マスミューチュアル生命/ 一時払い定額年金保険の利率・利回り・保険料・基本年金額を評価 レビュー

マスミューチュアル生命 金利変動型年金
オススメ度:
3
保険会社:
マスミューチュアル生命
名称:
悠々時間アドバンス(アットウィル・ピースフルデイズ・みらいの果実)
契約年齢:
0~89歳
年金支払:
5~40年
利率:
0.75% ※5年
特徴:
ご契約時に年金額が確定する安心とご自分だけの年金プランが作れる

マスミューチュアル生命 金利変動型年金は条件付きだが検討の余地アリ!

マスミューチュアル生命の個人年金保険(積立利率金利変動型年金)は、金融窓口(地方銀行かメガバンクか証券会社)限定で販売されており、インターネットからは契約できないため注意したい。また、販売会社によって名称が異なるが、名称は異なるが基本的な中身(利率)は同じだ。以下、マスミューチュアル生命の個人年金保険の概要を記載し他社と比較する。

マスミューチュアル生命 金利変動型年金の仕組み及び保険料・基本年金額など

まず金融窓口限定のため、自分が口座を持つ銀行が扱っているかを確認した方がいい。名称は大和証券ではアットウィル、三菱UFJモルガンはエムソリューション、三井住友銀はピースフルデイズ、みずほ銀はみらいの果実、SMBC日興はマスフィエスタプラス、その他の銀行では悠々時間アドバンスになっている。また、外貨建てを選択できるが、為替リスクが発生する点に注意したい。甘く見ているかもしれないが、ドル/円が100円から85円になれば15%の損失になり、金利分の運用益が吹き飛ぶ可能性もある。

さて年金の受取期間は5~40年と広い一方、据置期間は0~10年と他社と同等だ。左図の確定年金プランの例では、1,000万払い込みで21年間で1,011万円の年金を受け取っている。これを利回り換算すれば0.03%でしかない(他社比較は後述)。据置期間を長くすることで利回りは上昇するため、据置期間は可能な限り長くしておいた方がいい。また、この保険の控除率(金融窓口の手数料)は4%と他社より高い。そのため据置期間と年金受取期間を合算して10年程度だと、一時払いで支払った保険料が受け取る年金の総額を下回る可能性まである点は覚えておきたい。

次に下図で各社の一時払い定額年金保険を、加入できる年齢・年金支払い期間(年金を受け取る期間)・取り扱っている金融窓口・5年ごと利差配当(保険会社が予定より利益が出た場合に、5年ごとに契約者に支払う上乗せの年金)などで比較した。参考までに苦情率(苦情数÷契約数 ※生命保険協会公表)を算出し、契約した場合に自分が苦情を言う可能性も考慮した。

さらに、据置期間が5年・10年・15年の場合の2014年現在の利率と利回りでお得さを比較した。利回りは公表していない保険会社も多いため、一般的な数字である控除率(金融窓口の手数料など)が2%、運用期間中の運用費用が1%を使い、これらが差し引かれることを考慮して推計で10年確定型で算出した。

名称 日本生命
マイドリーム
第一フロンティア
プレミアハピネス
富国生命
フコク定額
マスミューチュアル
個人年金保険
明治安田
堅実ねんきん
明治安田
たしかな計画
年齢 ~84歳 ~85歳 ~80歳 0~89歳 ~87歳 45~75歳
支払期間 10年 3年・5年・10年 5年・10年 5~40年 5年・10年・15年 5年・10年・15年
金融窓口 三菱UFJ
信金・地銀
地銀
第一生命
- 証券会社
メガ・地銀
メガ・地銀 -
5年ごと
利差配当
なし なし あり なし あり あり
特約 年金払い
代理請求
- - 代理請求
新遺族
年金払い
後継
-
苦情率 0.56% 0.22% 0.62% 0.69% 0.46% 0.46%
据置5年
利率・利回り
- 0.39%
0.05~0.09%
- 0.75%
(マイナスか0.07%?)
0.5%
(0.05%)
0.5%
(0.05%)
据置10年
利率・利回り
0.47%
(0.06%)
- 1.01%?
(0.26%)
0.75%
(0.09%?)
- -
据置15年
利率・利回り
0.57%
(0.29%)
- 0.43%
(0.33%)
- - -
一時払い定額年金保険の保障・保険料・利率の比較表(日本生命マイドリーム・第一フロンティア生命 プレミアハピネス・富国生命フコク定額・マスミューチュアル個人年金保険・明治安田生命 堅実ねんきん・明治安田 たしかな計画)

上図で右から3番目のマスミューチュアル生命だが、契約できる上限年齢は89歳までと広く年金受取期間は5~40年と他社より広い。5年ごとの利差配当は存在しないが、利率は都度変動するため利差配当が無くても運用が上手くいけば、その分だけ利率が上昇するため問題ない。一方で気になるのが苦情率の高さで、これは明らかに高い部類に入る。年金保険自体に苦情になる要素が少ない(生死だけが問題のため)なく、マスミューチュアルの主力は年金保険のため低くてしかるべしだが。。。推察するに外貨建ての為替リスクの説明、解約返戻金が一時払い保険料を下回るケースなどで苦情が起きている可能性がありそうだ。

お得さを表す利率・利回りだが、利率は2014年現在で0.75%と高く利回りでは0.09%程度が予想される。ただし、控除率が他社より高いため据置期間10年でも受取期間によってはマイナスもあり得る。この高い利率を享受するには据置期間10年で受取期間が20年以上は欲しいところだ。

結論としては、前述した条件付きではあるが、利率が高いため検討の余地は十分にある。ただ、利回りは決して定期預金や個人向け国債などよりも突出して高くはない。高い利率を求めるなら他の金融商品も検討した方がいい。もちろん、その分だけリスクは増すが、前述の例のように20年間で10万円だけ増えることに意味があるかは改めて考えた方がいい。