損保ジャパン 年金払積立傷害保険 ゆとらいふみらい(つなぎ)/ 年金払・積立傷害保険の保険料・給付金・補償内容を評価 レビュー
- オススメ度:
- 保険会社:
- 損保ジャパン
- 名称:
- 年金払積立傷害保険「ゆとらいふみらい(つなぎ資金プラン)」
- 保険料払込:
- 60歳まで
- 給付金受取:
- 5年間
- 返戻率:
- 108.3% ※40歳からの払い込みの場合
- 特徴:
- 公的年金を受け取る65歳までの間の生活資金を準備したいとお考えの方に
損ジャ 年金払積立傷害保険 ゆとらいふみらい(つなぎ)は数字面では上々!
損保ジャパンには積立傷害保険と年金払積立傷害保険の2つを販売しており、さらに年金払積立傷害保険「ゆとらいふみらい」には「つなぎ資金プラン」と「ゆとり資金プラン」の2つがある。この「つなぎプラン」は退職から年金受給までの"つなぎ"をするタイプだ。以下では、つなぎ資金プランの概要を記載し、他社の年金積立傷害保険と比較する。
まず、"つなぎ資金プラン"の背景だが、2013年から厚生年金・共済年金が受給できる年齢が段階的に引き上げられる。5年間をかけて1年ずつ引き上げられ65歳まで上昇する。一方、依然として退職年齢を60歳にしている企業が多いため、収入が途絶える5年間の狭間が発生する。この保険は狭間を補うのが目的といえる。
その補償内容だが、他社の年金払積立傷害保険と同様にケガによる入院・通院は補償外で、死亡・後遺障害の場合のみ保険金が受け取れる。保険金も少額で、年金払いで受け取る給付金の総額が保険金額となる。積立傷害保険とは異なり、資産運用に重きを置いているため、この点は諦めるしかない。保険料と年齢だが、基本的には1~3万円から選択して60歳まで支払うことになる。逆に、老後の5年間に毎月受け取りたい額から保険料を決めたい場合は逆算するしかない。もちろん、払い込む年数・金額が大きさと得する金額が比例する。また、三井住友海上のように5万・10万円のプランは選択できず、一気に保険料支払いを完了させる荒業はできない。
次に下図では各社の年金払積立傷害保険を、払い込み終了の年齢・給付金の受取期間、保険料と年齢に対して受け取れる給付金の総額と月額(40歳で毎月2万円支払い続けた場合・45歳で毎月3万円支払い続けた場合・50歳で毎月3万円を支配続けた場合の3パターン)、それらが貯金よりも得する額、得した割合を示す戻り率(返戻率)などを比較した。
さらに、本当に年金払積立傷害保険が定期預金・国債等よりも得なのかを検討するため、支払った保険料が1年に何%の利回りで運用されているかを計算した。年利回りは40歳時から保険料を支払い始め、払い込み終了の年齢まで支払い続けた数字を用いた。また、利回りが定期預金などの元本保証の金融商品に劣るなら、わざわざ年金払積立傷害保険を利用しない方がお得といえる。
名称 | 損保ジャパン ゆとらいふ (つなぎ) |
三井住友 年金払傷害 |
損保ジャパン ゆとらいふ (ゆとり) |
あいおい 年金払傷害 |
日本興亜 ゆとり樹 |
共栄 人生謳歌 |
- |
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払い込み終了 | 60歳 | 60歳 | 65歳 | 60歳 | 60歳 | 55歳 | - |
給付受取期間 | 5年 | 5年 | 10年 | 10年 | 5年 | 5年 | - |
給付金総額/月額 (40歳/毎月2万) |
\5,201,400 月額\86,690 |
\5,029,050 月額\83,817 |
\6,869,100 月額\57,242 |
\6,000,000 月額\50,000 |
- | - | - |
得する額 | \404,400 | \229,050 | \869,100 | \280,000 | - | - | - |
返戻率 | 108.3% | 104.7% | 114.4% | 104.8% | - | - | - |
給付金総額/月額 (45歳/毎月3万) |
\5,630,750 月額\93,845 |
\5,552,650 月額\92,544 |
\8,023,100 月額\66,859 |
\6,000,000 月額\50,000 |
- | - | - |
得する額 | \230,750 | \152,650 | \823,100 | \200,000 | - | - | - |
返戻率 | 104.2% | 102.8% | 111.4% | 103.4% | - | - | - |
給付金総額/月額 (50歳/毎月3万) |
\3,696,600 月額\61,610 |
\3,632,100 月額\60,535 |
\5,755,700 月額\47,964 |
- | - | - | - |
得する額 | \96,600 | \32,100 | \355,700 | - | - | - | - |
返戻率 | 102.6% | 100.8% | 106.5% | - | - | - | - |
年利回り (40歳スタート) |
0.40% | 0.23% | 0.54% | 0.23% | - | - | - |
年利回り (50歳スタート) |
0.26% | 0.08% | 0.42% | (0.21%) | - | - | - |
上図で1番左の損保ジャパンの年金払傷害保険(つなぎ)だが、同じく60歳からの5年間を補完する三井住友海上の年金払傷害保険と比較すると、どの年齢でも得する額(利益額)でも返戻率でも上回っている。得する額で考えると、40歳からで三井住友の2倍、45歳からで1.5倍、50歳から3倍の差がある。65歳まで支払う同社の「ゆとり資金プラン」と比較すると、さすがに見劣りするが、これは払い込み年齢と給付期間を合わせて10年の差があるため、やむを得ない差といえるだろう。
年利回りに換算すると、40歳スタートで0.40%、50歳スタートで0.26%となっており、なかなか優秀な数字ともいえる。しかし、40歳の利回り0.4%は定期預金よりは有利な水準ではあるが、個人向け国債(年利0.4%)と同等、50歳だと定期預金に近い利回りで運用したのと同じだ。自分の年齢が50歳以降なら好みによっては定期預金などの金融商品を選択するのもアリだ。
結論としては、年金払傷害保険は補償が横並びである以上は返戻率・利回りを重視せざるを得ない。そのうえで考えれば、悪くはない保険といえる。とりわけ60歳からの空白の5年間を埋める積立傷害保険は少なく、選択肢が限定されているため、この保険を選ぶしかないという側面もある。ただし、65歳まで保険料を支払えるなら、同じ損保ジャパン「ゆとらいふ」でも"ゆとり資金プラン"の方がお得なため、そちらを検討した方がいいだろう。また、前述したように50歳からの契約となると妙味は薄れる。他の積立保険はもとより、定期預金などとも併せて検討した方が賢明だ。