
その他に、入院一時給付特約・終身保険特約もメリットです。昨今では入院日数を短期化する傾向にあり、日帰り手術で対応できる病気も増加傾向にあります。そのため基本保障の入院給付金だけでは金額的に不足感が出るケースがありますが、入院一時給付特約があれば日帰り入院から最高20万円の給付金が受け取れます。終身保険特約も死亡までカバーでき、医療保険と別に保険に加入する手間(告知等)も省けます。
最後に支払削減期間が無いのもメリットです。多くの保険には保険に加入してから1年間の支払削減期間があり、1年間は病気等になっても給付金が半額になります。さらに終身保険特約で受け取る死亡保険金も半額になります。この保険なら加入して数ヵ月後に入院しても満額の給付金が受け取れます。
デメリット・注意点
この保険のデメリットは、まずは告知項目が挙げられます。告知が緩和されている意味ではメリットですが、他社の引受基準緩和型と比べると告知は厳しめです。この保険は過去5年の病歴が問われますが、太陽生命・朝日生命なら過去5年の病歴は問われません。なないろ生命に至っては、現在入院中ではなく過去1年以内に入院・手術をしていなければ加入できます。
特約があるとはいえ、どれも他社の保険にもある特約という点もデメリットでしょう。メディケア生命ならではの特約はありません。それどころか他社の保険を見渡せば、用意されている特約には不足感もあります。他社の多くの保険にある通院特約・三大疾病払込免除特約(三大疾病になると保険料の支払いが免除される)がありません。
さらに、がん特約・抗がん剤特約・三大疾病一時金特約等々もありません。三大疾病入院無制限給付特則だけでは60日以上の長期入院に備えられるだけで、がん・三大疾病になると発生する出費・収入減等には対応し切れない面があります。
最後に先進医療特約にのみ1年間の支払削減期間がある点にも注意が必要です。他社も支払削減期間を廃止しても先進医療だけ残しているケースがありますが、契約する側からするとデメリットでしかありません。
評判・苦情
メディケア生命の2020年度(2020年4月~2021年3月)の決算資料によると、全体では新契約件数は29.7万件で前年度の9.7万件から20%の増加をしています。微減・大幅減をしている保険会社もあるため好調といえます。また、新契約の年換算保険料で医療保障等の保険は前年度比で300%と急増しています。そのため契約数等から考えると評判は良さそうです。
さらに生命保険協会の苦情数のデータでも、メディケア生命全体に寄せられた苦情数は1630件(2021年度第3四半期実績)で、総顧客数の59.2万件で割った苦情率は0.15%と低めです。1000契約のうち1.5件で苦情が発生している計算です。他社の苦情率は0.2~0.3%台が多いため、苦情数で考えても評判は良いと考えられます。
その一方で調査会社のJ.D.パワーの「2022年 生命保険契約満足度調査(ダイレクト型チャネル)」では、メディケア生命は7社中で6位で顧客からの満足度は低いです。ダイレクト型で2位のオリックス生命が対面型のランキングでは22社中8位のため、メディケア生命は全体で考えても業界平均以下と考えられます。この調査は保険を新規購入・更新した約6000人を対象としており、数十人程度の口コミよりも信頼が置けます。
ただ、もう1つのオリコンの2022年医療保険ランキング(8000人対象の調査)では、25社中で11位とJDパワーの調査と異なり中位に入っています。この調査は、加入手続き・商品内容・保険料・アフターフォロー・受取額とスピードの5つが評価項目です。保険料・受取額とスピードへの評価は高めですが、アフターフォローへの評価は絶望的に低いです。25社中で最低に近い数字になっていました。
さらに30人のFP(ファイナンシャル・プランナー)を調査対象にしたオリコンの「引受基準緩和型医療保険ランキング2021」では、メディフィットReは10社中2位とトップ3に入ります。この調査では保険料・保障内容の独自性・商品内容の充実度が評価項目となっています。プロの目から見れば総合的には高評価なのでしょう。
以上のデータから考えると、メディフィットReに対する評判は良さそうですが、メディケア生命全体での評判は普通か少し悪いと考えられます。契約数等から考えて保険自体には問題ないのでしょうが、加入後の保険会社の対応が悪い可能性が高そうです。このあたりが苦情率が低くとも顧客満足度が低い点に繋がっているのでしょう。
総合評価・おすすめか?
結論としては、メディフィットReは悪くない保険です。デメリットもあるにはありますが、総合的に考えると保険料は安めで最低限の保障は揃っているからです。特約に不足感があっても、欠けている特約に魅力を感じない人には無関係ともいえます。
メディケアにない特約を付加したい人は、保障内容のわりに保険料が安いネオファースト生命が候補になります。特約が数多く用意されていますが、保険料が安いため特約を付加しても負担感はありません。さらに認知症までカバーできるメットライフや、生活習慣病までカバーできるアフラックの保険もあります。