投資信託の分配金への税金のまとめ・概要

投資信託の分配金に課せられる税金で注意すべき点は!?

昨今では投資信託でも毎月分配型の投信が人気で、日経平均などの指数に連動する投信を除けば毎月分配型が人気上位を名を連ねる状況が続いている。それでは、投信の分配金には如何なる税金が課せられるのか?

投信のタイプによって税金は異なるが、現在の投信は契約型の公募追加型投信が最も一般的で大半を占めるため、このタイプの税金について記載していく。もしも自分が検討・保有している投信が公募追加型なのかを確認したい場合には、その投信のHPにある交付目論見書を見るといい。証券会社で公に募集されている投信は公募のため、目論見書に追加型と記載されていれば該当する。

まず分配金への課税を考える上では、分配金には普通分配金と特別分配金があることを抑える必要がある。普通分配金は個別元本を上回った部分から出る分配金で、特別分配金は個別元本を取り崩して出る分配金を意味する。噛み砕いた表現をするなら、前者は投信が儲かっているから個人投資家に支払われる分配金で、後者は儲かっていないのに個人投資家に支払われる分配金と言い換えてもいい。前者は儲けているため課税され、後者は元本を取り崩しただけのため課税されない。文字だけでは不明瞭なため下図の具体例を見て欲しい。

個別元本と分配前後の基準価額と分配金額にから計算する課税額と税率・税額

第一に、分配後の基準価額が個別元本(購入時の基準価額)を上回っているか?をチェックすることになる。上図の1段目の9000円の場合、分配後の基準価額である10000円は、購入時の9000円を上回るため、受け取った500円の分配金には20%の税金が課される。もちろん特定口座(源泉徴収あり)であれば確定申告は不要だ。

2段目の10200円の場合には状況が異なり、分配後の基準価額である10000円が個別元本を下回っているためだ。分配後には元本が200円減少しているわけだから、支払われた500円の分配金のうち200円分は元本が戻されたに過ぎないことになる。そのため、分配金500円のうちの200円は非課税で、残りの300円に20%の税金が課されることになる。

そして3段目の10500円の場合には、分配後には分配金の分だけ元本が減少したわけだから、受け取った分配金は非課税となる。投信で分配金を受け取っているからといって、利益が出ているわけではないことが分かるだろう。

それでは、普通分配金と特別分配金を確認する方法だが、投信を既に購入しているならば証券会社か銀行から毎年か都度送られてくる「投資信託の収益分配金のお知らせ」という書面を見ればいい。

投資信託の収益分配金のお知らせサンプル

このサンプルは、税率が20%ではなく10%だった時のものだが、普通分配金の6552円に対して、10%分の税金である654円(458円+196円)が差し引かれているのが分かる。そして、分配金として受け取った11630円のうち約50%に当たる5732円が特別分配金で、元本を切り崩したに過ぎないとも分かる。

以上のように、投信の分配金は課税されるものと非課税のものがあり、それを確認すると共に実際に受け取った分配金で自分が儲けているのか否かも確認できる。度々送られてくる書面を流し読みせずに、その都度に継続していいのかどうか確認する好機と捉えることをオススメしたい。また、税金に関しては投信の分配金以外にも所得などがあり、税金で悩むようなことがあるなら、税理士の無料相談を利用したり無料相談会に行くといいだろう。確定申告で悩むようなら、市区町村で催される確定申告の無料相談会に行くのも手だ。