ワールド・リート・セレクション(米国) 愛称:十二絵巻/ 岡三アセットマネジメント

ワールド・リート・セレクション(米国)愛称:十二絵巻/岡三アセットマネジメント
オススメ度:
3
運用会社:
岡三アセットマネジメント
商品名:
ワールド・リート・セレクション(米国)愛称:十二絵巻
地域/決算:
北米 / 年12回(毎月分配)
対象資産:
不動産投信
基準価額:
2,827円(2012年6月11日付け)
手数料:
1.8%(申込手数料 ※岡三証券) 1.89%(信託報酬)

ワールドリートセレクション(米国)は目立たないが実は優秀な投信?

この投信は、米国のオフィスビル・商業施設・住宅などの様々な形態の不動産を運用しているリートへ投資し、それらが賃料収入や売却益で上げた収益から分配金を出している。ワールドリートという名称だが、投資対象地域は北米となっているため米国リートの1つである。また、ダイワなどの米国リートとは異なり、リート指数などと連動するわけではなく、実際の運用は、リーフ・アメリカ・エルエルシーというドイツ系のアメリカのリート専門の運用会社が行っている。

過去1年を振り返ると、分配金は毎月分配型で2009年から2012年まで変わらず毎月40円を出している。直近1年で合計480円の分配金を出していることになる。

ワールド・リート・セレクション(米国)の基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、2009年頃から3,000円前後で推移しており、かなり安定している。他社が大きく下落している中では貴重な存在だ。累積投資額(分配込みの基準価額)も横バイでなく、着実に増加している。

ただし、純資産は他社とは異なり減少し始めてはいるが、その分だけ累積投資額は伸びており、資産を分配に回しただけと予想される。

ワールド・リート・セレクション(米国) 愛称:十二絵巻の上位構成銘柄及びセクター別構成

さて、この投信の上位組み入れ銘柄だが、他社とは異なる構成になっている。サイモンがトップなのは同じだが、それ以外のヘルスケアREIT、ソブランストレージ、カムデンプロパティは他社には無い銘柄だ。これが、他社には無い安定感を出している所以と考えられそうだ。

その「ソブラン・セルフ・ストーリッジ」は、駐車場・オフィススペースの提供から、移動型のトラックスペースまで幅広く展開し、それを投資証券にしているようだ。株価は2009年に底値の14ドルをつけたが、現在は53ドルまで復活したが、現在は50ドル近辺で伸び悩んでいる。

アメリカの不動産(住宅)価格などの参考指標

米国市場だが、住宅ローン残高は減少し、クレジットカードなどの信用残高は増加しており着実に全体的に回復には入っている。これは一見すると矛盾した動きだが、日本人は家計が苦しい際にカードを使用する人も多いのが現状だが、アメリカ国民は、自分の家計収支云々は関係なく買い物をカード払いにする傾向がある。そのため、カード支払いが増加しているのは、買い物に積極的になっていると考えられ、プラス材料ということだ。

住宅は、価格下落や過剰在庫に歯止めがかかり始めている。ただし、ローン延滞の数は今でも多く、各種金融機関の貸し渋りは続いている。アメリカではリーマンショック以降に自己資本強化(バーゼル3)が策定されており、無茶な貸し出しなどが抑制されている影響もある。完全回復までは少し時間がかかりそうだ。

次に、他社の米国リート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。

計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

製品名 フィデリティ
USリート
新光
US-REITオープン
愛称:ゼウス
ダイワ
米国リート・ファンド
ダイワ
US-REIT B
岡三
ワールドリート
(米国)
基準価額 5,155円 4,274円 5,832円 4,953円 2,827円
増減率 -11.9% -18.6% -16.9% -16.2% -6.3%
手数料 1.7% 2.1% 3.1% 2.1% 1.8%
信託報酬 1.47% 1.60% 1.59% 1.59% 1.89%
信託財産
留保額
0.3% 0.1% 0.3% 0% 0.3%
分配利回り 21.8% 23.7% 25.2% 25.1% 15.1%
3年分の
利益額
654,251円 710,072円 754,769円 751,815円 452,674円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,317,105円 1,227,306円 1,293,902円 1,318,848円 1,253,575円
最終予想
利回り
9.62% 7.07% 8.97% 9.66% 7.82%
米国リート型の投信の比較表(フィデリティUSリート・新光US-REIT 愛称ゼウス・ダイワ米国リートファンド・ダイワUS-REIT B・ワールド・リート・セレクション(米国))

上図の通り「ワールド・リート・セレクション(米国)」は、基準価額は抜群に安定している。それを維持するためか信託報酬は最高額になっている。分配金利回りは他社よりも大きく劣るが、基準価額が安定しているため、比較的最終予想利回りは高めだ。ちなみに基準価額は1年前の2011年6月は3,018円、ほぼ半年前の2012年2月では2,870円だった。これは、他の米国リートのように、分配金を維持するために純資産を削りまくることはせずに、削るのは最低限に抑えて、あとは運用で分配金を出している可能性が高い。このままのパフォーマンスを維持できれば、安定感ではベストに近いといえそうだ。

最後に結論だが、長期での運用を望むのであれば検討の余地ありといえそうだ。このまま数年は、今の基準価額は3,000円前後、分配金は40円が続くのではないだろうか。いつも基準価額の下落にヤキモキしている人にも薦められそうだ。しかし、利回りにこだわる人、1年か長くて2年の短期決戦で利益を上げたい人は、物足りない数字なのも事実だ。そういった人は、同じUSリートでもダイワのUS-REIT Bやフィデリティをオススメしたいところだ。フィデリティも岡三ほどではないが、かなり安定した投信といえるため、中庸を取りたい人には良いかもしれない。