三井住友・グローバル・リート・オープン 愛称:世界の大家さん / 三井住友アセットマネジメント

三井住友アセットマネジメント・三井住友グローバルリート・オープン 愛称:世界の大家さん(世界大家)
オススメ度:
3
運用会社:
三井住友アセットマネジメント
商品名:
三井住友・グローバル・リート・オープン 愛称:世界の大家さん(世界大家)
地域/決算:
海外 / 年12回(毎月)
対象資産:
不動産投信
基準価額:
4,787円(2012年8月2日付け)
手数料:
0%(申込手数料 ※楽天銀行) 1.59%(信託報酬)

三井住友・グローバルリートオープンは純資産が増加し続ける今がチャンス?

この投信は、世界各国の不動産からの賃料収入や売却益を収益とするリートに投資している。ラリート、国際投信ワールドリートと同様に日本も投資対象に含まれている。また、米国への投資比率を30%程度に抑えており、これはワールドリート内では特に低い比率だ。現在の分配金は毎月80円だが、分配履歴を辿ると2010年9月までは50円で10月から80円をキープしている。いくつかの他社ワールドリートが2011年夏から減額している点を考えれば、よく健闘している。

三井住友・グローバル・リート・オープン 愛称:世界の大家さん(世界大家)の基準価額及び純資産の推移チャート

基準価額だが、近年は2011年の欧州債務問題と急激な円高、2012年前半は欧州に加え米国経済の失速などで一段の下落があった。ただし、2009年からの推移で見れば概ね上昇傾向にあることは間違いない。主に米国のサブプライムからの復活が起因しているといえる。

純資産は2011年から下げが止まらないリートもある中で、現在も増加傾向にあり非常に心強い。三井住友銀行が積極的に販売しているのかもしれない。何にせよ当面は分配金の減額は考えずに済みそうだ。累積投資額も、引き続き緩やかに上昇すると見ていいだろう。ただし、一転して減少し始めるようであれば見極めが必要になる。

三井住友・グローバル・リート・オープン 愛称:世界の大家さん(世界大家)の基準価額及び純資産の推移チャート

国別の比率で米国・豪州・欧州が高い点は他社同様だが、日本の比率が高いのは特徴的だ。日本のJリートの規模は米国・豪州には及ばないが、比較的新しく設立されたリートで拡大の余地がある。また、業種比率でヘルスケアがオフィスよりも比率が高い点も魅力といえる。

上位構成銘柄は、ウェストフィールド、ウニベイル、HCP等の他社にも組み入れている有名企業が並んでいるが、その中でもヘルスケアが多い。どの企業も病院だけでなく、高齢者用住宅(サービスアパートメント)や、米国で浸透しつつある予防医療(健康医療)の施設にも参画している。まだ時間は要するだろうが、日本同様に高齢化社会が進みつつある米国・欧州では確実に成長する分野ではある。株価も、近10年では上昇基調、ベンタスなどは2003年の株価10ドルが、現在は60ドル台で6倍に膨らんでいる。目のつけどころは流石だ。

今後の見通しだが、米国経済・リートの現状は「ラサール・グローバルREIT」「国際投信ワールドリート」を参照して欲しい。次に比率が高いオーストラリ経済・Aリートは「DIAMワールドリート」を、英国経済・リートは「ダイワ・グローバルリート」を参照して欲しい。

次に、他社のワールドリート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料・信託報酬(税抜き)、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。

計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

商品名 ラサール
グローバルREIT
国際投信
ワールドリート
オープン
ダイワ
グローバルREIT
DIAM
世界リート
インデックス
三井住友
グローバルリート
世界の大家
基準価額 3,651円 4,153円 3,369円 3,677円 4,787円
増減率 -16.8% -16.8% -10.5% -6.7% -14.6%
手数料 1.2% 0% 1.5% 2.5% 0%
信託報酬 1.50% 1.55% 1.48% 0.85% 1.59%
信託財産
留保額
0% 0% 0% 0.5% 0.5%
分配利回り 18.2% 17.2% 12.8% 10.6% 18.5%
3年分の
利益額
546,619円 516,948円 383,027円 317,171円 553,929円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,111,425円 1,093,082円 1,084,513円 1,099,368円 1,170,895円
最終予想
利回り
3.58% 3.01% 2.74% 3.21% 5.40%
ワールドリート型の投信の比較表(ラサールグローバルリート・国際投信ワールドリートオープン・ダイワグローバルリート・DIAM世界リートインデックス・野村グローバルREITプレミアム)

上図の通り「三井住友・グローバルリート」は、ラリートを超える分配利回りを誇る。さらに信託報酬こそ高額だが、手数料が安価な点も後押しする。また、基準価額のマイナス幅はダイワ・DIAMよりも大きいが、ラリート・国際投信よりも小さい。つまりは同じように資産(基準価額)を減少させていても、運用益で上回っていると考えられる。その結果、分配利回りだけでなく基準価額のマイナス幅を考慮した最終予想利回りでもトップの利回りだ。数字面では間違いなく他社より優秀だ。

結論としては数字面は優秀、復興需要が見込める日本のJリートが含まれている点もパフォーマンス上昇の一助となる可能性が高く、これからの購入を検討すべき投信といえそうだ。さらには、他社ワールドリートが軒並み純資産が減少し始めている中で、この投信だけが増加を続けている点は、理由はともかく分配金を考えれば心強い。1~2年であれば安心して保有し続けられるはずだ。現在保有中の人は、もちろんキープだ。純資産が明らかに減少を始めた段階か、分配金の減額、もしくは2011年時のような驚異的な円高局面までは待ちたい。ただ、最後の円高は、現在の75円~80円レンジからの急激な円高となると、60円台に突入することを意味するため、その場合には腰が重い日銀・財務省もさすがに動くだろう。まず、ありえない展開ではあるが。。。