イーストスプリング・インド株式オープン(PCAインド株式オープン)/ イーストスプリング・インベストメンツ
- オススメ度:
- 運用会社:
- イーストスプリング・インベストメンツ(旧 PCAアセット・マネジメント)
- 商品名:
- イーストスプリング・インド株式オープン(旧 PCAインド株式オープン)
- 地域/決算:
- インド / 年1回
- 対象資産:
- 株式
- 基準価額:
- 16,387円(2017年7月)
- 手数料:
- 0%(申込手数料 ※二浪証券) 1.22%(信託報酬)
イーストスプリング・インド株式オープンは諸経費が他の投信より安い?
この投信は「PCAインド株式オープン」という名称だったが、PCAアセットがイーストスプリングへと車名変更をしたため「イーストスプリング・インド株式オープン」という名称になった。以下で基準価額や他社の同型の投信とパフォーマンス等を比較していく。
まず基準価額だが、2015年に地獄を見るような下落があったが、今は元の水準に戻ろうとしている。他の同型の投信と同様で、為替とインド株式市場の好調に支えられての上昇だ。分配金再投資基準価額と乖離しているが、これは06~08年に1000円超の分配金を出していたためで、2011年以降は分配金は0円となっている。
純資産は減少していたが、基準価額の上昇と共に増加してきている。他社には横ばいの投信もあるだけにポジティブな材料といえる。
この投信が投資している銘柄だが、業種別の比率では金融がトップ、次いでソフトウェア・素材・エネルギーの比率が高い。かつて存在した一般消費財/サービスが消え、医薬品・バイオが上位に入った。また、金融関連に対する投資比率が30%と他社より高かったが、今では20%程度に抑えられている。
個別銘柄では世界銀行とインド政府が設立したICICI銀行がトップだが、これは他社の同型の投信でも上位にあることが多い。トップ10にはタバコ製造から始まり、現在は食品・アパレル・教育·文具製品・お香とマッチ・ホテルと事業を多角化している「ITCリミテッド」も入っている。お香は宗教心が強いインドにおいては大きなマーケットでもあり今後も堅調な成長が期待される。
今後のインド経済の見通しだが、四半期ごとの数字ではバラつきがあるが、概ね年率では5~6%程度の成長は維持している。ただ、インドのGDPの算出基準は事あるごとに変更されており、信憑性に疑問を抱いているアナリストも存在する。
さらに、製造業・サービス業PMIは節目の50を割っている局面が多く、消費者物価も右肩下がりになっている。株価こそ上昇しているが、決して完全な好景気ではなく随所に不安な材料が転がっている点は忘れずにおきたい。
次に純資産ランキング上位のインド株式型の投資信託と、基準価額・直近1年の騰落率・手数料・信託報酬・信託財産留保額・分配金額(手数料等を差し引いた金額)で比較した。分配金が運用による収益から捻出しているかを確認するため、日経新聞でも度々記載される分配金の健全度・健全率(分配金に占める利子配当収入等の割合)も過去6ヶ月の数字で比較した。さらに、この投信を100万円分だけ購入して3年後の解約時には幾らになるか?を、過去1年間の基準価額の騰落が今後3年繰り返すと仮定してシミュレーションした。最後に過去3年の騰落率と分配金を加味し、予想利回りのレンジと最終予想利回りを算出した。
商品名 | HSBC インドオープン |
イーストスプリング インド株式 |
アムンディ りそなインド |
野村 インド株投資 |
イーストスプリング インフラ株 |
---|---|---|---|---|---|
基準価額 | 20,809円 | 16,387円 | 10,531円 | 26,320円 | 10,161円 |
騰落率 | +30.9% | +28.2% | +26.9% | +29.7% | +25.8% |
分配金再投資 騰落率 |
+32.7% | +28.2% | +26.9% | +32.1% | +25.7% |
手数料 | 3.0% | 0% | 3.0% | 3.0% | 1.5% |
信託報酬 | 2.0% | 1.22% | 1.13% | 2.0% | 1.22% |
信託財産 留保額 |
0% | 0.5% | 0% | 0.5% | 0.5% |
1年間の 分配金額 |
14,417円 | 0円 | 0円 | 18,997円 | 0円 |
分配金の 健全度 |
0% | 0% | 0% | 0% | 0% |
3年間の 分配金額 |
-46,749円 | -41,600円 | -63,900円 | -38,009円 | -56,600円 |
3年後の 100万円 分配金除く |
2,242,947円 | 2,106,998円 | 2,047,415円 | 2,181,825円 | 1,990,866円 |
予想利回り | 9.9% (-45%~35%) |
7.3% (-40%~30%) |
5.6% (-35%~28%) |
8.9% (-40%~35%) |
4.6% (-40%~28%) |
上図で「イーストスプリング・インド株式オープン」を比較したが、他社の同じタイプの投信と比較して基準価額の上昇幅は見劣りしない。さらに手数料は証券会社・銀行によっては0%で、信託報酬も2%を切るなど諸経費面でも悪くない。分配金こそ出ていないが、基本的な数字面では悪くない。
最終予想利回りは7%と控えめにしたが、ここ数年のパフォーマンスを維持できるならプラス30%も夢ではない。ただし、逆に振れればマイナス30%どころかマイナス40%もありえる。過去の実績を見れば十二分にありえることのため、撤退を考えたらスムーズに行う必要がある。
結論としては、諸経費が安く投資している株式銘柄にも光るものがあるため、その意味では上々の投信といえるだろう。他社よりも劣る面もあるが、検討の余地は十分にある。ただ、いかんせん投資先は新興国であるインドのため、政治・経済面で不安定なところがある点を忘れずにおきたい。また、今後の世界的株安の局面では通貨のルピーが大幅安になることが予想されるため、購入するにしても少額に留めるか、下げ始めたら即時撤退をする気構えが必須だ。