MHAM トリニティオープン(毎月決算型)『愛称:ファンド3兄弟』/ みずほ投信投資顧問
- オススメ度:
- 運用会社:
- みずほ投信投資顧問
- 商品名:
- MHAM トリニティオープン(毎月決算型)『愛称:ファンド3兄弟』
- 地域/決算:
- グローバル / 年12回(毎月分配型)
- 対象資産:
- 不動産・債券・株式
- 基準価額:
- 5,335円(2012年2月2日付け)
- 手数料:
- 1.5%(申込手数料 ※SBI証券) 1.15%(信託報酬)
MHAM トリニティオープン(毎月決算型)は基準価額も想定利回りも厳しい!
この投信は、不動産(リート)と債券と株式の3分法で運用している投信だ。ただし、3分法とはいえ債券が50%を占め、株式が残り20%、リートが25%の比率になっており、野村の世界三資産の70%には及ばないものの、債券に大きく依存しているのは間違いない。
また、株式は国内株式、リートもJリートのみと日本への投資比率も高い。また、過去1年を振り返ると、分配金は毎月分配型(年12回)で近々は毎月20円を出している。ただし、2011年11月までは25円の分配金を出しており、さらに過去を振り返れば2010年12月までは30円、2009年10月までは23円で、上下を繰り返している。他社との主な相違点・特徴は下記3点。
①財産3分法でも債券への投資比率が高い
②国別の構成では日本の比率が高い
③想定利回りは低めで、基準価額の騰落率のマイナス幅が大きくマイナス運用になる可能性あり(後述)
まず基準価額だが、横バイに見えるが、騰落率では1年でマイナス8%のためマイナス幅は他社の3分法よりも大きい。債券の比率が高いわりにイマイチな騰落率だ。。。分配金再投資額で見ても、大きく伸びているわけではなく、このままズルズルと下降してもおかしくない雰囲気だ。
一方で純資産は減少が止まらず、このまま減少は止められそうにない。分配金が再び増加するのは難しいかもしれない。
この投信の上位の組み入れ銘柄は左図。50%を占める海外債券ではアメリカ・ユーロ建て(フランス・ドイツ)の比率が高い。
株式(国内株式)では、インデックス系ではないのだが、TOPIXや日経225の採用銘柄になっているような大企業が名を連ねている。業種はバラついているため、ある程度のリスクヘッジは効いていそうだが。。。
Jリートも同様で、規模の大きい有名企業が並んでおり特別な特徴は見られない。ただしチャート的には下降線を辿っている。。。
この投信でも25%を占めるJ-REITの純資産額は上下はあるものの、2007年のピークを機に減少している。2010年からの日銀の買い入れで、純資産は微増しているが、勢いは感じられない。
一方で、利回りは東証株式や国債よりも高く、各国比較でも米国やイギリスよりも高い。米国リートやワールドリートに注目が集まっているが、改めて日本の不動産市場も見直す余地はある。
2011年は、一部の大型物件が販売を停止したこと等から低迷を続けているが、J-REIT自体の物件取得の勢いはあるので、2012年は徐々に指数は上がるかもしれない。また、日銀の買い入れるJ-REITは残り数百億は残っているので、日銀の買い付けを機にした指数上昇も見込める。
次に、基準価額、騰落率、手数料、信託報酬、分配利回り、100万円分を5年運用して解約した際の利益額も比較する。その計算式は下記だが、分配金は2012年現在の金額から変動しないと考える。
「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」※信託財産留保額は投信解約時に発生する解約金
最後に、基準価額の増減も加味して5年後に100万円の元がとれるか?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の騰落率が、今後の5年間も繰り返すと仮定し、分配金も現状維持だとした場合に、運用していた100万円が5年後に赤字か黒字かを検証した。
計算上での考え方は以下の通り(面倒な方は読み飛ばして頂いて構いません)
「過去1年間の基準価額の騰落率がマイナス5%で、現在の基準価額が10,000円とすると、1年後は9,500円(10,000×95%)、2年後は9,025円(9,500円×95%)、3年後は8,573円・・・・・と基準価額は減少すると仮定する。5年後の減少した基準価額×口数(=目減りした資産)に、5年分の分配金を足すと100万円を超えているか否か?」これらを他社の財産3分法型の投信(純資産ランキングで上位4商品)と比較した。
商品名 | 日興 財産3分法ファンド |
三井住友 グローバル3資産 ファンド |
日興 世界の財産3分法 ファンド |
野村 世界三資産バランス ファンド |
みずほ MHAMトリニティ オープン |
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基準価額 | 4,859円 | 4,755円 | 4,854円 | 6,714円 | 5,335円 |
騰落率 | -9.0% | -3.0% | -8.0% | 0.03% | -8.6% |
手数料 | 1.5% | 2.1% | 1.5% | 1.0% | 1.5% |
信託報酬 | 0.99% | 1.47% | 0.99% | 1.15% | 1.15% |
分配利回り | 16.3% | 7.4% | 6.4% | 3.3% | 3.3% |
信託財産 留保額 |
0.3% | 0.25% | 0.2% | 0.15% | 0.2% |
5年分の 利益額 |
796,875円 | 344,640円 | 304,328円 | 154,414円 | 150,430円 |
100万で 5年運用 ※基準価額増減考慮 |
1,420,908円 | 1,203,374円 | 963,410円 | 1,155,915円 | 788,298円 |
上図の通り「MHAM トリニティオープン(毎月決算型)」の想定利回りは他社よりも低く、さらに基準価額の騰落率でもマイナス幅が大きい。分配金だけの利回りで考えれば野村と大差は無いが、野村の騰落率がかろうじてプラスを維持している結果、結構な差が出てきてしまいマイナス運用になる可能性が高そうだ。上図には無いが、基準価額を考慮しての最終予想利回りはマイナス4.6%程度で数字面では厳しい。
最後に結論だが、この状況では今からの購入は厳しい。日本の比率が高いだけに日本経済の復活次第というところもあるが、それでも現在のマイナス幅を埋めるだけの勢いは出そうにない。単純に利回り重視であれば日興の財産3分法、安定力なら三井住友の3資産に手を伸ばした方が無難か。。。現在保有中の人は、やはり他投信への乗り換えを検討するしかないだろう。いずれ分配金が出なくなってもおかしくない現状では、保有し続けても損が膨らむ可能性を否定できない。もう少し様子見するにしても分配金が再び減少したらば本格的に考えるべきだろう。