野村インド株投資/ 野村アセットマネジメント

野村インド株投資/野村アセットマネジメント
オススメ度:
1
運用会社:
野村アセットマネジメント
商品名:
野村インド株投資
地域/決算:
インド / 年1回
対象資産:
株式
基準価額:
14,029円(2013年6月24日付け)
手数料:
3.0%(申込手数料 ※野村證券) 2.00%(信託報酬)

野村インド株投資は基準価額が1万円を割らないなど評価はできるが!

この投信はインド企業の株式に投資し、その配当や売買益で運用している。また、為替ヘッジを行っていないため、ルピーの為替動向に大きく左右され、例えば円高ルピー安に振れれば、基準価額が大きく下落する要因となる。スタートしたのは2005年で、HSBCやイーストスプリング(旧PCA)のインド株投信に次いで歴史が長い。さて、過去の分配履歴を振り返ると、2012年は180円、2011/2010年は500円、2009年は200円とバラつきがある。ただ、その原資ついては疑問が残る(後述)

野村インド株投資の基準価額(基準価格)及び純資産の推移チャート

まず基準価額だが、2012年春から上昇を始め、ようやく現在は2010年時の水準まで戻してきた。ただ、チャートでは表れていない直近では、アジアからのマネー流出、インド通貨ルピーが大幅安になったため下落している。ここから伸びるか否かは、経済情勢次第となろうが、GDPで大きく成長してきた2010年時以上となると、上昇には限度があると考えた方が賢明だろう。

純資産は、2009年から増加する気配は見られず、減少が続いている。他社のインド株式型投信も減少はしているため、そもそも個人投資家のインドへの関心が希薄化し、また証券会社・銀行も販売する気がない可能性が高い。

野村インド株投資の業種比率・上位構成銘柄

次に、この投信が投資している銘柄だが、業種別では商業銀行がダントツのトップ、次いで情報通信サービス・建設土木が続く。他社も金融業がトップではあるが、商業銀行と明記しているのは、この投信ぐらいだ。また、建設土木が上位に来ているのもオリジナリティがある投資といえる。

個別銘柄で投資比率が高比率なのは、HDFC銀行・ICICI銀行で、この二行で投信全体の30%を占めるため、その2銘柄による株価の影響は非常に大だ。前者の株価が堅調だが、後者はレンジ内を行き来するだけで株価の大きな成長は見込めそうにない。また、3番手もHDFC銀行の大株主で住宅ローンを手がける金融公社だ。建設土木では「LARSEN&TOUBRO(ラーセン・トゥブロ)」が上位にある。同社は建設業からスタートしたが、現在はものづくりから発展して建設機器・造船・原発といった重工業まで幅広く手がけている。

インド経済のGDP等の経済指標

今後のインド経済の見通しだが、結論から言うと現在は非常に厳しい状況だ。成長率は2010年から急速に減退している。BRICS諸国が全般的に成長スピードを落としているが、その中でも下げ幅が大きいのがインドだ。

その原因は幾つかあるが、その中でも急成長を背景に物価が上昇してきたが、過度なインフレを抑制すべく政府が金利引き上げを実施したのが大きい。インフレは抑えられたが、自動車ローンのように金利が高いと販売台数が落ち込むように景気が冷えてしまう。また、インドはIT大国のようなイメージが強いが、実際はGDPに占める農林水産業の割合は約18%と高い(日本・米国は2~3%で、中国で10%、インドネシアでも15%)。そのため気候、特に降水量が少なければ、作物が育たずに経済を悪化させる非常に不安定な面がある。

次に、インド株式に投資する投信(純資産ランキングで上位)と、基準価額・手数料・利益(利益=分配金-手数料-信託報酬-信託財産留保額)分配利回り等を比較した。また、分配金のうち実際にファンドの収益が何%かも投信の健全性として比較した。さらに基準価額の増減も加味して3年後に100万円が赤字か黒字か?を計算した。その場合、過去1年間の基準価額の増減が今後3年間も繰り返し、分配金も現状維持と仮定した。計算上は「前年比で基準価額がマイナス5%なら、1~3年後も5%ずつ減額すると仮定し、3年分の分配金を足すと元金100万円はプラスか?」※増減率は基準価額が1年前から何%下落したか?を表す。一般的な騰落率とは異なる数値。信託財産留保額は投信を解約時に発生する約0.5%の費用

商品名 HSBC
インドオープン
イーストスプリング
インド株式
アムンディ
りそなインド
野村
インド株投資
イーストスプリング
インフラ株
基準価額 12,569円 9,754円 4,934円 14,029円 5,074円
増減率 +22.3% +28.6% +36.9% +24.1% +17.1%
手数料 3.0% 0% 3.0% 3.0% 1.5%
信託報酬 2.00% 1.22% 1.13% 2.00% 1.22%
分配利回り 0.4% -1.2% -1.1% -0.7% -1.2%
3年分の
分配利益額
-18,395円 -41,600円 -63,900円 -56,508円 -56,600円
分配金と収益
比率
\300=\300
(100%)
- - \180<\0
(0%)
-
100万で3年運用
※基準価額
増減考慮
1,810,447円 2,087,504円 2,504,157円 1,854,526円 1,548,066円
最終予想
利回り
21.8% 27.8% 35.8% 22.8% 15.6%
インド株式型投資信託の比較表(HSBCインドオープン・イーストスプリング インド株式・アムンディ りそなインド・野村インド株投資・イーストスプリング インフラ株)

上図で「野村インド株投資」を比較したが、基準価額は1年前の2012年6月から24%の上昇している。この伸び率自体は他のインド株式型投信に見劣りする。しかし、基準価額について振り返ると、この投信がスタートした際の10,000円から、2013年現在の14,029円まで10,000円を切っていない。この投信がスタートした際に購入した人は含み損が出たことがないといえる。そう考えると、爆発的に大きな上昇を狙うというより、ある程度は安定した動きを狙っているとも考えられる。また、手数料・信託報酬は高額で、分配金も出てはいるが諸経費ではマイナスなうえに、運用報告書に記載されている分配金の原資が収益外から出ている(=資産を削って分配金を出している)これは頂けない。最終予想利回りは、基準価額の上昇が大きく計算上では約22%と上々の利回りとなった。ただし、前述したインド経済の状況から2014年以降も2012-2013年のように上昇できるとは考えにくい。さらに減少が止まらない純資産からして、ファンドマネージャーが予定通りに銘柄を購入しにくくなる可能性もある。よくて5~10%、悪ければ大幅赤字と考えるべきか。。。

結論としては、過去を振り返ると、基準価額が1万円を下回ったことが無いなど、評価すべきポイントも多いのだが、これからの購入となると微妙だ。特にインド経済の情勢が不安視される。経済情勢が再び上向きになるか、個人投資家からの人気が再燃しない限りは様子見をするのが妥当だろう。