ダイワ日本好配当株ファンド/ 大和証券投資信託委託

大和証券投資信託委託/ダイワ日本好配当株ファンド
オススメ度:
2
運用会社:
大和証券投資信託委託
商品名:
ダイワ日本好配当株ファンド
地域/決算:
日本 / 年4回
対象資産:
株式
基準価額:
5,828円(2013年3月25日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※大和証券) 1.25%(信託報酬)

ダイワ日本好配当株ファンドは無駄な分配金と現況からして薦められない?

この投信は、日本企業のうち予想配当利回りが高い企業の株式に投資し、配当・売買益等で運用している投信だ。よく企業研究のうえ選別・取捨選択しているような記述が目論見書などに記載されているが、実際には株式市場全体を表す指数であるTOPIX(トピックス)に連動している。また、1月・4月・7月・10月の年4回で分配を行っているが、2009年7月までの35円、2011年7月までの25円から、2013円現在の15円まで着実に縮小している。もはや縮小は止まるりそうにない状況だ。

ダイワ日本好配当株ファンドの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、前述した通りTOPIXと連動した動きを見せている。近々は株高基調で上昇はしており、目を凝らすと累積投資額(分配込みの基準価額)では指数を上回っている。かろうじて指数を上回るパフォーマンスでファンドしてのメンツを保ったといえるか。

純資産は、一向に減少が止まる気配がない。もはやピーク時の6分の1になっている。年4回の分配とはいえ、ここまで資産が減ると分配金が増額されるのは夢のまた夢だ。

ダイワ日本好配当株ファンドの上位構成銘柄及び業種比率

この投信が組み入れている株式銘柄だが、トピックスと連動しているだけあって、東証一部に上場している大企業が92%と大半を占める。業種比率でも時価総額が大きい企業が多い銀行業・輸送用機器・電気機器の比率が高い。他社よりも卸業が高めで、三菱商事・三井物産。住友商事あたりが組み込まれているのかもしれない。

投資比率が高い個別銘柄では、他社投信にはみずほが無い中で、三井住友FG・みずほ・三菱UFJとメガバンクが揃い踏みだ。次いで自動車大手のホンダ・トヨタが続き、リコー・キャノンといった電気機器の大手の名も散見される。

今後の見通しだが、2013年春現在、日経平均で13,000円手前、トピックスで1,000ポイント超えとなると基本は上昇への期待よりも下落局面に気をつけたい。上は過去10年で高値圏でもみ合いをしていた16,000円近辺、下は近年で安値圏とされてきた8,500円近辺と考えられる。これからは3,000円の上昇に対して、下落では4,000円の下落がありうる。下落が怖い場合には少し様子見してから購入を薦めたい。また、他社投信のページになるが、チャートや経済情勢についての分析は「野村日本高配当プレミアム」や「フィデリティ日本成長株」等も参照してほしい。

次に、他社の日本株型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%あるかも投信の健全性として比較した。

さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 フィデリティ
日本成長株
ファンド
野村
日本ブランド株
レアル
野村
日本高配当株
通貨セレクト
JPM
ザ・ジャパン
ダイワ
日本好配当株
ファンド
基準価額 12,522円 9,405円 14,442円 36,517円 5,828円
増減率 +21.3% +3.8% +44.4% +59.3% +24.9%
手数料 2.0% 3.0% 3.5% 0% 3.0%
信託報酬 1.53% 0.88% 0.88% 1.70% 1.25%
分配利回り -1.5% 11.9% 7.4% -1.7% -0.2%
3年分の
分配利益額
-65,900円 321,375円 182,873円 -51,000円 -36,615円
分配金と収益
比率
- \100=\100
(100%)
\100=\100
(100%)
- \15>\10
(67%)
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,718,957円 1,438,539円 3,195,061円 3,992,224円 1,911,993円
最終予想
利回り
19.7% 12.8% 47.2% 58.6% 24.1%
日本株型(国内株式型)投信の比較表(フィデリティ日本成長株 ファンド・野村 日本ブランド株レアル・野村 日本高配当株 通貨セレクト・JPMザ ジャパン・ダイワ日本好配当株ファンド)

上図で「ダイワ日本好配当株ファンド」を比較したが、基準価額が1年前の2012年3月から24%の上昇を果たしているのは上出来ではある。ただし、為替益を上乗せした野村、ベンチャーに投資したJPモルガンと比較すると物足りなさは否めない。また、手数料が3%と高額な点、さらに分配金が出てはいるが、信託報酬を差し引くとマイナスになってしまっている点は問題だ。その分配金も運用報告を分析するに、15円にも関わらず収益で15円分を稼いでいる時もあるが、収益は6円分で収益外(資産)から9円分を持ち出して分配金を出している時もある。分配金の健全度かしてもマイナス評価だ。最終予想利回りこそ基準価額の上昇で24%という数字が計算されるが、これも2012-2013前半の状況が、2014年以降も継続すると仮定したものに過ぎない。現実的には5~10%で上出来、今からの購入ならTOPIXとほぼ連動している点からもマイナスも視野に入れておく必要があろう。

結論としては、直近は僅かに指数よりも高いパフォーマンスを遂げていたものの、他社投信に劣る利回り、明らかに無駄な分配金、構成銘柄にオリジナリティが乏しく、今後、他社を出し抜き、指数を遥かに上回るパフォーマンスが期待できない点からオススメし難い投信といえる。現在保有中の人も、累積投資額で1万円のスタート時点まで戻っている現在、大人しく他の投信に乗り換えた方が賢明な水準にあるといえる。