ブラックロック・ゴールド・ファンド/ ブラックロック・ジャパン

ブラックロック・ジャパン/ブラックロック・ゴールド・ファンド
オススメ度:
3
運用会社:
ブラックロック・ジャパン
商品名:
ブラックロック・ゴールド・ファンド
地域/決算:
日本 / 年1回
対象資産:
株式
基準価額:
7,764円(2013年3月7日付け)
手数料:
2.0%(申込手数料 ※三菱UFJモルガン) 2.00%(信託報酬)

ブラックロック・ゴールド・ファンドは今後の景気後退局面を見越せば!

この投信は、南アフリカ、オーストラリア、カナダ、アメリカ等の金鉱企業の株式に投資し、その売買益や配当を得て基準価額の上昇を狙い分配金を出す投信だ。金鉱企業とは、金の採掘や精錬を生業としている企業で、その中でも金埋蔵量、産金コスト等を推計分析して割安な銘柄に投資しているようだ。金価格と金鉱株の価格は基本的に連動するため、金鉱企業の収益は金価格が上昇すれば増加、下落すれば利益減となる。さて分配金だが、年1回決算で直近の2013年1月は0円、2012年1月も0円であった。2011年までは1,800円から最大で3,500円まで出していた。金市場の悪化が無配の原因だ。

ブラックロック・ゴールド・ファンドの基準価額の推移チャート

まず基準価額だが、他社の海外株式に投資するセクターファンドとは異なり円安効果による基準価額の上昇は見られない。それよりも世界的にリスクを取るムードが広がり、リスク回避の資産(安全資産)である金が売られ、金価格の下落が響いて基準価額を押し下げているようだ。もちろん、金価格はリスクオフorオンだけでなく、ジョージ・ソロスのような米国の著名投資家の投機的な売買にも大きく左右される点に注意したい。

純資産は2010年の欧州問題と中国・米国景気後退が懸念されていた時期をピークに減少し、現在は横バイで推移している。金の特性上、再び景気後退局面に達しなければ増加は難しそうだ。

ブラックロック・ゴールド・ファンドの上位構成銘柄及び業種比率

この投信が組み入れている株式だが、国別ではカナダへの投資比率が50%超と高く、次いでオーストラリア・ジャージィー・イギリスが続く。実際に金の産出量ではトップから中国・オーストラリア・アメリカ・ロシアだが、探査開発・加工には技術力のあるカナダ企業が力を有しているようだ。また、ジャージィーという国は聞き慣れないが、イギリス直下にある金融業が大半を占める島国で、金融だけにリスク回避の金にも積極的だ。豆知識になるが、ジャージー牛乳・衣服のジャージの起源となったことでも知られている。

個別銘柄でトップはニュークレスト・マイニング(Newcrest Mining)で、産金量で世界10位を誇る豪州で最大の産金企業だ。売上高は25-30億豪ドル、純利益も3億豪ドルと利益率も高い。ただ、この投信のチャート同様に株価は2011年の40ドルから現在は20ドルまで下落しており厳しい状況だ。

金相場の動向

今後の金の見通しだが、まず基本としてリスク回避志向となった場合には金価格は上昇し、リスク許容志向となれば金価格は下落する。ちなみに原油は反対の動きを示すことが多い。また、こちらは一概には言えないが、ドル相場とも相関関係がありドルの代替資産と呼ばれる金は、ドル高局面では価格が下落する傾向にある。この考えは大口投資家の投機ポジションからも分かる。2012年秋の欧州問題が燻る中では買いが旺盛で、2013年春のような株高でリスクを取る局面では売りに傾いている。

さて、現在のようなNYダウ以外にも世界的に株価が高い局面にあっては金に活躍の場面は無い。ただ、価格が下落中とはいえ2009年から見れば上昇基調には間違いなく、2013年現在の状況は絶好の買い場ともいえなくもない。完全に悪い状況ではないということだ。

次に、他社の業種限定の海外株式型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%あるかも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する0.5%の費用

商品名 野村
高配当インフラ株
通貨セレクト
日興
資源ファンド
レアル
DIAM
米国住宅株
1209
ピクテ
バイオ医薬品
ヘッジなし
ブラックロック
ゴールド
ファンド
基準価額 12,090円 5,814円 11,165円 12,114円 7,764円
増減率 +20.9% -24.5% +11.7% +18.6% -15.7%
手数料 4.0% 3.0% 4.0% 3.0% 2.0%
信託報酬 0.88% 1.00% 1.50% 1.90% 2.00%
分配利回り 9.0% 23.8% -1.5% 11.0% -2.0%
3年分の
分配利益額
226,367円 683,034円 -90,000円 299,330円 -60,000円
分配金と収益
比率
\100=?
(?%)
\120=\120
(100%)
- \130>\35
(26%)
-
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,993,539円 1,113,682円 1,301,798円 1,966,654円 519,265円
最終予想
利回り
25.8% 3.6% 9.1% 25.2% -19.6%
海外株式型の特定セクターファンドの比較表(野村高配当インフラ関連株(通貨セレクト)・日興 資源ファンドレアル・日興 資源ファンド ランド・DIAM米国住宅株1209・ブラックロック・ゴールド・ファンド)

上図で「ブラックロック・ゴールド・ファンド」を比較したが、さすがに状況は厳しい。まず基準価額が1年前の2012年3月の9,209円から現在の7,764円まで15%も下落している。さらに分配金も0円で、日興・資源ファンド等とは異なり基準価額を削って分配金を出しているわけでもない。純然たる損失が膨らんでいるのが分かる。やはり前述したような金市場が後退しているのが響いている。基準価額のマイナスが今後も続くとすると、計算上は3年後には資産が半分近くまで減少してしまう。数字面では、とてもではないが今から購入できる投信とは言い難い。。

結論としては、現在のような株高局面では購入には慎重になった方がいいだろう。金の特性を理解すれば今後の株安局面を見越して購入するのは選択肢としては十分にアリだが、特に米国経済が回復途上で堅調な中では、今が買い時のベストか否かの判断は難しい。とはいえ、それでは何時まで経っても購入はできないため、現在は株・投信などを含めて景気上昇でパフォーマンスが上昇するもので固めているなら、いざという時のために今から仕込んでおいてもいいだろう。また、円安・株高局面においては突発的なマイナス要因(ブラックスワン)に一抹の不安を抱えるものだが、この投信で精神的に優位になる効果も期待できる。