イーストスプリング・インド株式オープン(PCAインド株式オープン)/ イーストスプリング・インベストメンツ

イーストスプリング・インド株式オープン/イーストスプリング・アセットマネジメント
オススメ度:
2
運用会社:
イーストスプリング・インベストメンツ(旧 PCAアセット・マネジメント)
商品名:
イーストスプリング・インド株式オープン(旧 PCAインド株式オープン)
地域/決算:
インド / 年1回
対象資産:
株式
基準価額:
9,754円(2013年6月24日付け)
手数料:
0%(申込手数料 ※二浪証券) 1.22%(信託報酬)

イーストスプリング・インド株式オープンは数字は悪くないが?

この投信は、以前は「PCAインド株式オープン」という名称だったが、2012年に運用会社のPCAアセットがイーストスプリングへ名称変更をしたのを機に、現在は「イーストスプリング・インド株式オープン」という名称になっている。ただ、その中身は同じで、変わらずインド企業の株式に投資している。さて、過去の分配金履歴を振り返ると2011~2012年は0円であった。ただ、2006年は1,500円、2007年は2,000円、2008年は1,200円、2009年は1,300円と高額な分配金を出していた。

イーストスプリング・インド株式オープンの基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、さすがにサブプライム・リーマンショック前の2007年のピークには程遠いものの、ようやく2010年時の水準まで戻してきた。累積投資額(分配込みの基準価額)は年1回の大きな分配金で基準価額との差が年々増幅してきたが、近年では止まっている。ただ、直近は経済動向とアジアからのマネー流出で、一本調子の上昇から再びの停滞か下落が始まりつつある。

一方で純資産は減少が止まらない。インドが日本の個人投資家から忘れられつつあるのか、証券会社・銀行が販売する気がないのか。。。

イーストスプリング・インド株式オープンの業種比率・上位構成銘柄

次に、この投信が投資している銘柄だが、業種別では金融がトップ、次いで一般消費財/サービス・エネルギー・情報通信が続く。この並び順は他社のインド株投信と同様だが、金融関連に対する投資比率の30%は他社より高い。

最も投資比率が高い「ICICI銀行」は、他社投信でも上位にあることが多い。同行は世界銀行とインド政府が設立した銀行で、利益は米ドルで約910億ドルとかなりの額だ。ただ、その株価は数年来800~1100台を往復するだけで、大きな上昇・成長が見込めそうにない。一方で2番手の「ITCリミテッド」はタバコ製造から始まり、現在は食品・アパレル・教育·文具製品・お香とマッチ・ホテルと事業を多角化している。お香は宗教心が強いインドにおいては大きなマーケットでもある。株価も非常に堅調に上昇しており、2010年の120ルピーから2012年には250ルピで現在の350ルピーまで右肩上がりだ。この投信にはプラスに寄与していそうだ。

インド経済のGDP等の経済指標

今後のインド経済の見通しだが、結論から言うと現在は非常に厳しい状況だ。成長率は2010年から急速に減速している。個人消費を牽引してきた自動車の販売台数も、政府の金利引き上げがあり、自動車ローンを組みにくいこともありで頭打ち状態にある。ただ、もちろんIT大国として有名なインドだけあって、グローバルなIT系企業のインドにアウトソーシングしており、ことITに関しては堅調に成長はしている。ただ、ITだけでは経済全体の底上げ。維持するには力不足と言わざるをえない。

また、慢性化している停電、鉄道などを含めた輸送面での不安、政府の規制によりオフィスの価格が東京と比較しても特別に安くはない、さらには社会的に根強く残るカースト問題等、問題は山積みだ。

次に、インド株式に投資する投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%かも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 HSBC
インドオープン
イーストスプリング
インド株式
アムンディ
りそなインド
野村
インド株投資
イーストスプリング
インフラ株
基準価額 12,569円 9,754円 4,934円 14,029円 5,074円
増減率 +22.3% +28.6% +36.9% +24.1% +17.1%
手数料 3.0% 0% 3.0% 3.0% 1.5%
信託報酬 2.00% 1.22% 1.13% 2.00% 1.22%
分配利回り 0.4% -1.2% -1.1% -0.7% -1.2%
3年分の
分配利益額
-18,395円 -41,600円 -63,900円 -56,508円 -56,600円
分配金と収益
比率
\300=\300
(100%)
- - \180<\0
(0%)
-
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,810,447円 2,087,504円 2,504,157円 1,854,526円 1,548,066円
最終予想
利回り
21.8% 27.8% 35.8% 22.8% 15.6%
インド株式型投資信託の比較表(HSBCインドオープン・イーストスプリング インド株式・アムンディ りそなインド・野村インド株投資・イーストスプリング インフラ株)

上図で「イーストスプリング・インド株式オープン」を比較したが、まず基準価額は1年前の2012年から約30%の上昇をしており、この伸び率はアムンディに次ぐ上昇幅だ。さらに、手数料・信託報酬が安価な点もプラスだ。ただ、年1回の決算があるが、冒頭でも述べた通り現在は分配金は0円だ。そのため分配利回りでは諸経費分だけマイナスになる。基本的には基準価額の上昇に全てを賭けるしかないということだ。

以上を加味した最終予想利回りは、基準価額の上昇が大きく計算上では約27%と非常に高い利回りとなった。ただし、インド経済の状況、世界的な投資マネーがインドから徐々に離れている点から、2014年以降も2012-2013年と同様のパフォーマンスを維持できるとは考えにくい。今からの購入となると、利回りは5~10%で上出来、最悪は大きなマイナスも覚悟した方が現実的だろう。

結論としては、想定利回りなどの数字は悪くなく、投資している株式銘柄にも光るものがあり、その意味ではオススメしたいところではある。しかし、いかんせんインドの経済が悪く、同国の通貨のルピーが大幅安になっている現状からすると、同国経済の先行きには相当の不安がある。この投信の純資産の増加も鈍く、個人投資家も離れつつある現状も加味すると、あまりオススメはできない投信だ。