フィデリティ・USリート(UリトB)/ フィデリティ投信

フィデリティ・USリート(UリトB)イメージ
オススメ度:
4
運用会社:
フィデリティ投信
商品名:
フィデリティ・USリート(UリトB)
地域/決算:
北米 / 年12回(毎月)
対象資産:
不動産投信
基準価額:
5,155円(2012年6月11日付け)
手数料:
1.7%(申込手数料 ※フィデリティ証券) 1.47%(信託報酬)
コンセプト:
不動産投信に投資し、配当等収益の確保と信託財産の長期的な成長を図る

フィデリティ・USリートBは他社より安定した基準価額と高分配金が魅力!

この投信は、米国のオフィスビル・商業施設・住宅などの様々な形態の不動産を取得、管理、運用しているリートへ投資し、賃料収入や売却益を収益として分配金を出している商品だ。賃貸物件の空室率が低く稼働率が高ければ利益が発生し、賃料や不動産の売却価格が高騰すれば、その分だけ利益も上乗せされる。その一方で、住宅市場が低迷(住宅価格指数の低下)などが発生すれば、基準価額の下落・分配金減額等が起こる。
現在から過去1年を振り返ると、分配金は毎月分配(年12回)で毎月100円で安定している。2年前の2010年10月まで遡っても100円の分配金を出していた。

フィデリティUSリート・チャート

まず、現在までの基準価額の推移だが、2009年のリーマンショック以来、大きくは減少していない。一方で、分配金込みの累積投資額(分配金再投資後の基準価額)は順調に増加している。2011年後半は欧州債務危機もあり、小幅に減少しているが、その後は再び増加基調に入っている。

この投信の累積投資額は、米国全体の不動産市場の景気を表すリート指数に連動する。理屈としては、米国の不動産市場が回復を続ける限りは、分配金も順調に出し続けることになる。このまま既に底を打ったと言われている米国不動産市場が回復を続ければ、とりあえず見通しは明るい。

フィデリティ usリートの上位構成銘柄及び業種比率

次に、この投信の構成銘柄だが、米国不動産市場全体の景況を表す指数に連動しているため、特別に目立った特長は無い。

強いて言えば、他社の米国リートよりもサイモン・プロパティー・グループへの投資比率が若干高い。サイモンはショッピングモールを中心に保有しているため、業種でも小売が若干高めだ。サイモンという企業は世界最大の規模の不動産会社で、北米とヨーロッパに各々、300件程度のショッピングセンターを保有している。株価も非常に堅調で、リーマンショック時に23ポイントまで下落したが、現在はリーマンショック前の83ポイントを上回る150ポイントで推移しており、およそ2倍に躍進している。

米国の不動産市場・小売の各種経済指標

次に、米国経済の状況だが、2012年前半から小売売上高は堅調にプラスを維持しており、この投信には小売系の不動産の比率が高いため追い風とも考えられる。ただし、百貨店の売上は若干だが減少している。年後半の感謝祭以降(ブラックフライデー)で売上が伸びれば勢いは増しそうだが。。。

住宅に関しては、FRBの低金利政策により、住宅ローン金利は減少傾向にある。そのため新築着工件数は底打ちから反発しかけている。また、借家の空室率が減少していることから、賃貸への需要も旺盛なようだ。大規模な集合住宅への需要増は、この投信にとっても悪くはないはずだ。
また、アメリカ都市部の住宅価格も下げ止まり、これから借家などへも賃料増の傾向が強まれば、この投信のさらなる追い風になる可能性はある。基本的には住宅市場の回復は緩やかに続いているため、気長に待つ必要がありそうだ。

次に、他社の米国リート型の投資信託(純資産ランキングで上位)と、基準価額、手数料、信託報酬、利益額、分配利回り等を比較した。「分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額 = 利益額」
最後に、基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。
計算上での考え方は「前年比で基準価額がマイナス5%とすると、1年後・2年後・3年後も5%ずつ減額した場合、3年分の分配金を足すと元金の100万円を超えているか否か?」
※増減率は1年前の基準価額から現在まで何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。

製品名 フィデリティ
USリート
新光
US-REITオープン
愛称:ゼウス
ダイワ
米国リート・ファンド
ダイワ
US-REIT B
GS
US リート
トリプルエンジン
基準価額 5,155円 4,274円 5,832円 4,953円 3,664円
増減率 -11.9% -18.6% -16.9% -16.2% -15.6%
手数料 1.7% 2.1% 3.1% 2.1% 1.5%
信託報酬 1.47% 1.60% 1.59% 1.59% 1.50%
信託財産
留保額
0.3% 0.1% 0.3% 0% 0%
分配利回り 21.8% 23.7% 25.2% 25.1% 18.2%
3年分の
利益額
654,251円 710,072円 754,769円 751,815円 544,520円
100万で
3年運用
※基準価額増減考慮
1,317,105円 1,227,306円 1,293,902円 1,318,848円 1,131,243円
最終予想
利回り
9.62% 7.07% 8.97% 9.66% 4.20%

上図の通り、フィデリティ・USリートは、基準価額は他社よりも安定している。1年前の2011年6月の基準価額は5,854円で、およそ10%程度しか下落していない。しかし、分配金は減額しておらず分配利回りは20%前後をキープしているため、かなり良好な数字だ。他社の米国リートが15~18%は基準価額を下落している(資産を削っている)と考えれば、他社よりも上手く運用できていると考えてよさそうだ。他社と比較すると信託報酬も最安なのも評価できそうだ。
この投信を100万円で3年運用した場合の最終予想利回りは、ダイワUS-REIT Bと同等でトップの数字になっている。しかし、ダイワが基準価額を16%削って分配利回りをキープしていることを考えれば、約12%しか削らずに同等の分配利回りをキープしているフィデリティの方が安心感はある。

最後に結論だが、米国リート(USリート)を検討中ならオススメだ。分配利回りや最終予想利回りでは若干他社に劣るが、基準価額が他社よりも減少していないのは、他社よりも運用が上手くいっている証拠と考えられる。基準価額が比較的安定しているのは、いちいち基準価額をチェックしなくても良い分だけ、精神衛生上も良いだろう。また、信託報酬が最安値になっているのも心強い。
また、分配金込みの累積投資額の騰落率でも、1年でプラス5%、3年でプラス74%というハイパフォーマンスなのも良い。他社は、1年で2~3%、3年で40~60%になっており、単純に騰落率だけ見ても、明らかにパフォーマンスは良い。やはり、この投信が最もオススメな米国リートだ。もしも、短期決戦で利回りを重視するならダイワUS-REIT Bでも良いだろう。