DIAM米国住宅関連株ファンド1209/ DIAMアセットマネジメント
- オススメ度:
- 運用会社:
- DIAMアセットマネジメント
- 商品名:
- DIAM米国住宅関連株ファンド1209
- 地域/決算:
- 日本 / 年1回
- 対象資産:
- 株式
- 基準価額:
- 11,165円(2013年3月7日付け)
- 手数料:
- 4.0%(申込手数料 ※野村證券) 1.50%(信託報酬)
DIAM米国住宅関連株ファンド1209は回復途上の米国住宅市場は明るい!
この投信は、米国の住宅関連株に投資し売買益や配当を収益にして、年1回の分配金を出す非常に珍しい投信だ。投資している住宅関連株は、住宅建設(住宅メーカー)から住宅販売会社、住宅素材・住宅関連用品の販売会社まで住宅関連全般で広い。ちなみに、リートが住宅・小売店・ショッピングモールの賃料を収益としている点で、同じ住宅に関わる投信といえど中身は大きく異なる。分配金だが、投信が設定されスタートしたのが2012年9月で1年経過しておらず、未だ分配金は出ていない。
まず基準価額だが、2012年9月スタートのため判断は難しい。米国の代表的な株価指数であるダウ工業株指数が、同時期から現在まで5%程度の上昇である点からすれば上出来でもあるが、リーマンショック以降に最も落ち込んだ住宅株の復活にしては物足りない印象もある。
純資産は横ばいで推移している。米国の株価が上昇しているため、個人投資家からのマネーが流入していても不思議ではないが、販売会社の野村証券が力を入れていないのかもしれない。
次に、投信を構成する住宅関連企業の株式だが、トータルで33銘柄と少数に絞られている。さらに業種別比率にすると建設が45%でトップ、次いで千節資材、住宅関連用品が続く。何にせよ、米国の住宅需給に投信のパフォーマンスは大きく左右されることは間違いない。毎月発表される住宅着工件数・中古住宅販売件数等のニュースは気にしておいて損はないだろう。
個別の銘柄でトップは住宅建設メーカー「PULTE GROUP(パルトグループ)」で、同社は積極的に他社を買収しており、現在では源であるPULTEというブランド以外にCentex,DELWEBBという複数のブランドを持つ。もちろん棲み分けがなされておりDELWEBBはリタイア層向けで特にコミュティ形成も意識されている。2番手は日本でも展開している「HOME DEPOT(ホームデポ)」で、住宅設備の販売(キッチン・システムバス等)を販売している。両者共に、米国の住宅市場の回復に伴い株価は一時期の2倍まで上昇している。
米国の住宅市場の見通しだが、毎月発表される住宅着工件数・販売戸数などの指数は着実に良化している。需要が増しているため住宅の販売価格も上昇している。この投信を構成する住宅関連株には間違いなく追い風が吹いている。また、左図グラフでも分かる通り、市場が回復しているとはいえ、現在の着工件数はサブプライム問題前の着工件数と3分の1でしかない。まだまだ回復の余地はある。さらに米国は移民もあって人口が増加している数少ない先進国なのだが世帯数が伸びていない。これは米国人が経済情勢が悪く結婚・家庭を築くことを後回しにしたためと考えられており、この意味でも今後の需要増が見込める。FRBによる超低金利策もローンを組むにはプラス材料だ。
そういった環境下で、例えば、この投信も組み入れている「ホーム・デポ」の株価は2008-2009年の底からすると2013年現在まで3倍以上、2012年と比較しても1.5倍に上昇している。これからも市場環境からは大いに期待ができる。この投信の基準価額の上昇も大いに期待できる情勢といえよう。
次に、他社の業種限定の海外株式型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%あるかも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する0.5%の費用
商品名 | 野村 高配当インフラ株 通貨セレクト |
日興 資源ファンド レアル |
日興 資源ファンド ランド |
DIAM 米国住宅株 1209 |
ピクテ バイオ医薬品 ヘッジなし |
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基準価額 | 12,090円 | 5,814円 | 5,269円 | 11,165円 | 12,114円 |
増減率 | +20.9% | -24.5% | -31.8% | +11.7% | +18.6% |
手数料 | 4.0% | 3.0% | 3.0% | 4.0% | 3.0% |
信託報酬 | 0.88% | 1.00% | 1.00% | 1.50% | 1.90% |
分配利回り | 9.0% | 23.8% | 26.3% | -1.5% | 11.0% |
3年分の 分配利益額 |
226,367円 | 683,034円 | 759,890円 | -90,000円 | 299,330円 |
分配金と収益 比率 |
\100=? (?%) |
\120=\120 (100%) |
\120=\120 (100%) |
- | \130>\35 (26%) |
100万で3年運用 ※基準価額 増減考慮 |
1,993,539円 | 1,113,682円 | 1,077,697円 | 1,301,798円 | 1,966,654円 |
最終予想 利回り |
25.8% | 3.6% | 2.5% | 9.1% | 25.2% |
上図で「DIAM米国住宅関連株ファンド1209」を比較したが、基準価額はプラス11%と上々の出来だ。ただし、スタートから丸1年が経過していないため他社投信と完全に同じ秤には乗っていない点に注意したい。また、年1回の決算も迎えておらず分配金額も不明で、やはり今後のパフォーマンスが明らかにならないと正確に他社投信との比較はできない。その他、手数料・信託報酬は高額な点も注意しておく必要がある。不明な数字も多いが、一応は基準価額は上昇しており、分配金が0円だとしても最終予想利回りでは9%という数字が計算上では出てきた。この投信が投資しているのが株式のため、さすがに上下はあるだろうが、見かけの数字は悪くはない。
結論としては、不明瞭な数字は多いがオススメできる可能性を秘めた投信といえる。やはり米国の不動産市場が上向きで、回復しているとは伸びしろは十分に残っている点を評価したい。前述のホームデポのような上昇が続く可能性は否定できまい。ただし注意したいのが、いくら不動産市場・業績が良好であっても株式市場全体が下落するような要素(先般の欧州債務危機・中国経済失速など)が出れば、容赦なく株式は下落する点だ。そのため、この投信のような株式型投信の場合は、今まで積み上げた基準価額が一気に10,000円割れ、8,000円台に突入することもありうる。それを踏まえた上での購入を薦めたい。そのため、購入するにしても小額に留めておくのをリスク管理の面からオススメする。